5-2.教員インタビュー」カテゴリーアーカイブ

全学共通教育センター N先生へのインタビュー

文学部4生 Sさんが、全学共通教育センター N先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q. 普段、本は読まれますか 

A. 昔より全体的に量は少なくなりましたが、今は社会問題に関する本を中心に読んでいます。食の問題に興味があり、最近では『戦争と農業』(2017, 藤原辰史, 集英社インターナショナル)を読みました。もともとは、『フォークス・オーバー・ナイブズ』(2012年DVD日本発売)というドキュメンタリー映画を観たことがきっかけで、『葬られた「第二のマクガバン報告」』(2009, コリン・キャンベル他, グスコー出版)を読みました。本学の図書館にあります。また、グリホサート(日本での商品名「ラウンドアップ」)と呼ばれる除草剤を知っていますか。発がん性があるということで、日本以外では大きな問題になっています。お墓参りの際、雑草の茂みに使いたくなりますが、除草剤は、土から川へ流れていくため、環境汚染や食物連鎖があり、怖くて買えません。

 

 Q. フランス語を担当されている先生ですが、フランス文学でおすすめの本はありますか。

A. 『星の王子さま』(2017, サン=テグジュペリ, 内藤 濯訳, 岩波文庫)は、気になる章だけでもいいので読んでほしいです。昔、読んだことがあったのですが、一昨年、改めて授業の際に学生たちとフランス語で熟読し、新たな発見がありました。第21章で、狐がなぜ鶏のことを気にしているのか不思議だったのですが、実は食べるためだとわかりました。有名な訳にも誤訳がありますね。

 

Q好きなジャンルはありますか。

A. 推理小説が好きです。特に、謎解きの怖いものが好きです。そのおかげか、推理ものの映画を見た際、最初の10分ほどで、この人がおかしいんじゃないか、と犯人が分かることもあります。フランス語の推理小説としては、ルパンやメグレが有名ですが、『マーチ博士の4人の息子』(1997, ブリジット・オベール, 堀茂樹・藤本優子訳, 早川書房)は忘れられません。

 

Q. 本の魅力は何だと思われますか

A. 動画などに比べ、的を射た大事なことが結構書かれているということですかね。ものにもよりますが、動画だと誰が作っているか分からないし、再生回数を意識したものも見られます。それに比べて、本は作者の自分の言いたいことが素直に書かれていると思います。

 

 Q. 学生におすすめしたい本はありますか。

A. 若いときに読んでよかった本が2冊あります。『シッダールタ』と『転落』です。『シッダールタ』(1959, ヘルマン・ヘッセ, 高橋健二訳, 新潮文庫)は、親のありがたみがよく分かる本です。『転落』(カミュ, 大久保敏彦訳, 新潮文庫)は、いざ人を助けようと思った時、助けられるか考えさせられる話です。この2冊は短い小説なので気軽に是非読んでもらいたいです。

 

 感想:大学1年生からお世話になっている先生で、今回本に関してじっくりお話を聞けてよかったです。普段、日常で食べているものや、ものの見方など改めて1度立ち止まって考える機会となりました。

 

(インタビュアー: 文学部4生 Sさん

全学共通教育センター 武田 佳久先生へのインタビュー

経済学部1生 Tさんが、全学共通教育センター 武田 佳久先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

① 図書館や書店にはよく行きますか?
 茶屋町にあるMARUZEN&ジュンク堂によく行く。また、また同じ建物のナガサワ文具店があり、立ち寄って文房具を見たりする。また、その書店は天井が高く開放感がある。あまり狭い空間だと威圧感があって好きではない。また、欲しい本はネットでも買えるのだが、書店を訪れる理由は、本の数が多いからだけでなく、その書店がこの本を紹介したいという感じがいいので訪れている。


② 本を買うときの決め手はありますか?
 字の大きさやページの余白、字体などで本を決めることもある。また、著者などは関係なくデザインと余白で選ぶこともある。本は人間のようで「これなんかきれい」と思ったり、カバーも含めてかっこいいなと思ったら買う。また、人から紹介したものを買ったりもしている。


③ 大学生におすすめしたい本はありますか?
 甲南大学の学生なら「本を読む人だけが手にするもの」という本が特に初心者におすすめで、読書数が0から1にするときに読む本としてもってこいの本です。しかし、おすすめの本はその人によって異なるので、まずは3分ぐらいお話を伺ってから考えたい。


