「9. KONAN ライブラリ サーティフィケイト」カテゴリーアーカイブ

2019年度 第2回ブックハンティングツアーを行いました!

2019年10月4日(金)、ジュンク堂書店 大阪本店において、学生と図書館職員による今年度最終のブックハンティングツアーを行いました。当日は、図書館に置きたい本を書棚から選び、ハンディーターミナルを使って裏表紙に記載されたISBN(バーコード)をスキャンして選書を行いました。

今回は1名の学生に参加いただきました! 次年度も春から秋にかけて数回の実施を予定していますので、希望される方は参加してみてください。

 

参加された学生さんの感想です

**文学部 金澤 舞奈さん**

選書をするのは、やっぱり難しいものです。初めて経験したときは、大学図書館に所蔵するに相応しい本を選ぶことの難しさがありました。選書するのに慣れてきたころには、学生が必要としている本を選ぶことの難しさがありました。このツアーに何度参加しても、選書するのが簡単になるなんてことはありませんでした。けれども、だからこそ、やりがいがあると感じました。
選んだ本が一人でも多くの学生のためになることを願っています。

 

 


松蔭女子中学校英語科教諭 山田 久美先生へのインタビュー

文学部 3年生 Yさんが、松蔭女子中学校英語科教諭 山田 久美先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

-読むジャンルと感想

新刊、話題書、あとは最近電車の中刷り広告に載っている本を読んでいます。また、仕事上必要なグローバル教育関連や特別支援教育関連の専門書もよく読みます。主に通勤中に読みますが、疲れているときは、思考しながら批判的に読まなければならないような内容は控えて、ミステリーなどで頭をスッキリさせています。読むスピードは速い方だと思います。漫画を読む感覚でななめ読みし、肝心な部分を拾っています。

-高校までの読書と大学以降の読書の意義の違い

高校までは指定図書や関連図書、小論文対策など受験用に薦められた書籍を読んでいましたが、大学になると自分の興味ある内容や教養を深めたいと思える内容など自主的に選んで読むようになりました。自分好みのジャンルを見つけることができました。

-現在好きな作家

カズオ・イシグロ、松本清張、米澤穂信、小川糸、古市憲寿など

-学生へのメッセージ

とにかく多読ですね。好きなジャンルばっかり読むのじゃなくて、いろんなジャンルを読むことが必要です。「一旦読み始めたら最後まで読まなあかん」「最後まで読めば良さが分かるかもしれん」などと思っている人もいるかもしれませんが、テレビ番組を見ていてチャンネルを変える感覚で、読み始めて面白くないと感じたら途中で読むのをやめて別の本を読むのもいいと思います。例えば、上巻を読んで面白くないと思ったら下巻は読まないとかですね。しばらく経ってまた読み直してみようと思ったら、そのときに読めばいいと思います。自分で読書スタイルに対するハードルを高くしないことが読書を継続させるコツですね。あと、司書さんと仲良くなればコアな本とか教えてくれますよ。

(インタビュアー:文学部 3年生 Y)


大阪大学文学部  Y先生へのインタビュー

文学部 3年生 Yさんが、大阪大学文学部  Y先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

-本を読み始めたきっかけ

近所の文具店に売っていた岩波文庫に興味を惹かれ、大人への憧れから中学生の頃から文庫本を読み始めた。イギリス文学を研究していた父も「文庫だけは何冊でも買ってあげるから惜しみなく読みなさい」と後押ししてくれたおかげで岩波文庫を読破した。高校時代は試験前になると現実逃避すべく読書に没頭したが、こういうのは人間の習性なんだろうな(笑)。

-大学時代に読んで感銘を受けた本

やはり卒論で扱ったドクター・フォースタス。これだ、という直感があった。というのも当時既存の研究にはなかったシェイクスピア解釈の新たな糸口として学部生ならではの斬新な切り口を卒論で論じた。自分の生涯の研究テーマが決まった。

-読書の意義とは

メディアや今流行りのYouTubeといったいわゆる受動的情報源に比べ、読書というのは能動的なアプローチが必要となり、それなりに頭を使う。だからこそその情報が正しいのか自分の判断で見極める力を養うことができる。

-学生への助言

阪大文学部の学生と甲南生は読書量に圧倒的な差がある。阪大生は本当にたくさん読んでいる。読むということは「引き出しを持つ」ということであり、それは同時に文学を学ぶ上での「基礎体力を養う」ことになる。知識の引き出しがなければいくら文学的才能があっても優れた文章力を持っていても、何も深く論じられない。読むのが遅くてもいい。読んだ内容から何かを得られなくてもいい。ただ読んでいる、その話を知っている、ということ自体が重要なのだ。他の文学作品との関連性やより深い読み方が分かってくる、そういう引き出しを自分の中で作ればさらにオリジナリティが増した面白い文学評論ができるようになる。だから学生のうちに読め、ジャンルは問わず本でも論文でも何でもいいから手当たり次第、とにかくたくさん読め。

