小川糸著『リボン』

 文学部 2年生 匿名希望さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名: リボン
著者: 小川 糸
出版社:ポプラ社
出版年:2013年

このお話は、小川糸の「つばさのおくりもの」の前段階となるお話だ。この本のあらすじを紹介する。ある日、仲良しなおばあさんと少女が小さな鳥の卵を見つけ、ふたりで温めて、孵化させることにする。卵から生まれたのは、一羽の黄色いオカメインコであった。このオカメインコの名前がリボンである。この名前のように、リボンは様々な人を温かく結び付けていく。

筆者は、地元の図書館で「つばさのおくりもの」を先に見つけたので、そちらから読んだ。だから、「リボン」を読んで、リボンがどのように生まれ、もともとどこに、誰といたのか、誰と出会ったのか、どうしてその人たちと離れてしまったのかが明らかになったという感覚だった。

「つばさのおくりもの」では、リボンの視点から物語が進んでいく。リボンは自分の名前を忘れてしまっていて、日々を過ごしていきながら、最後には自分の名前を思い出す。その場面の台詞が一番印象に残っている。

「つばさのおくりもの」の最後の場面も感動したが、「つばさのおくりもの」を読んだ後に「リボン」を読んで、思わず涙が出そうだった。

小川糸の紡ぐ言葉は、声に出して読みたくなるような、心地よい言葉で溢れている。

「リボン」から読んでも「つばさのおくりもの」から読んでも、このお話は楽しめるだろう。

ぜひ一度、この優しい世界の中に入ってみてほしい。