投稿者「図書館」のアーカイブ

栗田宣義(文学部)『マンガでわかる社会学』

   <教員自著紹介>
  人と人のつながりを研究する学問が社会学です。社会学に関心のあるすべての方に向けて書きました。中高生から実務家の方まで「社会って何だろう?」と思った時に読んで貰えれば幸いです。主人公のアヤさんが、友人のサキさんやリナさんたちとの軽妙なやりとりを通じて、社会学を愉しく学んでゆきます。彼女たちが、世の中のしくみとその問題点に気づいてゆくのを、まんが家の嶋津蓮さんに親しみやすい絵にして頂きました。日本語版オリジナルに加えて、台湾版、韓国版にも翻訳されたので、世界三カ国語で読むことが出来ます
 
■『マンガでわかる社会学』 栗田宣義(著)  オーム社 2012年12月
 ■請求記号 361//2185
■配架場所 図書館1階開架一般
■著者所属 文学部  教授 

■栗田先生からのお薦め本
  『百万回生きたねこ』 佐野洋子 作(講談社)                                           どなたにとっても人生のテキストになる絵本です。生きることの大切さ、人を愛することの素晴らしさを教えてくれます。                                           

『スモール イズ ビューティフル』 (F・アーンスト・シューマッハー著、講談社学術文庫)
  社会にとって「ちょうど良い大きさ」とは何かを教えてくれます。実務家が仕事を通じて得た智慧をまとめた、本当の哲学書。大学生のうちに読んでおきたい一冊です。

 『ポリアーキー』 (ロバート・A. ダール著、岩波文庫)                                           民主制を愛しつつも、その現実的かつ根源的批判と、より善き社会への道筋を、緻密で公平な科学的分析の積み重ねによって示してゆきます。学問を目指す人の必読書。        

坪内 稔典 『俳人漱石』

 文学部 4年生 川嶋健佑さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:俳人漱石
著者:坪内 稔典
出版社:岩波書店
出版年:2003年

夏目漱石は、『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』『こころ』など、数々の作品を残したことで有名であるが、俳人としての漱石はあまり大衆へ広く認知されているとは言い難い。漱石は22歳のときに出会った正岡子規の影響で俳句を作るようになる。漱石は、書簡で何度も正岡子規に俳句を送り、添削を求め、「善悪を問わず出来ただけ送るなり。さよう心得給え。悪いのは遠慮なく評し給え。その代りいいのは少しほめ給え」(p70)と注文をつけたりもしている。漱石にとって子規はまさしく俳句の師匠であったのだ。
本書は、その夏目漱石と正岡子規と著者である坪内稔典の架空対談で、漱石の100句を挙げ、1句1句について当時のことを回想しながら対談するというスタイルをとっている。漱石に関する一般書は、小説家としての「夏目漱石」に焦点を当てられがちだが、漱石の作家としての出発は俳句であり、漱石を語るときに俳人としての、漱石を抜きにしては語れない部分がある。そういった意味では俳人漱石に焦点を当てた意義は大きく、また架空対談という愉快なスタイルで、漱石自身が、子規や現代を生きる著者の坪内稔典と意見を交わすのは読者としても親しみやすい。
夏目鏡子の『漱石の思い出』(文春文庫)や子規の『俳句大要』、その他文献を読み漁るよりも、手軽である。
ただ、架空対談であるので著者、坪内稔典の都合の良い展開で進み、坪内の意見に子規や漱石が反論できないのは些か不都合で、本人たちが生きていたら怒ったであろう。漱石だけでなく、子規の人物像についても詳しく知ることができ、ついでに坪内稔典がどういった俳句を作っているのかも知ることができる。正岡子規は、怒ると松山弁が出てしまう設定など、かなり笑える。

文学部 田中雅史先生へのインタビュー

文学部 2年生 中西聖也さんが文学部の田中雅史先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

・小さい頃から本はよく読まれていましたか?

 そうですね。小学生の時、移動図書館というのがあって、地域の図書館が運んできてくれている本の中から児童書などを読んでいました。「ドリトル先生」シリーズが好きでした。

・書店はよく利用されますか?

 学生の頃はよく利用していましたが、今は違います。元々関東だったので、関西に馴染みがないこともあって、書店に行かなくなりました。

・それでは、本を買うときはどうされていますか?

 授業や研究で必要になったらネットで調べて買います。ネットで購入することが多いですね。

・研究についてお聞きします。大学時代は日本文学系ではなかったようですが、どのようなことを学ばれていましたか?

 英文学部で、ロマン派の詩人を学んでいました。大学院は比較文学に進み、ロマン派の詩人と明治時代の日本作家との影響関係を調べていました。その延長から幻想文学を調べるようになり、今は心理学の観点から研究を行うようになりました。

・それでは、自分の研究に一番合っていたなという本はありますか?

 一番というわけではありませんが、授業でも扱っている梨木果歩の『裏庭』が分かりやすいです。

・最後に個人的に学生向けにおすすめの本はありますか

 上橋菜穂子の『精霊の守り人』です。授業では心理学的に見てひっかかりのある部分が少ないのであまり使いませんが、「守り人」シリーズは面白いです。

・インタビューを終えて

 当日教授は風邪をひいていたのにもかかわらず、インタビューのためにわざわざ大学に来てくださりました。体調が心配でしたが、無事インタビューを終えることができました。あまり話せないとのことで、手短な質問になってしまったのですが、しっかり答えてくださりました。教授の学生時代の研究については知らなかったので、現在の研究との繋がりを知ることが出来て嬉しかったです。「守り人」シリーズはまだ『精霊の守り人』しか読んだことが無いので、機会があったら読んでみようと思いました。

 

