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[藤棚ONLINE] 国際言語文化センター・MACH Thomas先生推薦『Ishmael』『The Alchemist』

図書館報『藤棚ONLINE』
MACH Thomas先生(国際言語文化センター) 推薦

I love to read. I have a long train commute everyday – more than one hour each way. My train time is my reading time. I grew up in America, and if I lived there still, I would probably be driving my own car to work. Some people might think that commuting by car is more attractive than train, but not me. My long daily train ride is one of my favorite parts about my lifestyle here in Japan. Thanks to the train, I’m still able to read books nearly two hours every day.

So, I read a lot. This means it is really difficult to choose only one or two books to recommend to Konan students. There are so many that I want to recommend! But to make a choice, I asked myself this question: What are some simple books that moved me deeply when I was a university student? Here are two novels that had a big impact on me at that time: Ishmael and The Alchemist.

The first book is about a gorilla named Ishmael. This gorilla was captured by humans when he was very young. Now he is old. Because he has lived in cages for most of his life, he has had a lot of quiet time to think. He is now very wise and has become able to communicate by telepathy (テレパシー). He carefully chooses humans with open minds who might be able to grasp what he is able to teach, and this story is about Ishmael’s conversations with one man who has become his student.

Have you heard of Socrates (ソクラテス)? In Ancient Greece, Socrates was considered a great teacher of philosophy (哲学)because of his teaching method, called “Socratic dialogue.” In this teaching method, the teacher doesn’t directly teach. Instead, he uses question after question after question. Students, as they try to answer the questions of the wise teacher, gradually discover deep truths by themselves. In this book, Ishmael uses this teaching method. As a non-human, he is trying to teach humans about their role in this world and their history so far.

In short, Ishmael shows us that there have been two types of human societies in the world. He calls them “Leavers” and “Takers.” Leavers are the tribal cultures of the world. They live more simply within the world’s natural cycles, similar to animal populations. A long time ago all humans were Leavers, but little by little Taker societies developed. The key event in history that gave rise to Taker culture is the invention of agriculture (農業). Agriculture has helped Taker societies to escape ecological limits and become extremely powerful, but it is also leading to environmental doom. In addition, Ishmael teaches us how the core myths created by Taker cultures make it so difficult for Taker humans to see such basic truths by themselves.

The other book, The Alchemist, is similar in many ways. Like Ishmael, this too is a book about searching for deep truths. The main character is a Spanish boy who has a prophetic dream, and so he decides to take a journey in order to find the meaning of the dream. This journey takes him across the countries of northern Africa, eventually into Arab cultures, and then back to his home in Spain. He meets many interesting people along the way, including an alchemist (錬金術師), and the idea of alchemy is a kind of hint about the book’s deeper meaning. In short, on one level this is a really simple story about one person’s journey. But, on a deeper level, this book is full of half-hidden wisdom about how to live a meaningful life and follow our dreams.

In English, philosophy (哲学) is a word that maybe sounds a little scary to most people because it seems so difficult. But both of these books are basically philosophy disguised as simple stories. The English versions are not so difficult to read, and luckily we also have Japanese translations for both of these books. These stories will help you to think about the meaning of human life. And, if you are in a thoughtful mood while reading them, they will surely move you too. In fact, they might change your life.

グッバイKoRo……

GoodbyKoro

 KONANプレミアプロジェクトの一つである知能情報学部の「KONAN AI ロボット学びプロジェクト」において、長年、学生の学びと研究のため図書館エントランスで頑張ってくれていたKoRoちゃんですが、この度その役割を終え、引退することになりました。
 入退館時の挨拶や貸出ランキング、天気予報のほか、いろいろな遊びや顔認証のプログラムが組み込まれ、すっかり学生にも馴染んでいたKoRoちゃん。
 田中先生と和田先生、図書館職員で最後のお掃除。きれいになったKoRoちゃんは知能情報学部の研究室に引き上げられ、図書館からは去ることになります。
 ちょっと寂しくなりますね……今までありがとうKoRoちゃん。田中先生、和田先生も大変お疲れ様でした。そして研究開発に携わり、図書館とも何度も会議をした 多くの学生の皆さん。すでに卒業なされた方も多いですが、皆さんには、この開発経験を社会に出てからも活かしていってもらえたらなと思います。図書館も貴重な経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。

多読チャレンジ 50冊達成者がでました!

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
畑田亜美さん
文学部歴史文化学科 1年次生


 2020年1月6日に多読チャレンジ50冊を達成されました。
 過去に多読はやったことがなく、初めての多読チャレンジでしたが、小学生の頃に好きだった『Rainbow magic』シリーズを中心に読み進め、見事に50冊を達成されました。
 本を選ぶ際は、知っている本や懐かしい本、または表紙に興味が沸いた本やレビューを参考にしたそうです。
 多読チャレンジだけでなく、ライブラリサーティフィケイトにも挑戦し、図書館や司書にも興味がありますとお話しされました。
 以下は、ご本人のアンケートによるものです。

○『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。

ーー小学生の頃に好きだったシリーズがあり、それだけで殆ど終わってしまった。

○『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

ーー受験期より落ちていた読む速度が少し戻った気がする。

○現在チャレンジ中の『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。

ーー探してみると知っているものが意外と多くあるので、そういうものや物語の方が楽しく読めると思います。

[藤棚ONLINE] フロンティアサイエンス学部・三好大輔 先生推薦『La La Land』(たまにはミュージカルも)