④ 本を読む重要性を教えてください。
 社会人になった時にちゃんとした文章を書けるかでその人が問われることもある。メールも同じ理由で文章によって評価される。文章を書くにはインプットすることが重要だと考える。知らない言葉では文章は書けない。そのために本を読むことでインプットする必要がある。また、文章を書くのはAIでもできる時代になるので、より創造的な文章を書くのが人の役割になる。できるだけ若いうちに本を読んでおくと、将来の自分の武器になる。


【感想】

 私は今回が初めてのインタビューで、最初はすごく緊張しました。しかし、実際にインタビューがはじまってみると先生が「ラフな感じでいい?」と優しく聞いてくれたので、緊張がほぐれてインタビューを行うことが出来ました。先生の話はすべて面白く、特に面白いと思ったのは先生が昔会社で働いていた時に就職読書部と呼ばれるブログを書いていた話です。そのブログの内容は社長や人事部長など面接や就職にかかわる人で、特に年上の人達に本を紹介してもらうというもので、先生はこの話をすごく楽しそうにお話になっていました。また、その活動が奈良の書店から紹介された本のコナーづくりの依頼が来たときは、すごくうれしかったと語っていたのが、自分の中で一番印象深かったです。

 

(インタビュアー: 経済学部1生 Tさん

経営学部 安藤 徳先生へのインタビュー

経営学部3生 木下裕介さんが、経営学部 安藤 徳先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q.読書はどれくらいの頻度でされますか?

A.ほぼ毎日します。寝る前に読むかな。

 

Q.どのような内容の本を読まれますか?

A.1、経営、マーケティング
  2、世界情勢、経済
  3、投資、資産運用
  4、リベラルアーツ
  5、娯楽として(小説など)

 

Q.どういった方法で本を探しますか?

A.(これといって決めていない時は)本屋さんで。ピンポイントで欲しい本がある時はアマゾンで。
あとは、書評や読んだ本の中に出てきた本、人に薦められた本などですかね。

 

Q.図書館や書店はどれくらいの頻度で利用されますか?

A.月に1、2度です。(本を)手元に置いておくため、書店を利用します。図書館は行かないです。

 

Q.どのような目的で読書をされますか?

A.一つは仕事のため、あとは知的好奇心を満たすためと、娯楽のため。

 

Q.教授は元々パナソニックで働いていたそうですが、仕事で忙しい中、いつ読書をされますか?

A.やっぱり寝る前に読むかな。あとは電車とか飛行機の中みたいに移動中は読みやすいね。というか、読まないといけないから読むという訳じゃなくて、好きだから読むという面が強いかな。

 

Q.本の内容を自分のものにするために行っている活動があれば教えて下さい。

A.一つは読書メモを作ること。ワードとかエバーノートとかで、よほど印象に残った部分を選んで記録しておく。あとはアンダーラインを引いておく。アマゾンの電子ブック(Kindle)だとマーキングしたところにリマインダーできたりして便利だしね。まあ、メモとかマーキングした部分を見て、どんな内容やったっけ?ってなったら、再読するのが一番だね。

 

Q.今までに読んできた本の中で、印象に残っている本があれば、理由と共に教えて下さい。

A.中村天風の『成功の実現』という本です。私の自己啓発の源になった本で、最近、大谷翔平選手が読んでいると言っていて、さもありなんと思ったため。

 

Q.学生のうちから読んでおくべきオススメの本があれば教えて下さい。

A.授業でも言ったことあるけど、デール・カーネギーの『道は開ける』と『人を動かす』ですね。ぜひとも読んで欲しいです。

 

Q.ネットでいくらでも情報が得られる現代社会ですが、あえて本を読むことのメリットについての考えを教えて下さい。

A.何より、情報が信用できるという点です。ネットの情報は玉石混交だから、誰がなんのためにそれを作ったのか、制作意図が分からない。その分、書物は最低でも出版社のフィルターがかかるため、幾分か信用できます。私は、良い情報はタダだとは思っていません。本なんて、一冊だいたい2000円もしないくらい。安い投資です。昔の大名だって忍びとか密偵とか雇って敵の情報を得るのに多くの投資をしていたことですし。

 

【感想】

 貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

安藤徳先生は、国際ビジネス事情の講義を受けている時に、読んで欲しい本を多く紹介されており、仕事のためだけでなく、純粋に読書を楽しむ人であると思っていましたが、今回のインタビューでそのことがよく分かりました。また、知識を定着させるためにやっていることや、本を読むことのメリット等を聞き出せたのは良かったと思います。

 今回紹介していただいたデール・カーネギーの『道は開ける』は、講義中に紹介された後に既に読んでいて、就活で苦しい心が楽になったので、『人を動かす』や、中村天風の『成功の実現』も読んでみようと思いました。

 

(インタビュアー: 経営学部3生 木下裕介さん

図書館学課程(司書) 村上 幸二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、図書館学課程(司書) 村上 幸二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書課程の先生でいらっしゃる村上幸二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、なんでしょうか?

