2.おすすめの本」カテゴリーアーカイブ

小川守正, 上村多恵子著『世界に通用する紳士たれ 』

経済学部   1年生  Kさんからのおすすめ本です。

書名 : 世界に通用する紳士たれ
著者 : 小川守正, 上村多恵子著
出版社: 甲南学園
出版年:2004年

 私は平生釟三郎先生の「人生三分論」を学び、私の人生も三つの段階に分けて社会に貢献しようと考えた。
 第一期は、私は甲南大学で生徒を思いやれる中学校の先生になるための勉強をしたい。私は今月から子供の悩みの相談を受けるボランティア活動を始めた。この活動を通じて子供の立場になって物事を判断できるようになりたい。
 第二期は、私は中学校の先生をしたい。学校の先生の役割の一つに生徒の人格の育成がある。私は平生釟三郎先生の「凡て人は皆天才である」 の 精神を生徒に教えたい。私は生徒に苦手なことでも挑戦することの大切さを教えたい。そして、私は生徒に諦めないことの重要さを伝えたい。
 第三期は、蓄積した能力を用いて、甲南大学の教職の先生として学生に指導したい。私が先生の仕事を何十年もして、気づいたことや、失敗して改善するべき点を学生に教えることで、学校教育の向上を目指していきたい。

 この本を読んで印象に残ったのは、平生釟三郎先生が人物教育に力を入れたことだ。
私は学校の先生になることが夢だ。生徒に寄り添った先生になるために、甲南大学で子供の立場になって行動できるようになりたい。

 私は「自分の力を伸ばす力」を、ボランティア活動を通じて養いたいと考えている。特に伸ばしたい力は子どもの考えに共感することだ。甲南大学では、サーティフィケイト制度によりボランティア活動を 積極的に行うことができる。この制度を利用して、今月から子どもの悩みの相談にのるボランティア活動を始めた。これからの活動で、私は教職入門で学んだ「子どもと話す時は相手の目の高さに合わせること」や、共通基礎演習で学んだ「感謝の気持ちを多く発言すること」など、授業で得た知識を活用しようと思う 。

 私は大学生の間に子どもの立場を理解して行動できるようになりたい。ボランティア活動を通じて、子どもと積極的に触れ合うことで私自身も成長したい。そして、平生釟三郎先生が望んでいた人物育成に力を入れた教育ができるようになりたい。

ガンディー,マハートマー著、古賀 勝郎 訳 『今こそ読みたいガンディーの言葉―ALL MEN ARE BROTHERS』

経済学部   1年生  Kさんからのおすすめ本です。

書名 : 今こそ読みたいガンディーの言葉―ALL MEN ARE BROTHERS
著者 : ガンディー,マハートマー著、古賀 勝郎 訳
出版社:朝日新聞出版
出版年:2011年

 この本は、マハトマ・ガンディーの人生について描かれている。

 マハトマ・ガンディーの話は、高校で学んだことがある 。私は彼の存在を知っていたから、この文章を簡単に読めた。マハトマ・ガンディーの話を読む時に高校で学んだこと思い出しながら読んだ。また、私は歴史の話が好きだ 。そして、普段から日本語で偉人の話を聞くことが好きだ。

 戦争には、誰もメリットを感じることはない。力による人や街の支配は、一般人に危害を与える。力よりも言葉により意見を訴えかける方が良い。

 戦争を好む人は誰もいない 。戦争は、いつも一般人を苦しめる。私たちは、暴力により地域を攻撃することは、許してはならない。暴力を使わず、行動や態度で、訴えることが必要だ。現在、ロシアとウクライナの間で戦争が起きている。戦争で多くの人々が死んでしまった。さらに、食べ物がなくなり、きれいな水を得ることができない人が増えている。もし、今マハトマ・ガンディーが生きていたら、彼は今の戦争を非難するだろう。国同士が喧嘩をするときは、言葉で討論するように言うだろう。

 私は将来、学校の先生になりたい。未来の職業のために、今を変えようと考えた。私は甲南大学で生徒に寄り添った学校の先生になるための勉強をしたい。私は今月から子供の悩みの相談にのるボランティア活動を始めた。この活動を通じて子供の気持ちに共感して、子供の立場に寄り添いながら物事を判断できるようになりたい。そして、子どもたちが自分に誇りを持って暮らせるように指導したい。

 彼は、多くの名言を残した。私は特にThe future depends on what we do in the present.(未来は、今、我々が何を為すかにかかっている。)という言葉が心に残った。

