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2026年度 ブックハンティングツアー(店頭選書)を行いました!

 8月7日(金)、ジュンク堂書店三宮店において、学生と図書館職員によるブックハンティングツアーを行いました。当日は、岡本キャンパス学生4名・ポートアイランドキャンパス学生1名の参加があり、職員とともに図書館に置きたい本を書棚から選び、ハンディーターミナルを使って本にあるISBN(バーコード)をスキャンして選書しました。

    *参加された学生さんの感想です*

経営学部 2年次

私は、元々本屋で立ち読みをしながら面白い本をじっくり探すことが好きなので、今回のブックハンティングはとても楽しいイベントでした。最初はたくさんの本があったため、何から読もうか迷いましたが、興味のある世界史の分野から開拓していきました。そして、以前読んだ地政学の本や有名な近代小説なども読み返しながら記録しました。その結果、開始から終了までの約二時間が経ったとは思えないほどブックハンティングに夢中になりました。
また、このような機会があれば、ぜひ参加したいと思います。

経済学部 2年次

大学の図書館に所蔵する本を選ぶハンティングツアーに参加させていただきました。私は経済学部に所属しているため、経済学の勉強に役立ちそうな本や、読んでおくことで今後の授業の予習になりそうな本を中心に選びました。大学の図書館に置く本を自分で選ぶという、貴重な企画に参加することができ、とても有意義な経験になりました。実際に本を選んでみると、自分が興味を持つ本だけでなく、他の学生にとっても役立つ本を選ぶ必要があり、本を選ぶことの楽しさだけでなく、難しさも知ることができました。

経営学部 1年次

今回のブックハンティングツアーに参加し、書店でゆっくり本を眺める楽しさを改めて感じました。神話や芸術、専攻しているマーケティングなど、興味のある分野の本を多く見つけ、今後の大学生活でぜひ学びたい、と知的好奇心が刺激されました。また、大学図書館に入れる本を選ぶ中で、自分が読みたい本だけでなく、読みやすさや分かりやすさ、他の大学生に読んでほしいという視点から本を選ぶことができ、新たな価値観を得る良い経験になりました。

フロンティアサイエンス学部 3年次

私はもともと文系志望でした。中学の頃、「浜村渚の計算ノート」という数学ミステリーの小説と出会い、数学の面白さを知りました。
授業で聞くような数学は退屈で無味乾燥なものでしたが、この本が私に魅せてくれた数学の世界はこの上なく深遠でした。
その出会いをきっかけに「この本に書かれた美しい数学の世界を、片鱗でも理解したい」という気持ちが芽生え、理系を志すようになりました。
たった一冊の本が考えもしなかった世界への扉を開くことはままあります。
本離れの進む昨今だからこそ、自身の専門分野の学術書や専門書だけでなく、ぜひ文学や文芸の世界にも触れてみていただきたいと思います。
ここFIRST(ポートアイランドキャンパス図書室)には文学、文芸の蔵書が少なく、心惹かれる本が無いという方もいらっしゃるでしょう。事実、私もそう感じることがあります。
今回のブックハンティングツアーでは図書館にあまり見られないジャンルを中心に選書しました。
私が選んだ本のうちたった一冊でも、誰かの琴線に触れることができたなら至上の喜びです。ぜひ、研究や授業の合間に図書館へ足を運んでみてください。
あなたとの出会いを待つ一冊がそこにあるかもしれません。

[藤棚ONLINE]経済学部・奥山鈴香先生推薦『にっぽんの美しい民藝』

図書館報『藤棚ONLINE』
経済学部・奥山鈴香先生より

 私が紹介したい本は、『にっぽんの美しい民藝』です。この本では、日本全国の民藝館と民藝のお店の情報が写真付きで紹介されています。民藝とは、民衆的工藝の略で、いわば、職人さんによる日常づかいのためのものづくりといったところでしょうか (もはや誰も無名ではない)。

 ここ数年、私は旅先で器を買うのにはまっています。はじまりは、学会発表で行ったオランダのアムステルダムでした。シンゲルの花市場にあるムント塔のデルフト焼きのお店で、高価なデルフト焼きはあきらめ、隅にあったポーリッシュポタリーの皿と小鉢を買いました。どちらもおそろいの白地に青い線と赤いチューリップの柄です。それをきっかけに、長崎駅で波佐見焼の小鉢を、小樽のセミナー会場の近くでグラスを購入しました。

