2.おすすめの本」カテゴリーアーカイブ

「大地に夢求めて」(KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『平生釟三郎の本』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画(2023年4月「平生フィロソフィ」発刊記念)『平生釟三郎の本』で、企画者のKさんが紹介した本です。

小川守正, 上村多恵子著「大地に夢求めて : ブラジル移民と平生釟三郎の軌跡」
神戸新聞総合出版センター , 2001

「常に備えよ」
平生釟三郎は、将来おきる時代の変化や危険なことに備えて、準備することが大切だと考えていた。この考えは、阪神淡路大震災にも生かされた。「常に備えよ」は、甲南生の心に常に刻まれている。新一年生で平生釟三郎のことをあまり知っていないひとは、ぜひ読んでほしい。また、「常に備えよ」は、甲南大学一号館前の石碑にも書いてあります。待ち合わせの場所にぜひ。

「平生釟三郎 : 人と思想」(KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『平生釟三郎の本』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画(2023年4月「平生フィロソフィ」発刊記念)『平生釟三郎の本』で、企画者のKさんが紹介した本です。

甲南学園篇「平生釟三郎 : 人と思想」 1巻・2巻
甲南学園 , 1999.11-

「すべて人は皆天才である」「人はなんでもできる。ただ、挑戦していないから、できていないだけだ。どんどんチャレンジしていくべきだ!」と、平生釟三郎は考えていた。この本を読めば、あなたは心に火をつけて、情熱をもって生活できるようになるに違いない。

[藤棚ONLINE]図書館長・杉本喜美子先生(マネジメント創造学部)コラム「遠まわりのすすめ」

図書館報『藤棚ONLINE』
図書館長・杉本喜美子先生(マネジメント創造学部) コラム

 みなさんは本を読みますか?どんな理由で目の前の本を選んでいますか?

 昨年末より『天才読書』という本が話題です。“天才たちの頭の中”を見せてもらうことをコンセプトに、テスラ/アマゾン/マイクロソフト創業者らがどのような本を読んできたかを知り、(1) 読書には人生を変える力があること (2) どのような本を読んで成功に到達できたか、を知ることができます。同じ本を読んでも同じ行動ができないのはみなさん承知。とはいえ凄い方々から少しでもヒントを得たいという気持ちもあり。このあたりが、ヒットにつながっているのでしょう。読書は時間がかかるし、そのうえ得た“何か”を表現しにくいもの。小説を読んで“じんわり、ほのか”に感動。新書を読んで“あっ、そうか!”と腑に落ちる。こんな一瞬のために膨大な時間を費やすなんて、楽しいこと盛りだくさん、かつタイパ重視のみなさんにとって、魅力のない趣味かもしれません。

 しかし、先述の本は、(3)成功した方でも読書に膨大な時間を使っていた=人生においては遠まわりこそ大事、ということを示した点で、いい本といえるのではないでしょうか。たくさんの本の中で、自分の読む本が自分の人生にプラスになるかは分からない。だけど、普段の生活から少し離れて、静かに自分と本だけの時間に飛び込んでみる経験は、これからのみなさんをどんな形で支えるかわからない。私は小説が好きですが、主人公の良い/悪い行いの背後にある“深い想い”に触れるといつも、自分の人を見る浅さに気づかされます。人は複雑で御せないもの。だけど“想い”だけが互いの心を動かし、世の中を変えるんだと感じることができます。大学での図書館の使い方はいろいろ。心を整える休憩場所として、みなさんをいつもお迎えしています。

 遠まわりをして、自分を取り戻しませんか?