朝日新聞社編 『ほんとうの教育者はと問われて 』

経済学部   1年生  Kさんからのおすすめ本です。

書名 : ほんとうの教育者はと問われて
著者 : 朝日新聞社編
出版社:朝日新聞社
出版年:1975年

 私は教員の職務とは、子どもの人格の育成だと考える。学校教育法第37条11項によると、「教諭は、児童の教育をつかさどる」と教諭の職務権限が定められている。教育基本法第1条には、教育の目的は、「人格の育成を目指し」と示している。また、教育基本法第2条第2項には、教育の目標は、「自主、自立の精神を養う」と明記されている。私は、「児童の教育をつかさどる」ためには、学習指導要領に合わせた科目別の授業以外にも、部活動や特別活動の時間を活用して、子どもの人物教育に力を入れなければならないと思う。教員は、子どもの教育を通して、自分の人格を確立させることにより、自分に誇りを持たなくてはならない。そうなることで、人からの指示だけではなく、自分で考えて行動する子どもの育成が実現できると考える。

 この本を読んで、私は、教員の資質で必要なものは、豊かな人間性だと思った。特に、いじめに対する指導において必要ではないだろうか。今日、子どものいじめの件数が年々増えている。文部科学省によると、平成30年度の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校のいじめの件数は、50万を超えているそうだ。子どもの心が未成熟であるために、自己中心的で、善悪の判断に基づいた行動や言動ができなく、自分の欲求を制御できないことが問題視されている。

 私は、トライやるウィークで、自分の母校を訪ねたが、その期間中に出会った子どもたちの間で起きたトラブルの大部分は、自分が十分に考える前に行動することが原因であると感じた。つまり、相手の立場になって物事を考えていないため、トラブルを生じさせている。子どもたちが、相手を思いやり自分の気持ちを制御する自律心を育てることができれば、いじめの原因になるようなトラブルを減らせるのではないかと思った。

 私は、教員が子どもたちの自律心を育むためには、「自己への問いかけ」を促すことが必要であると思う。例えば、友達同士で喧嘩が起きた時は、なぜだめなのか、自分がされたらどう思うかを指導したい。その結果、子どもたちが自分自身を深く見つめ直す機会が増え、自律心を養うことができると考える。

 子どものいじめの件数が増えているような現代社会では心の教育が必要であるが、心の教育は法令や学習指導要領に頼ることができない。そのため、教員には、豊かな人間性が求められていると考える。

[藤棚ONLINE]フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生推薦「我慢して生きるほど人生は長くない」

図書館報『藤棚ONLINE』
フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生推薦「我慢して生きるほど人生は長くない」

鈴木裕介著
アスコム , 2021

 昨年、恩師が急逝し、精神的に辛い時期がありました。この本は、その時に父が贈ってくれたものです。

 この本には、心療内科医の目線で、穏やかな日々を過ごすためのコツについて書かれています。大切な人が亡くなった時、大きな病気に罹った時、人生において重要な決定をしなければならない時、多くの方は自分の人生のあり方や意味を真剣に考えるのではないでしょうか。私の場合、自分の人生のあり方を真剣に考えるたびに、自分の“ポンコツ”さが嫌になり、どんどん気が滅入ってしまいます。とにかく私の周囲には、恩師も含めて能力が高い方ばかりで、迷惑ばかりかけていることに、反省する日々を送っています。この本には、「人生は、ほどほどに“ポンコツ”がちょうどいい」ということを理論づけて書かれており、ポンコツも真面目に生きていればよいのかなと、少し気が楽になりました。

 他にも、人との上手な関わり方など色々なことが書かれていますが、この本の重要なメッセージは、「間違えた人生などないから、気楽に過ごしましょう。」ということだと思います。今を幸せと感じながら、感謝の心を忘れずに、学生の皆さんとともに楽しい時間を過ごしていきたいと改めて思いました。

 自分のことを“ポンコツ”かもしれないと思ってしまう方に、是非読んでほしい一冊です。

[藤棚ONLINE]マネジメント創造学部・中村聡一先生 コラム「リンカーン」

図書館報『藤棚ONLINE』
マネジメント創造学部・中村聡一先生 コラム 「リンカーン」

学生の皆さん。
西宮キャンパスの中村聡一と申します。
平穏な時代が長きにわたり続きましたが、国際社会は今戦争のリスクにさらされています。
羅針盤になる価値観は永遠に不滅です。それは、”正義”です。
アメリカの分裂危機を救ったリンカーンを紹介します。

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エイブラハム・リンカーン

リンカーン「分かたる家は立つこと能わず演説」「リンカーン・ダグラス論争」「クー パー・インスティティテュト演説」「ゲティスバーグ演説」

The first reading of the Emancipation Proclamation before the cabinet
“The first reading of the Emancipation Proclamation before the cabinet / painted by F.B. Carpenter ; engraved by A.H. Ritchie.”
(内閣における奴隷解放宣言の最初の朗読)
Abraham Lincoln Papers at the Library of Congress(米国議会図書館)より

合衆国の大統領として奴隷解放にあたったリンカーンは、敬虔なキリスト教信者である。
恵まれない移民の境遇から独学で身を興した。
真実の人として知られる。

”I am nothing but truth.”