私は昔からリアリティのある内容が好きで、実話にもとづいた本が好みでした。小さい頃はもっぱら伝記を読んでいました。小学生のとき読んだ『太閤記』で、秀吉の下積み時代に信長の草履を懐に入れて温めておいたというエピソードが当時は特に印象的で、いろいろな意味で人としての生き方が学べて面白いと思いました。学校の先生が教えてくれないことも本から学ぶことができるのがいいですね。

これまで読んだ本で衝撃的だったのが、これも小学生の時に読んだ次の本です。

・『ソビエト帝国の崩壊―瀕死のクマが世界であがく』(小室直樹, 光文社, 1980年)

今の若い人には意外と思われるかも知れませんが、1980年代のソ連といえばオリンピックや軍事力で最強の国というイメージがありました。当時アメリカと冷戦の状態でしたが、子どもながらに強いものに対するあこがれのようなものがあったと思います。小学生の頃ですから部分的にしか分からなかったと思いますが、とにかくソ連が崩壊するということが書かれていて、自分はすごいことを知ってしまったという感覚でした。当時、友だちにこのことを言っても誰も相手にしてくれませんでしたが、それから10年後に本当にソ連は崩壊しました。ここから本に対する畏敬の念を感じるようになったと思います。なおこの本は2022年に復刊本がでました。

児童書にも実話に近いものがあります。次の本は著者の生涯を振り返って描かれた児童書です。

・『この楽しき日々』(ローラ・インガルス・ワイルダー, 岩波書店, 2000年)

この本を読もうとしたのは偶然というか、図書館でふと手に取った本です。開いたページがちょうど主人公が教師として働く初日の様子で、その瞬間に本の世界に引き込まれました。主人公と自分自身が重なる不思議な感覚にもなりました。大人が読んでも面白いと思います。小学校の教師をしていたこともあり、教師の生き方を描いた本は特に好きです。将来教師になりたいと思っている人におすすめです。

なお先ほど「偶然」と言いましたが、もしかしたら偶然ではないかも知れません。本との出会い方については実に面白い方法があるので、これはまた後ほどお話したいと思います。

次の本も教師の本で、ノンフィクションです。2001年に文庫本も出ています。

・『リターンマッチ』(後藤正治, 文藝春秋, 1994年)

この本は定時制高校のボクシング部顧問の先生のお話です。教師をしていると様々な壁に直面することが必ずありますが、そういった壁を乗り越える力を与えてくれる本です。

 

②先生が本を読むスタイルはありますか?

次々に新しい本を読むよりも、実は同じ本の同じ箇所を繰り返し読むことが好きで、数えきれないほど読んでいる本もあります。

 

③大学生におすすめしたい本はありますか?

ずばり学術書をおすすめします。といっても安心してください。おすすめなのはその「まえがき」です。学術書の前書きには、著者が人生をかけて研究してきた、その人生が凝縮されています。内容が難しい学術書であっても、その前書きはまた別です。自分にとって敷居が高いと思う内容の本であっても、前書きが面白いものが多くあります。学術書の前書きは、ひとつの小説と言えるかもしれません。これを読むと、人生のヒントが見つかることだってあります。なお、学術書によっては「あとがき」の方が充実しているものもあります。

 

④村上幸二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

とっておきの探し方があります! まず図書館などで書架に並んでいる本を眺めます。本屋さんでもやり方は同じです。とにかく心を無にして本を眺めるだけでいいのです。そうすると本の方が自分を呼んでいる感覚になるんです。まるでおすすめの本を教えてくれるような感覚です。その本を手に取ってみて、心を無にして本をパラパラっとめくります。必ずしも最初から読むとは限りません。それも本の方が、読み始めるべきページを教えてくれるような感覚です。そこから本を読み始めます。実際こうして感動する本に出合うことが多くあります。本の方が自分を呼んでくれるということで、この探し方はおすすめです。

 

⑤司書教諭の資格は取っておいた方が良いですか? 先生が考える司書教諭の魅力を教えてください。

司書教諭は本を通して、子どもたちと触れあうことができます。例えば思春期の中高生は、小学生の時と比べると先生との距離が離れてしまいがちです。しかし本の魅力は変わりません。本の内容についての共通話題もありますが、面白い本を紹介したり本の購入リクエストに応えたりした時の心の通い合いといったものもあります。本を通しての子どもたちとの関わりは大切ですね。司書教諭の資格を持っていれば必ず司書教諭になれるという保証はありませんが、資格がなければ司書教諭になることはできませんので、もちろん取っておいた方がいいです。

 

⑥先生が司書教諭をしていて良かったと感じたことは、どんな出来事ですか?

