古内義明著『4千分の1の名将』

法学部1年 森田勇太さん(「基礎演習(濱谷)」リサーチペーパーより)

 まずこの本の目次を簡単に説明します。
1、日本一になるためには、「日本一にふさわしいチーム」にならなければならない―大阪桐蔭高等学校硬式野球部・西谷浩一監督
2、監督として48年。この子たちを甲子園に連れて行きたい思いだけでやってきた―智辯学園和歌山高等学校野球部・高嶋仁監督
3、誰かに何かを与えられる選手になってこその野球―市立尼崎高等学校硬式野球部・竹本修監督
4、セオリーにとらわれない深い探求心と謙虚さ―履正社高等学校硬式野球部・岡田龍生監督
5、自分たちは何をすべきか、すべてをプラスの力に変えられるかを常に考える―滋賀県立彦根東高等学校野球部・村中隆之監督
6、“平安愛”の子どもたちを鍛えて、野球を覚えさせて、試合で発表する―龍谷大学付属平安高等学校硬式野球部・原田英彦監督
7、全力でプレー、全員野球―縁あっての野球は人のために頑張るもの―報徳学園高等学校硬式野球部前監督侍ジャパンU‐18 永田裕治監督

 この本の著者について詳しく調べました。
 古内義明[フルウチヨシアキ]
 1968年7月7日生まれ。福島県立磐城高校卒業。立教大学法学部法学科卒業。在学中は体育会野球部に所属して神宮で活躍。その後、渡米してニューヨーク市立大学大学院修士課程スポーツ経営学科修了。“アメリカ発の視点”に立ち、球団関係者や代理人などと独自の人脈や情報網を確立し、これまで2千試合以上を取材したメジャーリーグの第一人者。株式会社マスターズスポーツマネジメント代表取締役。高校・大学球児向け「サムライベースボール」発行人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 次に著者が監督に聞きたい第一のことを紹介します。
 著者の古内義明さんは、指導者たちは、球児にどんな言葉を投げかけ、どう向き合い甲子園の頂点に上りつめるのか―高校野球の強さを握る監督術。を一番聞きたいと思っている。

 次に一番印象に残った言葉です。
 大阪桐蔭高校の監督の西谷監督がインタビューで言っていた言葉です。一番力を入れている練習メニューは何ですか?と聞いた際に、記者の方は全国でも有名な強豪校なので特殊な練習メニューがあるのではないかと思ったそうです。しかし、西谷監督は、「一番力を入れているのは、キャッチボールと授業態度です。」と答えたそうです。記者の方が詳しく聞くと、「どれだけ速い球を投げようが、どれだけ遠くに飛ばそうが、基本ができていないとダメなんです。試合では、自分の守っているポジションにボールが飛んでくるかは分かりません。その飛んできた一球をしっかりと捕り、しっかりと投げるためにキャッチボールを力を入れて練習しています。もう一つの授業態度というは、野球が上手くなるのと授業とでは全く関係がないと思っている人が結構いると思います。それは間違っています。接戦や緊迫した展開では自分の実力が100%出せるわけではありません。そういった場面で結果として出るのが、野球の実力や練習以外の生活面です。選手達は高校生であり、第一は野球ではなく勉強です。その勉強を疎かにしている選手は勉強においても、野球においても上手くいきません。必ずといって良いほど、そういう選手は大事な場面でミスをします。なので、私が監督として一番力を入れている練習メニューはキャッチボールと授業態度です。」と言ったそうです。その西谷監督の言葉に共感し、母校の監督である竹本先生も同じようなことを言っていたので、一番印象に残っています。

(参考文献)
4千分の1の名将  HMV&BOOKS-online-
https://www.hmv.co.jp/artist_%E5%8F%A4%E5%86%85%E7%BE%A9%E6%98%8E_000000000490510/item_4%E5%8D%83%E5%88%86%E3%81%AE1%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%B0%86-%E6%96%B0%E3%83%BB%E9%AB%98%E6%A0%A1%E9%87%8E%E7%90%83%E5%AD%A6%E9%96%A2%E8%A5%BF%E7%B7%A8_8978661  2020年5月23日