彼自身の言明である。
建国からほぼ1世紀を経たが、19世後半に至っても自由の国アメリカは厄介な問題には蓋をしてきた。

奴隷制だ。

南部の経済は奴隷制をもっての大規模農園が主体であった。理念以上に実利が優先された。
自由憲法も、この問題には狡猾な解釈がなされる。

「奴隷は所用者の財産であって、憲法の適用範囲外である。」

南部で行われていることは南部の問題であり、合衆国政府としては関与したくない。
いわゆる無関心政策だ。

しかしパッチワークには必ずほころびが生じる。
南部の奴隷州から黒人奴隷が脱走してきたとする。
北部の自由州では奴隷制は認められていない。だから、もはや奴隷ではない。
しかし南部の奴隷の所用者は州政府を通じて、その奴隷の引き渡しを要求する。
放置すれば奴隷の大量脱走が生じる。南部諸州の没落につながる。

法の理念に照らして、引き渡すべきか、否か。
連邦政府としても無関心で通せなくなる。大いなる議論を招く。
南部諸州は、引き渡しは正当な財産の保全であると当然に主張する。

対して、それを認めれば、自由州を含めて、合衆国すべてが奴隷制を追認することになる。
煮え切らない対応に、南部諸州は、合衆国からの脱退も辞さない。大量脱走を食い止めるには自由州とのあいだに国境を作り出すしかない。
連邦政府が阻止するなら戦争も辞さない。
どちらつかずの対応に限界がきた。

「分かれたる家は立つこと能わず」

正と不正のあいだの中間的な立場を模索するというような計略は破綻した。そんなことは「生きてもいない、死んでもいない人間」を探すのと同じだ。
誰もが思うが誰も決して公には発言しない。

リンカーンが言明した。
「黒人を人間と思わず、野の禽獣と扱うとき、こうして呼び起こされた悪霊は、やがて逆に汝自身を裂き破るのではないか。アメリカの自由と独立との城壁をなすのはなにか。軍艦や軍隊ではない。われらの胸底に神が給うた自由を愛する心である。」

すべての人に天与の自由を愛する心。そして互いのそれを尊ぶ精神。
他人の権利を平気で蹂躙する。それは、すなわち、自分たちの独立の精神(本性)をも失することだ。

「正義は力であるとの信念を持ち、この信念にたってわれらの義務とするところを敢然と最後まで果たそうではないか。」

大統領に選出される。
南北戦争の決戦の場となったゲティスバーグにての戦没者追悼の式典。

「87年前、われらの父祖たちは、自由の精神にはぐくまれ、すべての人は平等につくられているとの信条に捧げられた、新しい国家を、この大陸に打ち建てた。」
「この国家が、この精神が、永続できるか否かの試練を受けている。」
「人民の人民による人民のための政治を地上から決して絶滅させないために、我々がここで固く決意することである。」

真実を語る政治家として世界史に永遠に輝く事業をなした。
しかし、大統領2期目の就任直後、凶弾によって死を迎える。

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リンカーンの演説は私の新刊書に収録されています。年明け1月に発売になります。Amazonで予約注文もできます。

『「正議論」講義~世界名著から考える西洋哲学の根源』
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492212531/toyokeizcojp-22/

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(紹介文)
NYコロンビア大学で100年以上の歴史を誇る名物哲学授業を徹底的に研究。そこから導きだした古くて新しい「正義論」を、古代ギリシャの哲学者プラトンとアリストテレスの対話形式で紹介する。
米国エリート教育の原点がここにある!
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(東洋経済ONLINE)
戦争、分断、格差…「力」の前に「正義」は無力なのか | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

【第5回 甲南大学書評対決】 和田 秀寿編著『二楽荘史談』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 全学共通教育センター特任准教授 武田 佳久先生からのおすすめ本です。

書名 : 二楽荘史談
著者 : 和田 秀寿編著
出版社: 国書刊行会
出版年:2014年

 甲南が創立される以前、この岡本の地は何がありどんな風景だったか? 想像したことはありますか?
1909年岡本の山の上(ちょうど北校舎の山頂辺り)に日本で他に類をみない変わった建物が出来ました。二楽荘と呼ばれるその建物はまさに現代でいうテーマパークそのものでした。

 世界の国ごとの調度品で飾られたテーマ室があり、果樹園、気象台、印刷所や学校まで併設。日本で初めてのケーブルカーで山下とつながっていました。ある時は1日に数万人もの来場者を集めたということです。

 残念ながら原因不明の火災で跡形もなく焼失し、その跡地は現在に至るまで立ち入りを制限されている謎の多い建物です。

 この書は二楽荘という建物を紹介しながら、甲南がこの地に 建った時代の雰囲気がよく伝わってくる内容です。