小学校に司書教諭として勤務していた時、図書委員の指導を担当していました。ある日、図書委員の一人が、絵本の内容を劇にして発表したいと提案してきました。私はできるだけ子どもたち主体の企画を生かそうと、隣の幼稚園に依頼して劇の発表会をすることになりました。使用した絵本は『そらまめくんのベッド』(なかや みわ, 福音館書店, 1999年)です。セリフはそれぞれの役の者が言うのですが、それだけではなく実際に衣裳を着て、ベッドも段ボールで作って劇に臨みました。結果は大成功です。私は細かいことは口出しせず、ほとんど子どもたち自身にまかせて要所だけアドバイスをする形をとりました。こちらが指示をしなくても、子どもたちは積極的に企画に向けて準備をしました。衣裳も自分たちで作ってきたのです。このときの経験で、子どもが好きなことを自由にさせることは子どもの可能性を広げるのだと感じました。司書教諭をしていたからこそ実感できたことです。

 

村上幸二先生、インタビューありがとうございます。

 

【感想】

私は、③おすすめの本、④村上幸二先生オリジナルの本の探し方が心に残りました。

③おすすめの本は、なんと学術書の前書き!ということで、他の先生で同じことをおっしゃる方はいないと思います。私も学術書の前書き読もうと心に決めました。まずは私が履修している授業の先生や、私のゼミの先生の学術書の前書きを読んでみようと思います。学術書の中身は難しくて分からないかもしれませんが、前書きは、ドラマを見ているようで楽しく読めるかもしれません。初めての試みですが、読んでみたいと思います。

④村上幸二先生オリジナルの本の探し方「本が自分を呼んでくれる」というのは、素敵な探し方だと思いました。リラックスした状態で、岡本駅前の本屋さんや甲南大学図書館にふらっと入る。そして本が自分を呼んでいると思ったら、その本を手に取ってみようと思いました。この探し方は今まで読んでこなかったジャンルを読むきっかけになるかもしれません。楽しみです。早速、今日から実践してみたいと思います。

他の先生にはない、村上幸二先生独自の考え方があり、インタビューをしていて楽しかったです。

村上幸二先生、ありがとうございます。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん

図書館学課程(司書) 國松 完二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、図書館学課程(司書) 國松 完二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書課程の先生でいらっしゃる國松完二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、何ですか?

一冊目は、『天使のいざこざ』(ラングストン・ヒューズ著,木島始訳,晶文社)です。ラングストン・ヒューズはよく知られている黒人の詩人です。ラングストン・ヒューズは、社会で恵まれずに生きている人の気持ちを黒人の視点から詠っています。私はこの本を読むことで、本を好きになり、より読書に励むようになりました。

二冊目は、『坂口安吾 風と光と戦争と』(文藝別冊 KAWADE夢ムック 河出書房新社編)を紹介します。作品としては『堕落論』や『桜の森の満開の下』がよく知られており、若いころには、ほとんどの作品を読みましたが、この本は、三島由紀夫や中上健次など、時代時代の代表的作家の安吾に関する評論等が収録され、安吾が世の中をいかに批判的に見ていたかが、理解できる1冊です。

 

②先生の本を読む頻度は、どうですか?

若い時で多い時だと1ヶ月50冊読んでいました。今は、仕事の関係の本を読むことが多いので、せいぜい週に1冊程度ですね。

 

③先生が大学生におすすめしたい本はありますか?

移動図書館ひまわり号』(前川恒雄,夏葉社)です。大学生、特に司書課程で学んでいる人に読んでほしい本です。著者が東京の日野市立図書館で仕事をされていた時の話をまとめられたものです。私は、この本を読んで相手(図書館の利用者)が何を探しているのか考えるきっかけになりました。図書館利用者が求めているのは何か、図書館サービスの方法を考えたり、また、図書館で働くための人間関係についても学びました。

ちなみにこの本は、一回絶版になったものが復刻されたものです。初版は大手の出版社から発行されましたが、ひとり出版社のひとつである夏葉社の社長さんが、この本に感動して復刻された本です。
ひとり出版社は最近全国で多数創業されていますが、本当に世の中に出したい、読んでほしい作品だけを出版していく考え方、姿勢が好きですね。ひとり出版社の本は、おすすめです。

 

④國松完二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

偶然性を大切にしてほしいです。本の背中を見て、探すのは楽しいです。世界が広がった感覚は、楽しいですよ。

 

⑤司書の資格を取るか悩んでいる大学生に向けて、司書の魅力を教えてください。

司書は、情報分析力を手に入れることができると思います。図書館にある本を評価することにより、今、よく言われているデータサイエンス力も養えることができます。また、司書は、サービス分析力を手に入れることもできると思います。相手の伝えたいことを探るために、住民とどのようにコミュニケーションするかを考えることで、サービス分析力を育てることができると思います。

 

⑥司書をしていて良かったと感じたことは、なんですか?

