高井尚之『カフェと日本人』

<ライブラリ・サーティフィケイト 読書記録の見本です>

書名: カフェと日本人 (講談社現代新書2287)
著者: 高井尚之
出版者: 講談社  出版年: 2014年
配置場所: 1階開架小型  請求記号: S081.6/2287/23

【レビュー】 評価:★★★☆☆
 日本でのカフェ(喫茶店)の歴史から、独自の進化、著名人が訪れた名店、うちカフェ市場まで、名古屋生まれの著者が語る。珈琲の起源、カフェラテとカプチーノとカフェオレの違い、名古屋人が喫茶好きな理由など、知っているようで知らない話が満載だった。中でも、『日本初の喫茶店はわずか4年で幕を下し、経営者である鄭永慶氏(日本人)は失意のうちに渡米し、シアトルで客死する。そのシアトルで誕生したスターバックスが現在の日本でトップの売り上げを誇っている』という因縁めいたエピソードが印象に残った。
 明治~昭和の喫茶店から現在流行りのカフェまで紹介されており、甲南大学出身の猿渡弘太氏が経営する「猿カフェ」(名古屋を中心に展開)の情報も掲載されているが、全体的に東京・名古屋の情報が中心で、関西のカフェ事情についてはほとんど書かれてないのが少し残念に思った。

【心に残った言葉、キーワード】
21世紀の日本で暮らす生活者にとってもはやカフェは「人と場所の代名詞」なのだ