 仕事柄、出張に行くとはいえ、その場所も時間もかなり限られています(やたら東京が多い)。そうなると、私的に出かけざるを得なくなります。立杭の丹窓窯でスリップウェアの皿を買い、そういえば、ポスドク時代の雇い主が美術館に通えとしつこく言っていたなと思い出し、山崎の美術館を訪ねました。そして、しだいに民藝について知るようになりました。

 旅行に行った先々でその土地を知ることはとても楽しいことです。様々な気候や風土があり、それぞれの土地で作られるものが異なります。旅先で器を買い日々使うことで、作り手の物語、私の旅の物語、私の生活の物語が重なっていきます。この器の物語は、購入をSNSにあげたところでは完成せず、私たちが生きるということは日々の過程そのものに価値があることを教えてくれます。

 そこで、夏休み、旅のお供にこちらの1冊いかがでしょうか。電子書籍もあります。

[藤棚ONLINE]理工学部・池田茂先生推薦『銀二貫』

図書館報『藤棚ONLINE』
理工学部・池田茂先生より

 おすすめしたい一冊は、髙田郁さんの「銀二貫」です。宝塚歌劇で演目になっていることを、観劇が趣味の妻から教えてもらったのが読むきっかけでした。江戸時代の大坂を舞台に、父を失った少年が寒天問屋に助けられ、周囲の人々に支えられながら成長していく物語です。髙田郁さんの作品には、人の温かさや、まじめに働くことの尊さが丁寧に描かれています。派手な話じゃないのに、読み終えるとじんわり効いてくる。時代小説になじみがない人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。

[藤棚ONLINE]文学部・友田義行先生推薦『世界は分けてもわからない』

図書館報『藤棚ONLINE』
文学部・友田義行先生より

 世界は分けてもわからない、というタイトルがもう秀逸です。世界はひとつながりの全体ですが、大きすぎて私たちには捉えきれません。そこで細分化し、分析する、つまり分けることで、私たちは「分かった」と思い込む。けれどもそれでは世界という全体は「分からない」のではないか。分子や原子や電子をとらえることで「分かる」ことも多々ありますが、一方で、花がもつ美しさや香りが見失われてしまうこともある。

 大学での研究活動も、多くは「分からない」ことを「分かる」ようにするために行われます。そのために対象を緻密に観察し、詳細かつ正確な議論を構築することが求められる。でも、時には空を見上げて胸を開き、全体としてはどうなんだろうと、頭や視点をリセットすることも必要だなあと思うのです。

 本書では、「電車に乗っているときふと顔を上げると、向かいの人もこちらを見ていて視線がぶつかり合うことが多いのはなぜか」とか、「幼児が人間の絵を描くと、頭からちょくせつ手足が生えている絵になりがちなのはなぜか」といった話題から、「脳死は人の死であるとか、胎児はどこからが人間なのかとか、なぜ人の生命を前後から縮めるような議論が繰り返されるのか」といった問題まで、様々な現象を対象としながら、全体としては上述のような思考法で世界を理解しようとする議論が重ねられています。その先に、著者が一貫して提唱している生命観である、「動的平衡」という概念が見えてきます。

 研究分野を問わず、「考え方・ものの見方」を学べる好著です。

25冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

2026年5月12日に『多読チャレンジ』25冊を達成されました!

匿名 経済学部 経済学科 1年次生

 多読チャレンジを始めてから1か月ほどで25冊を達成されました。多読学習を習慣化するということを目標にレベルの低い本から読み進めているとのことです。これからも自分のペースを大切に楽しみながらコツコツ続けてほしいです。
 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q1 『多読チャレンジ』に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?

  日常生活で日本語で記載された情報は入ってくるのに、英語に言語が切り替わるだけで
  読めないことに疑問を感じ、これから世界的な交流や書物は英語で話され、書かれて
  いるのに拒むような現状が残念に思い挑戦しようと思いました。

Q2 25冊を達成した感想をお聞かせください。

  思ったよりすぐに達成できました。最初の段階は効果の実感ができるということよりも
  習慣化させることを重視したので、すぐに読める本で組んでみました。
  スモールステップとはいえ、多様なジャンルを読めて楽しめました。

Q3 チャレンジする本はどのように選びましたか?

