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森岡 毅著 『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』

知能情報学部 4年生Uさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : USJを劇的に変えた、たった1つの考え方
著者 : 森岡 毅著
出版社:KADOKAWA
出版年:2016年

 マーケティングの役割と手法、その考え方に則ったキャリア形成についての本。初心者向けだが要所では専門用語も交えて詳しく説明されており勉強になった。面白い事例がUSJを筆頭に数多く取り上げられており、読み物としても面白い。 「落とし所は消費者最適ではない(カレーすき焼きではなくカレー一本で通す)」「消費者自身の気付かないインサイトを衝く」「商品とは、売りたいもの(根源的な顧客価値)をターゲットに届ける仕組み」 CASE革命で自動車の顧客価値はどう変わるか?落とし所を求めず1つ特定し、技術開発の方向性を決める。

 今からでは想像もつかないが、開園してから数年後のUSJには苦戦していた時期があった。日を選べば、人気アトラクションも並ばずに、しかも飽きるまでエンドレスに乗れたものだ。 いまの状態へ変化したのはマーケティングの力であり、タイトルにある「たったひとつの考え方」とは、「消費者視点の価値観を全社的に共有すること」だろう。 「マーケティングの知識がない人でも読める本」をテーマされているため、実例が多く用いられ読みやすい。また、実務者視点の語り口は、応用が効きそうなヒントに満ちあふれている。

 2010年にGDP2位を中国に取られ、日本の将来を憂いている。そんな日本を変えられるのは優秀なマーケッターであり、特にこれから社会人になる若者に期待。日本には、元々「お客様は神様」というマーケティングの下地があり、目的→戦略→戦術をしっかり回し、困難を乗り越えて技術とマーケティングの両輪で日本再生を願っているようだった。また、阪神淡路大震災で、生き急ぐ人生観に変わった話は、共有したいと思った。

 とにかく強みを伸ばそうと思ったときに、自分が伸ばすべきは戦略的思考の部分だと。1番足りていないと感じたのは、WHO消費者理解の部分だと思った。もっと世の中の人に興味を持つことが自分の成功に繋がると思った。これからも仕事を頑張ろうと思う。

[藤棚ONLINE]全学共通教育センター・西浦太郎先生推薦「カブール・ノート 戦争しか知らない子どもたち」

図書館報『藤棚ONLINE』
全学共通教育センター・西浦太郎先生推薦「カブール・ノート 戦争しか知らない子どもたち」

山本芳幸著
幻冬舎 2004

 みなさん、こんにちは。今回、皆さんにお勧めしたい本は、「カブールノート」です。

 カブールはアフガニスタンの首都ですが、この国では、過去何十年もの間、何度も戦争が行われてきました。著者の山本さんは、かつて国連の難民高等弁務官事務所(UNHCR)に勤め、戦争により家や土地、家族を失った人々へのさまざまな支援を行ってきました。本書では、現地の人々が生きる状況や、山本さんが紛争状況で人を支援する際の苦悩や葛藤が赤裸々に書かれています。

 日本にも、そして世界にも自分達の想像を超える体験をしている人たちがいます。日本に閉塞感を感じ、世界をもう少し知り、より大きな文脈から見てみたいと思っている方に本書を是非、お勧めします。また、国際協力という分野の実態を知り、日本人特有の考え方について考えたい人にとっても良書です。

 専門的な話も出てきますが、エッセイ調で比較的読みやすいので是非、手に取ってみてください。

サイモン・シン著, 青木 薫訳 『暗号解読 (上)』

知能情報学部 4年生 Kさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 暗号解読 (上)
著者 : サイモン・シン著, 青木 薫訳
出版社:新潮社
出版年:2007年

暗号に興味があるけど難しそう。そう思っている方にお勧めなのが、フェルマーの最終定理で有名な著者 サイモン・シンの「暗号解読」です 。

人は、昔から秘密を守るために暗号を考案してはそれらを破ってきました 。古代ギリシャから現代にいたるまで今も昔も情報の重要性は変わりません。文字を入れ換えたり表を使ったりいろいろな方法があります 。

本書には、一度は聞いたことがあるものの、その仕組みや復号(解読)方法が分からない方、興味津々な方や推理小説に出てくる暗号を自力で解いてみたいと思うような方に向いていると思います。文系理系関係なく楽しめるものとなっています。暗号を作る天才たちとそれらの暗号を解読する天才たちの戦いに 読んでいくうちに引き込まれます。

皆が難しいと思っている暗号解読を 本書では 過去の事例などを出しながら面白くわかりやすく説明されています。推理小説やスパイ映画などでしか見ないと思っていた暗号が 意外にも自分たちのすぐそばにあることにとても驚 きました。小さなころに遊びで文字を入れ換えて暗号化などと遊んでいた人がいたように自分たちで暗号化したり、皆が使っているスマホやパソコンにも暗号化が大きく関わっていたりします。

暗号化して当人たち以外のものに見られないようにしていても、作るための法則があるならそれさえわかれば簡単に復号化されます。暗号化した密書を解読されて処刑された女王や、暗号化して戦争に勝利したものなどいろいろなエピソードが楽しめるものとなっています。

本書では、文系の方々でも理解しやすいように説明されています。著者である サイモン・シンは 難しいものをかみ砕いて説明することに長けている方だと思います。 難しい説明も図解付きで解説しています。謎解きや暗号に興味がある方に是非お勧めしたい作品となっています。

村上 龍著 『それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい』

 

知能情報学部 4年生 Kさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい
著者 :  村上龍
出版社:幻冬舎
出版年:2008年