 自分の学びのなかで関心のある2冊を紹介します。

『創造的破壊の力 資本主義を改革する22世紀の国富論』東洋経済新報社
 フィリップ・アギヨン, サイモン・ブネル, セリーヌ・アントニン(著)
 村井章子(訳)

『入門 開発経済学 -グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション-』中公新書   山形 辰史 (著)

 普段、西宮キャンパスで開発経済学を教えていて、人々の暮らしをよくしていくために経済学はどう貢献できるのかを考えています。どうすればイノベーションを起こしやすい社会になり、持続的成長を達成できるか?成長・繁栄を平等に享受できる社会になるには、どのような制度が必要か?現実社会と学問がどう繋がるのかが分かる2冊です。


【図書館事務室より】
 藤棚ONLINE2023年度第1号は、今年度新たに図書館長に就任されましたマネジメント創造学部教授・杉本喜美子先生より、コラムとおすすめ本紹介でした。
 効率重視の目的一直線な行動に比べると遠回りに思える読書の良さ、というお話しでしたが、どうせならKONANライブラリサーティフィケイトにエントリーして、認定証や記念品と一石二鳥を狙ってみるのはいかがでしょう!(このくらいの効率狙いはまあ許容範囲ということで…)
 図書館では、HPだけでなくTwitterやこのブログでも情報発信していますので、定期的にチェックしてみてくださいね。学生の皆さんのご利用をお待ちしています。

[藤棚ONLINE]法科大学院・宮川聡先生推薦「米朝置土産 一芸一談」

図書館報『藤棚ONLINE』
法科大学院・宮川聡先生推薦「米朝置土産 一芸一談」

桂米團治監修
淡交社, 2016

 今回私が紹介したいのは,第2次大戦後の上方落語復興の立役者の1人である三代目桂米朝さんが1989年4月から1990年10月まで朝日放送ラジオで放送されていた「米朝のここだけの話」という番組で行われた様々な分野の著名人との対談の内容を文字起こしした「米朝置土産 一芸一談義」という本です。2016年に淡交社から発行されていますが,桂枝雀さんが担当されていた「前説」も収められています。なお,編者の桂米團治さんは米朝さんの息子さんです。

 この本では,後に紹介する13名との対談が取り上げられているのですが,実はこの本の前編というべき「一芸一談」(この本でも13名との対談が文章化されています。)が1991年に公刊され,2007年に文庫化されています(ここでは,藤山寛美,13世片岡仁左衛門といった人たちとの対談が文字起こしされています。)。ただ,残念ながら,現在は古書を手に入れるしかなくなっているようですので,続編というべき「置土産」のほうを取り上げることにします。

 「置土産」では,①夢路いとし・喜味こいし(漫才師),②菊原初子(地歌筝曲演奏家),③朝比奈隆(指揮者),④吉村雄輝(上方舞台吉村流の家元),⑤小松左京(小説家),⑥島倉千代子(歌手),⑦小沢正一(俳優・俳人・エッセイスト),⑧橘右近(落語家・書家),⑨高田好胤(薬師寺管長),⑩阪口純久(きく)(上方料理「大和屋」の4代目女将),⑪立川談志(落語家),⑫茂山千之丞(大蔵流狂言師)という各分野を代表する著名人との対談が再現されています。現在大学で学んでいる皆さんにとっては,あまりなじみのない名前ばかりかもしれませんが,非常に興味深いお話が展開されています。

 個人的には,SF作家として著名な小松左京さん(代表作は,「復活の日に」,「日本沈没」など)との対談に最も興味を覚えました。米朝さんと小松さんは,その昔,ラジオ大阪で「題名のない番組」(題名のない音楽会ではありません)という番組を担当されていたので,気心が知れているうえに,博識なご両者の口から話がよどみなく流れ,それがそのまま文章化されているので,読みやすいことこの上ないという感じでした。

 東芝が開発した日本語ワープロ1号機について,使ってみようかと考えたが値段が600万円(正確には630万円だったようです)といわれてあきらめたと発言されている小松さんは,その後,安くなったワープロを使うようになられたのですが,ワープロの操作に慣れていないときに,誤ってせっかく作成した文書(400字詰め原稿用紙2枚半)を消去してしまい,入力しなおさなければならなくなり,大慌てをした話などが出てくるのですが,私にも同じような覚えがあるので思わずぞっとしたりしました。また文壇との付き合いが嫌で関西にとどまっているというような極めて率直なお話が出てきて,人付き合いが苦手な私はここでも「よくわかります」と感じてしまいました。