<田中先生おすすめの本>
上橋菜穂子著 『精霊の守り人』 偕成社,1996年
 配置場所:図書館 2階中山文庫一般  請求記号:913/U 

(インタビュアー:文学部 2年 中西聖也)

岳 五一 (Wuyi Yue) 知能情報学部 ほか著 『Performance Analysis of Multi-Channel and Multi-Traffic on Wireless Communication Networks (和訳:無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能解析) 』

<教員自著紹介>
本書は、 無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能解析に関する著者らの研究成果の一部を一貫性をもって論述した専門書です。情報通信ネットワークに見られるように、共有の資源(通信回線、周波数帯域、交換機等)を多数の端末やコンピュータ等で利用する場合、資源競合が起こります。さらに資源要求の発生や回線の占有時間がそれぞれ異なるマルチメディア通信ネットワークでは、利用者が満足する高品質サービスを提供しなければなりません。これまで主流であった電話によるトラヒックから、データ/マルチメディアのトラヒックへ比重が大きく移行しつつある高速・大容量の無線通信ネットワークにおいて、マルチトラヒックを扱う不確定要素が複雑に絡みあうネットワークの性能解析と数値的評価には、教科書にある従来の解析法などを適用し難い実情があります。本書は、まず、このような無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能評価の背景、通信プロトコル、特にランダムアクセス方式と関連解析について説明しています。そして、最新の無線通信ネットワークにおける多様な確率的性質を表現可能とする新しい通信トラヒックのモデリング手法、および連続時間と離散時間システムモデルに対する厳密な解析手法や数値計算法、また厳密な数値計算による定量的なシステム性能評価手法、について重点的に論述しました。つまり、本書は確率過程論、トラヒック理論やシミュレーション技法による最新のマルチメディア移動体無線通信ネットワークにおけるトラヒック性能の解析と数値計算によるネットワーク設計のための専門書です。一方、本書は技術参考書にもなるよう、状態遷移図を用いて導出過程がわかりにくい数式の導出過程に関する解説や数値計算アルゴリズムも詳細に記述しています。情報通信ネットワークの高度化と高品質化に関する研究は今後一層の発展が期待されるため、本書はマルチメディア・マルチチャネル通信ネットワークの性能解析に関する数理的アプローチへの最適な指導書と言えます。  
 
■『Performance Analysis of Multi-Channel and Multi-Traffic on Wireless Communication Networks (和訳:無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能解析)  』
岳 五一 (
Wuyi  Yue) ほか著、Kluwer Academic Publishers 、2002年
■請求記号 547.52/Y96

■配架場所 図書館 4階書庫一般
■著者所属 知能情報学部 教授
  

■岳先生からのお薦め本
通信トラヒック理論の基礎とマルチメディア通信網 
川島幸之助 ほか共著、電子情報通信学会、1995年11月         
■請求記号 547.21/Ts29
■配架場所 図書館 1階開架一般                                  

通信流理論基礎与多媒体通信网 』 
岳 五一 (Wuyi  Yue)、呂延杰訳、清華大学出版社、2000年11月         

  

店頭選書コーナー

CIMG0883

第1回店頭選書で選書した本は
図書館1階新着コーナーの左隣『特別企画コーナー』に並べています。
(一定期間を過ぎると通常書架に並びます。)

CIMG0885

参加した学生さんに“おすすめ本レビュー”を書いてもらいました。
気になる本があれば是非読んでみてください。
 CIMG0886

ご協力いただいた学生さん、ありがとうございました。
図書館では年1~2回店頭選書を実施しています。
興味を持った人は是非次回参加してみてくださいね。

あさのますみ『ヒヨコノアルキカタ』

 文学部 2年生 中西聖也さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:ヒヨコノアルキカタ
著者:あさのますみ:文 あずまきよひこ:絵
出版社:KADOKAWA
出版年:2015年

浅野真澄さんには二つの顔があります。ひとつは「声優」として声の仕事をすること。もう一つは、「作家」として絵本や児童書といった文章を書くこと。
この本は、あさのさんが「はじめて」をテーマに書いたエッセイ集です。子供の頃から大人までの様々な思い出を書かれています。イラストを担当するのは漫画「よつばと!」で有名なあずまきよひこさん。エッセイ一つ一つに、あさのさんをヒヨコに見立てたイラストを書かれています。
この本を読んだとき、「あ、私がいる」と思いました。きれいな石を大事に持っていた幼稚園の頃「宝物」。運動神経の悪かった小学校時代「反抗」。青春っていったいなんだろうと思った中学時代「青春」。なんだかどこかで見たことある。私にもこんなときあった。そう思ったとき、あさのさんにとても親近感を覚えました。自分の子供時代を思い出させてくれる作品でした。この作品は、懐かしさ、純粋さが詰まっていました。でも、この作品はただ子供時代だけを書いているわけではないのです。
このエッセイの真の魅力は、「子供の頃」と「大人になった今」につながりを感じられることだと思います。おばあちゃんの家に泊まって、初めて習字を教えてもらった「習い事」。子供のあさのさんの純粋さ、おばあちゃんの温かさを感じられる素敵なお話です。では、大人になった今はどうでしょうか。おばあちゃんはもう病院暮らし。お別れが近くなってくる「覚悟」。病室には習字の作品が置いてありました。小さい頃の温かい「思い出」が、私の心にグサリと刺さりました。このエッセイには、このように過去と現在のつながりを感じられる部分がいくつもあり、心を揺さぶります。
絵本のような優しい文章・やわらかいイラストが魅力的です。ひとつのお話は約6ページ。どこから読んでも、きっとあさのさんのことが好きになると思います。この本を読んで、自分の「思い出」にも目を向けてみてはどうでしょうか。きっと、良い読書体験になると思いますよ。