図書館報『藤棚ONLINE』
三好大輔 先生(フロンティアサイエンス学部) 推薦

La La Land
デイミアン・チャゼル監督・脚本
ライアン・ゴズリング, エマ・ストーン[出演]

 このブログコーナーは教員がおすすめの書籍を紹介するのですが、年末に見た映画を紹介します。もちろん図書館で視聴できますよ。
 2016年に公開された米国のミュージカル映画です。ジャズピアニストの男性と女優のドラマです。二人は夢と現実との乖離に悩み、逃げ、妥協します。でも最終的にお互いの夢を叶えます。ハッピーエンドとは言えないのですが。
 恥ずかしながら映画も音楽もよくわかりません。しかし、とても印象に残る点がありました。
 一つ目は人と違うことを恐れないこと。周りに流されることなく自分を貫いてください。
 二つ目は夢をあきらめないこと。夢を叶えるには何歳でも遅くありません。皆さんは若いです。これから何でもできます。
 三つ目は大切な人に出会うこと。自分よりもその人の幸せを願えるような人です。その人のためなら自分のためよりも頑張れるような人に出会えたら人生無敵です。
 こんなおじさんでも「よし頑張るぞ!」と思えました。皆さんもこの映画とともに素晴らしい2020年をはじめませんか?

2020年はねずみ年!

 もう今年も終わりですね。大学生の皆さんは後期試験を控え、あるいはレポートや卒論で大変でしょうが、手洗いうがいを忘れずインフルエンザには注意して過ごしてもらいたいところです。
 さて、来年はねずみ年ということで、十二支が一巡します。
 そこで図書館でも暦や十二支に関する展示を行っています。

 太陰暦や太陽暦、日本の時刻制度など、読みやすくまとめていますので、ぜひ
一度 ご覧ください。
 かわいい十二支たちがわちゃわちゃしつつお待ちしております!

[藤棚ONLINE] マネジメント創造学部・杉本喜美子先生推薦本『君たちに明日はない』・『水鏡推理』・『貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する』

図書館報『藤棚ONLINE』
杉本喜美子 先生(マネジメント創造学部) 推薦

 3回生の就活シーズンが始まった。自己PRや志望動機を書いたのでコメントを頂けませんか?という相談であふれる季節である。ゼミや講義で接点を持ってはいても「時間の共有」の点で圧倒的に足りていない相手に、適切なコメントができるほど人間はできていない。さらに言えば、自分自身の働くことに対する姿勢が正しいと、自信の持てることは何一つない。だからこそ、皆さんがこれからの行き先を悩んだ時、今から挙げる本が、何かしら参考になればと期待を込め、私のすべき仕事を作者陣に任せてしまおう!
 垣根涼介の『君たちに明日はない』シリーズは、会社をリストラされる人々の面接官が主人公である。リストラの経緯を通して、様々な業界/職種の人々がどんな姿勢で仕事に向かい合っていたか、そして向かい合っていくかを描いた小説で、各業界/職種の苦労と楽しみが理解できると思う。読んだのは何年も前だが、未だ印象に残っているのが、主人公自身が最初にリストラを宣告される場面である。リストラの理由は「いただく給料をわずかに超えるパフォーマンスしか常に出していないから」であった。逆に言えば、自分が働くことで会社に与える利益がいくらかを緻密に計算できているわけだ。全力で仕事をしていた自分は、単に自信と冷静さに欠けていただけだな、若くてあほだな!と反省したことを覚えている。もちろん、わずかでなく最大のパフォーマンスを出すことが職場の雰囲気をよくすることもあるだろう。だが、その計算のもとで働く人間もいること、その計算の中で自分はどのくらいの価値を持つのかということをきちんと知ろうとすることこそ大事だと思う。
 『万能鑑定士Qの事件簿』で知られる松岡圭祐の『水鏡推理』シリーズは、論理的思考力と熱意にあふれた文科省ヒラ職員が主人公で、総合職である国家公務員やその道の権力者たちの不正を暴いていく。それぞれの仕事における“優秀さ”とは何かを考えさせられる小説だ。正規/非正規や職位など、立場の違いで発生する給料の違いが、その人自身のパフォーマンスとリンクしていないことの理不尽さを改めて実感させられる。自分自身も人から見ても“あなたがそこにいていいよ”と納得できる仕事に出会えるのは、奇跡なんだろうか?
 最後は、私の教える国際経済学の分野から一つだけご紹介。ダニ・ロドリックの『貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する』(もちろん訳本でお試しください。翻訳上手!)。この本の内容は読んでください。まとめるには長すぎる。ダニ・ロドリックの論文は常々、自分の研究のために読むことが多いが、ほかの論文と違い「今、世の中で何が問題か?」ということに真摯に向き合い、そのhot issuesをできる限り直ぐに(他の方に先駆けて)解決したいとはやる気持ちが伝わってくる経済学者だ。よって、ボーっと目をつむっていただけで、世の中の問題はすべて先に解決されちゃうんじゃないか、私の手を出す場所は何もなくなるんじゃないかという不安を呼び起こす。だからこそ、論文でなくこういう著書を読むと、どんなふうにhot issuesを研究題材に変換していくのか、その経路を見せてもらえる気がする。研究者としての仕事を全うするうえで、こんな本の読み方もありますよ、というご提案。みなさんそれぞれに出会ったことのない同業の尊敬者を将来見つけるんじゃないだろうか。こういう本の読み方、10年後にどうぞ!