私は滋賀県の図書館で働いていました。私が就職したころ、滋賀県には公共図書館がほとんどありませんでした。そんな状況から市や町にひとつずつ図書館が作られていくことをサポートできたことが思い出です。図書館の中だけで仕事をするだけでは味わえない感覚でした。

 

⑦先生オリジナルの本の楽しみ方はありますか?

日本の本は海外に比べると本のつくり方がとても綺麗だと思います。日本は帯、カバーのデザイン、しおりのつくり等が丁寧ですよ。本は、文字の集まりだけではなく、帯、カバー、しおりも含めた一つの作品だと思います。私は、電子書籍も読みますし、電子書籍もっと普及すると思いますが、その一方で、紙の書籍でしか味わえない、日本の丁寧につくられた本は、好きですし、読み続けたいと思います。

 

先生、インタビューありがとうございます。

 

【インタビューを終えて感想】

最後の⑦の回答で、本は、一つの作品だというところが印象に残りました。私は、日本で出版された本しか読んでこなかったので、当たり前だと思っていたけど、丁寧に作られた一つの作品だと思いました。私は、ニュースで日本の絵本が海外でも人気だということを聞いたことがあります。それだけ、日本の本は、世界において価値が高いものだと思いました。また、これから本を探すときに、ひとり出版社の本も視野に入れようと思いました。授業の空きコマや、電車に乗るまでのちょっとした時間には、甲南大学図書館や、岡本駅前の本屋さんに寄ってみようと思いました。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん

文学部 田中 雅史先生へのインタビュー

文学部4生 Sさんが、文学部 田中 雅史先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q.  本はよく読まれますか。

A.学生の発表題材、論文の参考文献、趣味の本など様々読んでいます。学生時代は月30冊ほど読んでいました。古本屋で本を買って、両手にたくさん持ってそのまま喫茶店へ行っていました。下宿先も本でいっぱいで、まるで地層のようでした。

 

Q. これまで本を読んできた中で印象に残った本はありますか。

A. 大学時代に読んだ『迷宮と神話』(1996,カール・ケレーニイ著,種村季弘,藤川芳朗訳,弘文堂)です。迷宮が人間の心理のようなもので、通過儀礼(イニシエーション)、つまり古い自分を捨てて、新しい自分になることが印象的でした。本ではギリシャ神話の通過儀礼が紹介されていますが、今ではバンジージャンプという遊びに変わっていますね(笑)

 

Q.ゼミでは村上春樹の作品を多く読んできました。村上春樹との出会いはどのようなものだったのでしょうか。

A. 大学時代は、名前は知っていてお洒落で軽い文学だというイメージはあったのですが、甲南大学に赴任してきてたまたま『ねじまき鳥クロニクル』(1997,村上春樹,新潮文庫)を見つけました。研究していた、前エディプス期と似通う所があったのがきっかけです。

 

Q. 読書の魅力は何だと思われますか。

A. 年齢によって変わってきます。小さい頃は、現実からちょっと離れて息抜きできる点です。おやつを食べながら、児童書を読んでいた時間が好きで、『ふしぎな虫たちの国』(1975,シーラ・ムーン作,山本俊子訳,冨山房)がお気に入りでした。

 大学時代は、今まで読んできたものには意味があって、現実に繋がっているものとして見直せた点。現在は、没頭して異世界に触れられる点。異世界と言っても、現実から逃避するのではなく、現実を楽しむために異世界に入ることが大事だと思っています。

 

Q. 田中先生が学生におすすめする本があれば、教えてください。.

A. 最近執筆した『ナルシシズムの力―村上春樹からまどマギまでー』(2023,田中雅史,新典社)です。あとは十二国記ですかね。授業では扱いますが、『月の影 影の海』(2012,小野不由美,新潮文庫)『魔性の子』(2012,小野不由美,新潮文庫)がお薦めです。

 

感想:学生時代の古本屋で本を買い、そのまま喫茶店に入って読む習慣がお洒落だと感じました。本の世界の主人公が異世界に迷い込み、抜け出して成長するというテーマはとても興味深かったです。人でも、本を読んだ後は、読む前より視野が広がる感じがして、似ている気がしました。

(インタビュアー: 文学部4生 Sさん