月別アーカイブ: 2020年11月

[コロナ禍であなたの支えとなった本①]『服を作る : モードを超えて』山本耀司

KONAN ライブラリ サーティフィケイトの学生企画展示
『コロナ禍であなたの支えとなった本』

期 間:2020年 11月28日(土) ~2021年1月16日(土)
場 所:図書館入館ゲート前

※皆様にご応募頂きました結果を、当ブログでも順次掲載していきます。

『服を作る : モードを超えて』山本耀司

コロナ禍により思いもしなかった時間ができたとき、普段は小説ばかりを読むが、こんな時だからこそ自分のかっこいいと思うものについて理解を深めたいと思い手に取った。

世界に衝撃を与え続けてきたファッション・デザイナー山本耀司。生い立ちから現在までを語った貴重な証言と、多方面からのアプローチを試みた100の質問で、魅力と創造の核心が明らかに。

請求記号:589/Y 文学部・三回生・男性

法学部 森永 真綱先生へのインタビュー

法学部 3年生 Kさんが、法学部  森永 真綱先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.  法学に興味をもったきっかけ

A.  実は、法学に興味をもって法学部に入ったわけではなく、大学を受ける際に様々な学部で受験をし、その中で進学するのに選んだ学部が、法学部でした。そのため、大学に入ってから法学に興味を持った形です。

 

Q.  図書館の利用について

A. 高校時代は、クラブ活動の休憩時間に涼みに行くために図書館を利用していた程度で、本格的に利用するようになったのは大学生になってからです。図書館での思い出は、大学の図書館を利用した際、書庫で勉強をしていたことです。甲南では書庫をこのように利用することを見かけないので、甲南の図書館でも書庫の利用が増えればいいなと思いました。

 

Q. 学生時代はどのような本を読みましたか

A. 高校時代は漫画やスポーツ新聞などを読んでいて、あまり本を読んでいませんでした。大学生になってから、憲法や民法などの法学関連の書籍を読むようになりました。しかし、背伸びをしていたのか内容はあまり理解できていなかったように思います。

 

Q.   学生へおすすめする本について

A. 『三国志』がおすすめです。歴史的な部分だけでなく、人間関係や戦略、人生の生き方などを知ることができました。『三国志』は様々な形で出版されていますが、漫画から興味を持って学び始めても良いと思います。

 

Q. 今の学生へ一言

A. 自分に素直になって、目先の物事にとらわれずにいてほしいなと思います。また、自分は環境に恵まれていない、つらい思いをしている、そんな方がいるのではないでしょうか。しかし、つらい思いや恵まれない環境を持っているからこそ、新しいものを生み出すエネルギーになると思います。読書をすることでいかに生きるべきかを考えていくことが必要だと考えています。いつまでも、少年少女の気持ちを持って後悔しないような生き方をしてください。

 

感想:インタビュー内容に関しては、沢山のお話を聞かせて頂き、全て記載できませんでしたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。インタビューをさせて頂いたことについて、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

(インタビュアー:法学部  3年  K   )

[藤棚ONLINE]マネジメント創造学部・中村聡一先生推薦『国家』『ニコマコス倫理学』

図書館報『藤棚ONLINE』
マネジメント創造学部・中村聡一先生 推薦

プラトン『国家』とアリストテレス『ニコマコス倫理学』はリベラルアーツには欠かせない主要図書であります。ラファエロ作『アテナイの学堂』の中央に位置するプラトンとアリストテレスが書籍を手にしておりますのをご覧ください。プラトンが手にするのが『ティマイオス』。アリストテレスは『ニコマコス倫理学』です。

アテナイの学堂

プラトンの『ティマイオス』は、プラトンの主要作品である『国家』の後半部分に収録されております「イデア論」を発展させる形で書かれたものです。彼から見て後世のネオプラトン派の学説とイエスという若者の存在を結び付ける形で、後のキリスト教神学に大きな影響を与えたといわれます。