(インタビュアー:文学部 3年生 Y)


ジョージ・オーウェル 著 『動物農場 おとぎばなし』

文学部 3年生 匿名希望さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名: 動物農場 おとぎばなし
著者: ジョージ・オーウェル
出版社:岩波書店
出版年:2009年

今、激動するこの時代におけるフィクションの存在意義とは何か。京都では35人の若者が凄惨な事件で未来を奪われた。香港も日韓関係も混沌としている。一見フィクションなど読んでる場合ではないと思われるかもしれない。しかし、このような社会だからこそ実はフィクションに存在意義がある。そしてそれを代表するのがこのディストピア小説である。

   トランプ大統領が誕生した際、ジョージ・オーウェルの代表作『1984』は非常に注目を集めた。しかし彼のもう一つの名作であるこの『動物農場』はご存知だろうか。農場主である人間を追い出した動物たちの政治の話である。はじめは民主政治が行われていたにも関わらずいつの間にか、ある豚によって独裁制が始まるのだ。この作品の顕著な点は動物全員の合意によって作られたはずの「七戒」がいつの間にか独裁豚によって改竄されている点だろう。詳しくは英語の原文を読めばいかに都合よく改竄されているか分かって頂けるはずだ。ここでの批判対象が全体主義的な共産主義であるのは言うまでもないが、もう一つ重要な点は、権力に対して国民が思考停止していることである。豚以外の動物たちは七戒の改竄や歪曲、独裁に漠然とした違和感は抱くものの誰も指摘ができない。これは全体主義社会に生きる市民への風刺であり、警告である。著者が懸念した最大の点はこの「国民の沈黙」だったのではないか。

   しかし、この現象は現代にも見受けられる。民主主義国家であるはずの日本人の多くが沈黙を貫いている。今回の参議院選での投票率は過去最低を更新した。これでは動物農場の動物たちと変わらないのではないか。だからこそ今読んで頂きたい。『動物農場』は中学生を対象年齢とした寓話調であるため原文でも非常に読みやすく、誰でも理解しやすい。あえて寓話としているのは、フィクションというものが現実とかけ離れた架空の世界のことではなく、我々に降りかかる可能性のある危険を孕んだ、極めて現実的な側面を持つことを皮肉的に示唆しているためなのではないか。夢と希望に溢れるお伽話の世界は現実には存在しない。かといってフィクションは現実逃避するためにあるのでもない。むしろあえて、今後の社会で起きても不思議ではない側面を誰の目にもはっきりと見せることは、想像力に訴えるフィクションにしか果たせない役割なのではないか。是非一度『動物農場』を手に取って頂きたい。

 


辻 邦生 著 『夏の海の色』

文学部 2年生 匿名希望さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名: 夏の海の色
著者: 辻 邦生
出版社:中央公論社
出版年:1977年

あなたにとって、思い浮かぶような夏の思い出は何だろうか。夏はきっと思い出くらいがちょうどよいと思う。私にとってこの作品を手に取るきっかけとなったのは、高校三年生の頃に解いた国語の問題で、本文として表題である短編の「夏の海の色」を読み、惹かれたからである。

それくらい、美しい文章だった。改めて読み返してもそう思えるように、この中には夏の憧憬が広がっている。この本は辻邦生による「ある生涯の七つの場所」という連作短編集の二作目に当たり、フランス人女性と私の緩やかな愛の生活と、少年や青年とその周りに描かれる魅力的な人々との関係や恋愛についての合計14の物語が交互に描かれている。これは、一作目である「霧の聖マリ」から引き続き「黄いろい場所からの挿話」と「赤い場所からの挿話」が交互に語られている。これは、七冊からなる物語が平行に描かれているためであるが、この作品だけでも読み味わうことができるようになっている。

古い城下町である。城跡、石垣、夏の昼下がり、濃く影を落とす公園に、木陰で昼寝をする行商人。表題作で描かれるのは、そんな景色が広がる夏の物語だ。第三希望の中学校に進学が決まった少年は、叔母の妹である咲耶の紹介で、彼女の住む街で過ごす夏の日々の中、地元の中学校の剣道部の練習に参加することになる。海辺の街で行われる合宿に参加することになった際、咲耶は「私」に、絶対に海で泳がないようにと約束させるのであった。わけも説明しない彼女との約束を合宿が終わるまで守り続けた「私」は、二人で船に乗り沖合の赤いブイの近くにたどり着いたとき、その悲しい理由を知ることになる。

咲耶に抱く少年の淡い恋心と、彼女の抱える秘密が、美しい城下町の描写と夏の匂いに溶け込んで、少年の一夏の思い出と心の成長が淡くシリアスに紡がれている。

この本の中では、このような夏の物語が他にも収録されている。自分の中にある夏の思い出を思い返すように、少し感傷的な心で読み進めて欲しい。もうすぐ秋になる、そんな夏の終わりや初秋に浸って欲しい。あなたの夏の海の色に向けて。


2019年度 第2回ブックハンティングツアーを行いました!