大体の人はこの書名のような願望を持つのではないだろうか?実際私も恋がしたいし、幸福になりたいし、お金も欲しいと思う。
しかし、実際そうなりたいと思ってもそう簡単にうまくいくものではなく、生きていく上で悩みはつきもの。

このエッセイは様々な年齢や職業の女性のお金、仕事、恋愛の悩みを筆者が痛快に答えていく内容になっている。
それぞれの質問に対する答えの一番後に大きな文字で結論が書かれているのだが、それはどれも心にドカンと衝撃がくるものばかりであった。

我々は大学生なので就職活動をしていたり、卒業後就職を控えている人もいると思う。
そのため今回は第二章の”仕事編”で私に刺さった質問を紹介しようと思う。
「正社員のメリットがわかりません」という質問があり私も同意見だった。私は現在も就職活動をしているがとても大変だ。就職するよりもフリーターでいる方が好きな時に休めたり、残業もしなくてよかったり、はるかに気楽に働けると思う。就職できたところでいいことって何もないんじゃないか、と考えてしまう自分もいた
しかし著者の言葉は「正社員が有利だということを直視しないと、あとで後悔します」だった。
「いいことがないと言っているのは現実逃避が含まれている」「現状の法律・制度では正社員の方が圧倒的に有利」これらの言葉だけで納得してしまった。自分はただつらいことから逃げようとしていただけだったのかもしれないと考えさせられた。

この本の質問者は皆女性であるが、どの質問も女性だけでなく男性にも当てはまる内容だと思う。質問と最後の一言だけを読むだけでも著者の言いたい事の一部は理解できるので少しでも心に引っ掛かる内容があれば全文を読んでみて欲しい。

私は著者の「50年生きてきた経験で言うと、たいていの人は悩んでいます」という言葉に少しホッとした。悩みを抱えているみなさんが少しでも生きやすくなる言葉がこの本で見つかることを祈っている。

安西 敏三編著『平生釟三郎日記 第三巻』

経済学部   1年生  Kさんからのおすすめ本です。

書名 : 平生釟三郎日記 第三巻
著者 : 安西 敏三編著
出版社: 甲南学園
出版年:2011年

 私は、平生釟三郎先生は行動力が素晴らしいと思う。学生時代は故郷を離れ東京商業学校で貿易の勉強をされた。また、校長先生や保険会社の会社員をする など、多種多様な業界で仕事をされた。その後甲南学園を設立し人格育成の教育を行った。私も平生釟三郎先生のように主体的に行動したい。

 まず、私は甲南大学で生徒に寄り添った学校の先生になるための勉強をしたい。私は今月から子供の悩みの相談にのるボランティア活動を始めた。この活動を通じて、子供の立場に寄り添いながら物事を判断できるようになりたい。

 甲南大学卒業後は、中学校の先生をしたい。私は、平生釟三郎先生の「 すべて人は皆天才である」の教えに従って、生徒に苦手なことでも挑戦することの大切さを教えられる先生になりたい。平生釟三郎先生が残した言葉、「すべて人は皆天才である」とは、画一主義、詰め込み教育をやめ、生徒一人ひとりが本来持っている天賦の個性を充分に引き出し、 自分で考え物事を成し遂げる人間に育てるという平生釟三郎先生 の教育観のことだ。平生釟三郎先生は、日本の教育は教える だけで、ものを考えさせるということはしないと考えた。そして、大正期の日本の教育の模倣主義・詰込主義を批判し、学校において生徒に考えさせる習慣をつけさせ、 思考力・独創力を伸ばすことこそが教育であると考え、甲南学園を設立し、「すべて人は皆天才である」の言葉を残した。

 平生釟三郎先生の教えから、私は生徒に諦めないことの重要さを教えたい。 そして、定年退職後は蓄積した能力を用いて、甲南大学の教職の先生として学生を指導したい。私が先生の仕事をして気づいたことや、反省点を 生徒や学生に 伝えることで、学校教育をより充実させたい。

安西 敏三編著『現代日本と平生釟三郎』

経済学部   1年生  Kさんからのおすすめ本です。

書名 : 現代日本と平生釟三郎
著者 : 安西 敏三編著
出版社: 晃洋書房
出版年:2015年

 私は、平生釟三郎先生の生涯を通して優れている点は、教育だと思う。

 平生釟三郎先生は生涯 、人々に良い教育をしてきた。平生釟三郎先生は、大学では貿易の勉強をして 、会社を経営している時は業績悪化を改善するために指導を行い 、さらに甲南学園を設立して人物育成の教育を行った。

 私は、将来体育の先生になりたい。そのため、私は今月からアルバイトで新体操の先生を始めた。私は この本を読んで、私の指導法を変えようと考えた。私も平生釟三郎先生のように個性を重視した教育を行おうと感じた。

 これまで、私は、新体操演技で大切なことは大会で良い順位になることだと考えていた。そのため、私は生徒に難しい技を成功させるための方法を指導してきた。しかし、私の生徒はオリジナルの珍しい新体操演技をすることがある。オリジナルの演技は採点規則にそった演技ではないので 、高得点を取りにくい。そのため、私はその演技をやめるべきだと考えていた。

 平生釟三郎先生は、社会に必要な行動をとった。例えば、会社の重鎮の人でも能力がない人を注意したり、学校教育ではテストの点数を高く取ることだけではなく人格育成に力を入れた。この本を読んで、私は新体操の本来の目的は、自分の魅力を表現し、個性ある演技をすること だと気付かされた。平生釟三郎先生が個性を重視した教育を行ったように、私も生徒のオリジナル性を尊重して、指導を行いたい。次に、その生徒が自分の演技に自信を持ってほしい。そして、自分の可能性を広げて、もっと難しいことに挑戦してほしい。