1-2. 語学学習室」カテゴリーアーカイブ

『Hard Times』Charles Dickens

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル3】 837/D/3
Title: Hard Times
Author: Charles Dickens
Series: Dominoes ; level 3

クリスマスキャロルで有名なディケンズの作品です。産業革命時イギリスの工業都市が主な舞台で、資本者階級と労働者階級の関係性など、当時の世相がドキュメンタリーのように鮮明に描かれています。
資本家グラッドグラインド氏は、自分の信条を我が子に押し付け、想像や感情を排除した教育を徹底します。大きな重圧の中で成長した子供たちはやがて、それぞれ道を踏み外し、氏は自分の誤った教育の仕方を悔やむ事になります。精霊による不思議な悪夢を見て改心するクリスマスキャロルの主人公と重なりますが、こちらは醒める事のない現実だけに、皮肉で残酷です。この家族に巻き込まれる不運なブラックプール氏の他、『家政婦は見た!』を連想させるミセススパーシットや、愛情深いシシーなど、沢山の人がこの家族と関わり、物語に彩りを与えています。
自分だけが正しいという考えで他者を思いやれない生き方は、自分だけでなく、周囲の人にも悪影響を及ぼし、とても罪だという教訓を感じました。

『THE DRINKING GOURD』F.N. Monjo

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル2】 837/I/2
Title: THE DRINKING GOURD
Author: F.N. Monjo ; pictures by Fred Brenner.
Series: An I can read book ; level 3

主人公トミーはやんちゃな子で、ある日教会の集会中に外にいたガチョウにいたずらをし、父親に家へ追い返されてしまいます。そして家に戻り、遊んでいた納屋で黒人一家が隠れているのを見つけてしまうのでした。
実は黒人一家は、トミーの父親が厳しい奴隷制度から逃れるため、かくまっていた事をトミーは知り、父と共にこの一家をカナダへ逃がすことを決心します。
逃がす途中で、黒人一家を追ってきた保安官に呼び止められてしまい、トミーがとった行動とは!?
一家は無事、目的地までたどり着けるのか?
つらいテーマでありながら、親子のきずなと人種差別に疑問を持つ人々の勇気ある行動を伝える感動的なストーリーです。

『The Canterville Ghost and Other Stories』Oscar Wilde

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル4】 837/P/4
Title: The Canterville Ghost and Other Stories
Author: Oscar Wilde
Series: Penguin readers ; level 4

「幸福な王子」、「ドリアン・グレイの肖像」などで知られるオスカー・ワイルドの短編が3つ収録されています。
●表題作『The Canterville Ghost』
英国のカンタヴィル猟園にアメリカ大使の一家が越してくるが、お屋敷には数百年前からカンタヴィル卿の幽霊が住み着いていた。なにごとも合理的なアメリカ人一家とロマンチストな幽霊の攻防の末に、カンタヴィル卿はある結論にたどり着く。
●『Lord Arthur Savile’s Crime』
アーサー・サヴィル卿は結婚を控えたある日、パーティーで占い師に「あなたは殺人を犯す」と予言されてしまう。責任感の強いサヴィル卿は、結婚式までに完全犯罪を遂行しなくては、という思いに捕らわれ、実行するがなかなかうまくいかなくて・・・。
●『The Sphinx Without a Secret』
“私”がパリのカフェで久しぶりに会った友人の表情には暗い影が漂っていた。理由を聞くと、謎のある美しい女性を愛してしまったのだという・・・。
ユーモアがあって皮肉もたっぷり、そしてちょっと怖い短編集です。

『THE ADVENTURES OF TINTIN Vol.4』HERGÉ

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル4】 830/H/4
Title: THE ADVENTURES OF TINTIN Vol.4
Author: HERGÉ

世界中で愛されているエルジェの名作コミック。
この1冊に3話掲載されています。1話目は、去年スピルバーグ監督が映画化した作品の原作にもなっていました。現在もどこかに隠されているというレッド・ラッカムの秘宝を見つけることができるのか・・サメとの格闘シーンがちょっと笑えます。他の話にも共通して必ず登場する、自然界の敵との戦いが見所です。
エルジェの魅力は、ハラハラするストーリー展開と、個性的なキャラ達をとってもおしゃれに描いているところでしょう。タンタンは知的で勇気があり、いつも全力で前進していて爽やかです。いつも話が噛み合わない博士や、お酒に目が無いハドック船長、見た目も中身も瓜二つのデュポン&デュボン警部‥。皆、タンタンと深い信頼でつながっています。是非注目していただきたいのが、相棒のスノーウィーです。表情や体の動きだけで、その勇敢な性格や可愛いらしさが伝わってきますが、稀にしゃべるシーンがありますので、探してみてください。

『Sherlock Holmes : the blue diamond』Sir Arthur Conan Doyle

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル1】 837/D/1
Title: Sherlock Holmes : the blue diamond
Author: Sir Arthur Conan Doyle
Series: Dominoes level 1

ワトソンがホームズの家を訪れると、新聞を脇に置き古い帽子に見入っていた。
それは、ホテルマンのピーターソンから持ち込まれたものだった。
クリスマスの早朝、ピーターソンが仕事帰りに歩いていると、前を行く背の高い男がいた。
男は帽子をかぶり、クリスマス用のガチョウを背負っていた。が、突然背の高い男は若者に殴られる。
男は杖で突き返そうとしたが、誤って通りの店の窓を壊してしまう。
ピーターソンが男を助けに駆け寄ると、窓を壊したのを悪く思ったのか、ピーターソンのホテルマンの格好を警官と思ったのか男は走り去ってしまった。男が去った後、通りには男の帽子とガチョウが残されていた。
タイトルのブルーダイヤモンドはどこから現れるのでしょうか。
残された帽子と、ガチョウを頼りに、ホームズはどのように事件を解決するのでしょうか。
カラーイラストで分かりやすく、たいへん読みやすい1冊です。

『Father bear comes home』Else Holmelund Minarik

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル0】 837/I/0
Title: Father bear comes home
Author: Else Holmelund Minarik ; pictures by Maurice Sendak

くまくんはお父さんが大好き。漁師のため長く家をあけていた父さんぐまが帰ってきてくれることが嬉しくてたまりません。
めんどりさんやあひるさん、ねこさんにも報告します。「もしかしたら人魚を連れて帰ってきてくれるかも!」と気分は盛り上がるばかり。3匹も人魚を見たいと家についてきます。
果たして父さんぐまは人魚を連れて帰ってきているのでしょうか?
くまくんたちのお話が短編仕立てで4話入っています。どの内容もクスリと笑えて気分もふんわり。子供の頃に戻って童話を楽しむのはいかがでしょう。