2019年8月1日(木)、丸善&ジュンク堂書店 三宮駅前店及び三宮店において、学生と図書館職員によりブックハンティングツアーを行いました。当日は、図書館に置きたい本を書棚から選び、ハンディーターミナルを使って裏表紙に記載されたISBN(バーコード)をスキャンして選書を行いました。

今回は7名と多数の学生にご参加いただきました! 次回は10月に実施を予定していますので、希望される方は参加してみてください。

参加された学生さんの感想です

**文学部 濱野 鈴花さん**
 図書館に入れたい本だけでなく、個人的に買いたくなるような本も見つけられて楽しかったです。
 2店舗回ったことで店ごとの本の配置などの差を感じられたのも面白かったです。

**文学部 畑田 亜美さん**
 私は今回初めてこの企画に参加しました。普段から書店に足を運びますが、文庫や特設コーナーしか見ないことが多いです。このような機会があることで、普段は見ることのないジャンルの本もゆっくりと見てまわることができました。特に自分の所属する学科に関係する書籍のコーナーは面白かったです。図書館で借りて読むのも良いですが、実際に書店で選ぶのも違った楽しみがありました。今回書店で気になった本の中で、図書館に所蔵されている本も多かったです。夏期休暇を利用して、これらの本をたくさん読もうと思います。そして、機会があればまた参加したいです。

**文学部 友江 輝人さん**
 今回初めて選書ツアーに参加しました。昼からの参加ということもあり時間こそ短かったものの、自分の興味が沸いた本を、誰かが手に取るかもしれないということを考えながら本棚に向き合う時間はとても楽しく、気づけばすぐに時間が経っていました。
 そうやって本棚に向き合う時間を過ごしていると、自分がこうやって本を選ぶということに純粋に時間を使えていたのは随分前になってしまったような気がしました。今では、本屋に直接足を運ばせることなく本を選び手に取ることができるので、その便利さにいつしか、新しい本に出会うということの大切さを何処かへ置いてきてしまったような気分になりました。それに気づくことができたのも、この選書ツアーに参加した大きな意味であると思いました。

**文学部生**
 学生の役に立つ本を選ぶのは、思っていたよりも大変で図書館での選書の苦労を知ることができた。また、既に所蔵されている本が予想外に多くて、既存の本と被らない選書をするのは難しかった。しかし、書店の現場に実際に立ち、大学に置く本を自分で選ぶというのは貴重な経験だった。
ライブラリーサーティフィケイト挑戦中の学生はもちろん、本に少しでも興味がある人はぜひ参加して欲しいです。

**文学部生**
 ブックハンティングツアーに初めて参加をさせていただきました。私は、午前のみの参加でしたが、大きな書店で2時間近く本を眺め、選書を行う機会は今までになく、とても楽しむことができました。また、改めて自分の好きな本のジャンルが分かったと思います。大学の図書館の中に入る本を選ぶということもあって、選書には時間がかかると思いましたが、50冊近くも選んでしまいました。そして、2時間という長い間、本を選ぶことができるのかなと思った部分はありましたが、選んでいたらあっという間に時間が過ぎていたことに驚きました。とても楽しい体験をブックハンティングツアーで送ることができました。また、機会があったら参加をさせて頂きたいです。

**文学部 金澤 舞奈さん**
 このツアーに参加できたのは、全くの偶然でした。今回は参加を希望する学生が多く、途中で募集は打ち切られました。そのとき、私はまだ参加希望の旨を伝えていませんでした。この場合、普通ならば参加の辞退があるのを待つか、参加自体を諦めるかでしょう。私は知人を介して職員の方に参加希望の旨が伝わり、半ば強引に参加枠に入れてもらったのです。
どうしてもツアーに参加したい。そう思ったのは、私がもう4年生だからです。学生生活はもう残り少ないものとなっています。まだ学生のうちに学生のために何ができるかと考えたとき、店頭選書ツアーを思い出しました。
次回の10月が、私にとってツアーに参加できる、最後のチャンスです。そのチャンスは逃さないようにしたいです。

**フロンティアサイエンス学部 岩田  和也さん**
 店頭選書を通じて、同じ分野を学ぶ人たちがどのような本を読めばよいか、また有用な知識を得ることができることができる本を探す難しさを学ぶことができました。特に、私は生物、化学を専門に勉強しているため、物理や知能情報関係の知識がまったくありませんでした。このため、物理学科や知能情報学部の知り合いに希望する参考書などを聞いてはいましたが、実際にその本を探すことがは困難を極めました。いくつかの参考書を手に取っては内容を詳しく読み、知的好奇心を満たすことができるか吟味し、私なりに最適な本を考えて選書しましたので、読んだ人が満足してもらえることを心から期待しています。