 30年以上前に放送された番組ですから,その内容や表現については現在の基準からすると問題がある箇所もありますが,それも含めて当時の雰囲気を感じることにも意味があるのではないかと思います。一度手に取ってみればよいのではないでしょうか。

サン=テグジュペリ著 ;河野 万里子訳『星の王子さま』

知能情報学部 4年生 Sさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :星の王子さま 
著者 : サン=テグジュペリ著 ;河野 万里子訳
出版社:新潮社
出版年:2006年

この物語には「大切なものは目には見えない」というメッセージが込められている。主人公のパイロットと小さな星から来た王子様が砂漠で出会い、王子様がいろいろな星を旅して地球の砂漠にたどり着くまでの出来事を、パイロットに話すことでそのメッセージを伝えている。

この物語は、始めはよくわからないと思うかもしれない。なぜなら、登場する人物やものは別のものに例えられているからだ。よく考えないで物語を読むと王子様と変な星が出てきて変な話だな、意味が分からない、と思うかもしれない。

王子様は主人公が描く絵をみて、奥に秘められたメッセージを読み解き、本当の意味を理解することができた。そのことにパイロットは驚いた。なぜなら、大人は表面的にだけ物事をとらえていて大切なものが目には見えないものであることを忘れているからだ。王子様が旅した星々には権力・名声・仕事など目に見えるものを大切にする大人が描かれ、王子様はつまらないと思った。また、王子様は地球でバラ園の美しいバラ達を見る。しかし、自分の星にある1輪のバラとは見た目は同じでも同じではないと気付く。それは、目に見えない思い出があるから王子様だけの特別なバラであるからだ。そして、砂漠も井戸があると思うから美しく、夜空も王子様やその思い出があるからパイロットには美しく思えるという。大人が忘れている目に見えない奥に秘められたメッセージを読み解かなければいけないということが書かれている物語だ。

この物語は、表面的な物事の捉え方しかできない大人達に読んでほしい。この物語を読めば大切なものが見えるようになるかもしれない。そして、この物語をよくわからないと思う人は表面的にしか物語を捉えられていないのかもしれない。

岸見一郎, 古賀史健著 『嫌われる勇気 』

知能情報学部 4年生 Sさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 嫌われる勇気 
著者 : 岸見一郎, 古賀史健著
出版社:ダイヤモンド社
出版年:2013年

この本は、アルフレッド・アドラーの思想を哲人と青年の対話による物語形式を用いて書かれています。そして、「どうすれば人は幸せに生きることができるのか」をシンプルかつ具体的な答えを示してくれます。この物語を知ることで人生を幸せに変えることができるかもしれません。

トラウマを否定せよ、すべての悩みは対人関係、他人の課題を切り捨てる、世界の中心はどこにあるのか、「いま、ここ」を真剣に生きる、という5つのことが書かれている。その中で、他人の課題を切り捨てるという中に書かれている、「課題の分割」という考え方が根幹であるように感じました。この課題の分割とは、自分の課題と他人の課題を分けて、自分の課題に専念し、他人の課題には踏み入る必要がないという考え方です。

多くの人が他人から認められたい、嫌われたくないと思っていると思います。そのような人には、この課題の分割の考え方を行なってほしいです。

すべての悩みは対人関係にあると考えると、課題の分割を行うことは有用で、他者から嫌われることを恐れなければ楽になれるということが書かれています。

この課題の分割を行うことで誰かのために生きるのではなく、自分のために生きていけるということにつながります。他人のことは割り切って自分のことに集中してみるということを意識することで自分が幸せになれると思います。

本書には他にも多くのためになる言葉があります。対人関係に悩む人、幸せになりたい人、生きづらいと考えるような人には是非読んでほしい本です。