  SSSに記載されている手順に沿って進めたいと思い、レベル0の本を主に選びました。

Q4 『多読チャレンジ』のこれからの目標などがあれば、お書きください。

  経済雑誌の海外版「TIME」などを読んで情報を取れるようになりたいです。

☆おすすめの本として“William Shakespear”を紹介してくれました。「こんな人だったのか」と驚きがあって面白かったそうです。有名な作品を多数残したシェイクスピアですが、意外とその素顔までは知らない人も多いかもしれません。語学学習室には様々な人物の伝記を所蔵しています。気になるものを見つけたらぜひ手に取ってみてください。

☆多読チャレンジはいつからでも始めることができます。
 卒業までに何冊読めるか挑戦してみませんか?
 興味のある方は図書館1階カウンターへお声がけください。

 

[藤棚ONLINE]新図書館長・村澤康友先生(経済学部)ご挨拶

図書館報『藤棚ONLINE』
新図書館長・村澤康友先生(経済学部)ご挨拶

 はじめまして.4 月より新たに図書館長に就任いたしました,経済学部教員の村澤と申します.甲南大学の教育・研究を支える基盤として,図書館は重要な役割を担っております。本学図書館が引き続き学生・教職員の皆様のお役に立てるよう,微力ながら尽力してまいります.何卒よろしくお願い申し上げます.

 「読書は豊かな人間を,議論は機転が利く人間を,執筆は正確な人間を作る」という格言があります.私の知る限り,賢くなるための唯一の方法は読書です.読書を通じて私たちは,時間や空間を超えて偉人から学ぶことができます.漫画でも娯楽小説でも構いませんので,自分を豊かにしてくれる本を見つけ,積極的に読むことをお勧めします.

 私自身を豊かにしてくれた一冊として,私からはジョン・スチュアート・ミル『自由論』をお勧めします.私は本書から,自分の自由を貫き,他人の自由を尊重することの大切さを学びました.また本書は人生の指針となる格言の宝庫です.いくつかご紹介しますので,ぜひ味わってください.

人が良いと思う生き方をほかの人に強制するよりも,それぞれの好きな生き方を互いに認め合う方が,人類にとって,はるかに有益である.

自分の頭で考えず,世間にあわせているだけの人の正しい意見よりも,ちゃんと研究し準備をして,自分の頭で考え抜いた人の間違った意見のほうが,真理への貢献度は大きい.

どんなに正しい意見でも,十分に,たびたび,そして大胆に議論されることがないならば,人はそれを生きた真理としてではなく,死んだドグマ(教条)として抱いているにすぎない.

自分が言いたいことしか知らない人は,ほとんど無知に等しい.

意見の衝突は,熱を上げている当事者には良い効果をもたらさないが,もっと冷静でどちらの側にもつかない傍観者には益をもたらす.

人生の設計を自分で選ぶのではなく,世間や自分の周辺の人々に選んでもらうのであれば,猿のような模倣能力のほかには何の能力も必要ない.

人が一生をかけて完成させ,磨き上げるべき作品のなかで,一番重要な作品はまさしくその人の,人間そのものである.

無気力で無感動な人よりも,エネルギッシュな人のほうがかならず世の中に多くの益をもたらす.

たしかに,天才はごく少数しかおらず,そして,つねに少数のままだろう.しかし,天才が現れるためには,天才が育つ土壌を保持しておかなければならない.

改革の精神は,かならずしも自由の精神ではない.なぜなら,それは気の進まないひとびとにも改革を強いる場合がありうるからだ.

人が自主的に選択したものは,それが本人にとって望ましいもの,あるいは少なくとも我慢できるものだったことを示す.そして,人がもっとも幸福になれるのは,全体として,その幸福の追求手段をその人が自分で選択できるときである.

人は一般に自分の自由よりも自分の権力を守りたがる.

斉藤悦則訳 (光文社古典新訳文庫 ) より

 現代社会を生きる上で,「自由」の意義を正しく理解することはきわめて重要です.自由主義が経済にもたらす利益を論じたミルトン・フリードマンの『選択の自由』と,自由であることに耐えられない人間の弱さを指摘したエーリヒ・フロムの『自由からの逃走』を併せて読むことで,その理解はいっそう深まるでしょう.

 それから漫画も立派な読書の一つです.現代では世界中の若者が日本の漫画を読んでおり,国際交流においても重要な教養の一つとなっています.私の秘かな願いは,甲南大学図書館に日本の漫画の名作を所蔵することです(私の一押しは『進撃の巨人』です).図書館に置いてほしい漫画がありましたら,ぜひご意見をお寄 せください.


【図書館事務室より】
 藤棚ONLINE2026年度第1号は、今年度新たに図書館長に就任されました経済学部教授・村澤康友先生よりご挨拶いただきました。先生からご紹介いただいた「自由」に関する本、とても大切なことだと思いますので、ぜひ読んでみてください。
 図書館では、HPだけでなくX(Twitter)やこのブログでも情報発信していますので、定期的にチェックしてみてくださいね。学生の皆さんのご利用をお待ちしています。