2-1. 学生オススメ」カテゴリーアーカイブ

成毛眞著 『2040年の未来予測』

知能情報学部 4年生 Yさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 2040年の未来予測 
著者 : 成毛眞著
出版社:日経BPマーケティング
出版年:2021年

いきなりですが、あなたは20年後には今や一家に一台はあるテレビがほとんどなくなると言われたら信じるでしょうか。厳密にはテレビというコンテンツはなくならないそうですが、近年の技術の進歩はすさまじく、数年先のことさえ予想することは難しい世の中になってきています。

そんな中20年も先の未来「2040年」に実現していることを予想した本を見つけました。20年間というとちょうど自分たちが生まれてきてから今までぐらいの期間ですが、その本こそが元日本マイクロソフト社長の成毛 眞さんが執筆された「2040年の未来予測」です。本書では20年後の日本で起こるであろうことを、技術革新や、人口推移、経済などの観点から語られているのですが、未来で起こることを予測し、知ることで適応するために今の生活を見直してみようというメッセージが込められているため、ただ起こることの予測が書かれているのではなく、その理由や知っておくと今すぐ生活に直結しそうな知識が、分かりやすく書かれています。そのため、未来で起こりうる技術に興味がある人はもちろん、知っておいて損はないものとなっているため万人におすすめできる一冊であると私は思います。

本書では、たくさんの未来の事柄が予想されているが私が一番興味深かったと思う内容は、ワクチンの開発スピードが飛躍的に上がるというものです。私たちは、ここ数年間コロナウイルスに長い間苦しめられてきましたが、あと20年後には新型ウイルスや現在難病とされている病気も対処できるようになるものが増えるそうなので、ぜひ期待したいと思います。本書はテクノロジーの躍進などを中心に語られてはいるものの、難しい専門用語が使われているわけではなく内容も一つ一つが興味を惹かれるものであるため、とても読みやすい一冊となっています。

未来に起こることを予測という形で知ることで今から出来ることもあると思うので、ぜひ読んでみてください。

伊坂幸太郎著 『ガソリン生活』

知能情報学部 4年生 Mさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : ガソリン生活 
著者 : 伊坂幸太郎著
出版社:朝日新聞出版
出版年:2013年

「ガソリン生活」。このタイトルだけを聞いたとき、どのような内容の小説を想像するだろうか。

自分は車無しでは生きていけないような人物が主人公の小説を想像した。もしくはガソリンスタンドで働く人の話かなと想像する人もいるかもしれない。そんなことを考えながらいざ読み始めると、開幕から「燃料を燃やし、ピストンを上下させ、車輪を回転させて走行する、あの躍動感こそが生きている実感である」とくる。この言葉から分かるように、この小説の主人公は最初から最後まで車であり、車が語り部となってこの小説は進行してゆくのである。どのような世界観なのかというと、どの車も人間のように意思をもっており、車同士で会話もできる。その一方で人間とは一方通行であり、人間の言葉を車は認識することはできるが、車の言葉を人間は認識することはできないといった感じである。

そして主人公の車は望月家の緑のデミオであり、物語はこのデミオが渋滞に巻き込まれているところから始まる。車内には望月家長男の良夫(大学生)と、その弟の亨(小学生)がおり、元女優の荒木翠の不倫疑惑について話している。するとまさに今話題にしていた荒木翠が追手から逃れるためにデミオに乗り込んでくる。所定の場所まで送り届けてひと段落かと思いきや、その後荒木翠が交通事故によって死亡したという事が翌日明らかになる。これをきっかけに望月家はより大きな事件に巻き込まれてゆく。

この小説を読んでいて面白いなと感じた点は、主人公が車であるために、物語の主要となる場面に直接居合わせることができないことがあるという点だ。その場合その場面に居合わせた人物がデミオの車内でそのことについて会話をすることで初めてその場面が描かれる。つまり舞台がデミオでない限り物語が過去形で語られることになり、これは他の小説ではあまり無い特徴だなと思い印象に残った。

「推し、燃ゆ」(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』で、企画者のSさんが紹介した本です。

 

宇佐見りん著「推し、燃ゆ
東京 : 河出書房新社 , 2020.9

 

自業自得。自分の行いが自分に返ること。肉が削り骨になる、推しを推すことはあたしの業であるはずだった。一生かけて推したかった。それでもあたしは、死んでからのあたしは、あたし自身の骨を自分でひろうことができないのだ。

冒頭は、推しを推すことへの共感があった中、終盤にかけての主人公の崩れ様は衝撃的でした。今の時代、推しを推すとは、現実とどう区別するのか、考えさせられる1冊です。

「人魚の眠る家」(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』で、企画者のSさんが紹介した本です。

 

東野圭吾著「人魚の眠る家
東京 : 幻冬舎 , 2015.11

 

「この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子供のために狂えるのは母親だけなの。

臓器提供について考えたことはありますか?この本は、医師から子供がおそらく脳死だとされた場合、臓器提供するかについて、考えさせられる本です。

脳死であっても、延命治療をするのは子供のためなのか自分のエゴなのか。

「キッチン」(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』で、企画者のSさんが紹介した本です。

 

吉本ばなな著「キッチン
東京 : 福武書店 , 1988.1

 

人はみんな、道がたくさんあって、自分で選ぶことができると思っている。選ぶ瞬間を夢見ていると言った方が近いのかもしれない。(略)決して運命論的な意味ではなくて、道はいつも決まっている。毎日の呼吸が、まなざしが、くりかえす日々が自然と決めつけてしまうのだ。

「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」から始まり、食欲の秋に似合うと思いました。

紅茶やお菓子と一緒に描写の世界観に浸ってみてください。

「18歳からの自炊塾 : 九州大学生き方が変わる3か月」(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』で、企画者のSさんが紹介した本です。

 

比良松道一著「18歳からの自炊塾 : 九州大学生き方が変わる3か月
東京 : 家の光協会 , 2020.11

 

「包丁を使って料理を作る。料理を美しく皿に盛りつけて配膳する。毎日食べられることに感謝を抱く。」

九州大学には、「自炊塾」と呼ばれる人気授業があります。期間中に40回以上の自炊をこなすなど、「履修条件が厳しい」と言われているにも関わらず、毎年25人の定員の枠に3~5倍の学生が殺到します。

食欲の秋として、これから自分で料理をしてみたい!と思う人のモチベーションが上がる1冊です。