アリストテレスが手にししている『ニコマコス倫理学』は今回の私の推薦図書のうちの一つです。

リベラルアーツとはなにか、耳にしたことはあるが、なんだかよくわからないという方が多いと思います。リベラルアーツの発祥は古代のギリシア学問とされますところ、これを「ヘレニズム」と呼びます。

ギリシアがクレタの王女ヨウロペに因んで「ヨーロッパ」と呼ばれることになった西暦でいうと紀元前二千年頃の逸話から、その後のトロイア戦争、ペルシア戦争、ペロポネソス戦争を経て、ソクラテス、プラトン、アリストテレスらに代表される”ヘレニズム哲学”が生まれました。

その後、アレクサンドロス大王の東方遠征、古代ローマの時代、キリスト教の誕生、イスラム教の誕生、そして十字軍遠征やルネサンスを経て、時代は近代へと移行していきます。大航海の時代、宗教戦争の時代を乗り越え、サイエンスや近代政治哲学を生み出してきました。この間、じつに数奇な道筋を経て、「ヘレニズム」は受け継がれてきたのです。

現在の私たちまで続くこの四千年ほどのヘレニズムの軌跡を追いながら、この間に生み出されてきた哲学や宗教、文学や芸術そしてサイエンスの成り立ちを学んでいくこと、これを”リベラルアーツ”と呼びます。

この西洋学問の概念であるリベラルアーツは、元々、西洋社会のエリート層には必修です。そして急速にグローバル化する現代社会において世界的に必須の素養になっています。

意識ないかも知れませんが、じつは日本にもここ数百年のあいだに二回も大きな歴史的転機をもたらしているのです。

最初のそれは、日本が戦国時代にあった西暦では16世紀にありました。その頃、西洋社会では新大陸発見により大航海の時代にありました。ポルトガルとスペインがこの時代をリードしました。この二か国でアメリカ大陸を境に世界を半分づつ領有する取り決めまでしたほどです。彼らからみて東半分をポルトガルが、西半分をスペインが領有する計画でした。だから日本にやってきたのはポルトガルでした。宣教師のミッションが訪れました。西洋文明を目の当たりにしたわたしたちの祖先は大きな驚きをもって迎えました。

このときやってきたキリスト教カソリックの神学思想の中核にはヘレニズム哲学がどっしりと位置しているのです。16世紀の西ヨーロッパといいますと、十字軍遠征に引き続いて興った12世紀ルネサンスからすでに数百年が経過していました。文化的にも高い水準に到達していました。西洋社会に文明をもたらした「ルネサンス」とは、「ヘレニズムの復活」という意味なのです。いったん消失してしまったプラトンやアリストテレスらを筆頭とする大量のヘレニズムの文献をふたたび学ぶ直すことが「ルネサンス」だったのです。主導したのはキリスト教会です。ポルトガルからの宣教師がもたらした西洋文明とは「ヘレニズム」なのです。

二つ目の大きな転機とは、もちろん誰もが知るところの19世紀終盤からの「文明開化」です。16世紀の第一次の文明開化はその後の鎖国政策により大きく後退しましたが、開国によって明治期に、おそらくそれまでの日本においては歴史上もっとも大きな文明の変化が生じました。わたしたち日本人がその生まれ育ちを知らないまでも「西洋風」として取り入れた文明とは元をたどれば「ヘレニズム」なのです。

甲南学園の創始者である平生先生はこの時代に日本に根付いたモダニズム文化を愛し学園の理念に掲げています。つまりすべての元をたどれば、行きつくところはソクラテスであり、プラトンであり、アリストテレスなのです。

なお、今回推薦の図書とは別途、上に記した内容を包括的に著した私の本が来年春頃に出版されます。クレタのヨウロペからダーウィンまでの人類四千年に迫ります。

あわせて学びのきっかけにしてください。

長坂 悦敬 理事長 (元経営学部教授)『Excelで学ぶ管理会計』

 

<教員自著紹介>

本書は、企業の経営管理で重要な管理会計の理論や方法論を、Excelを使って具体的にスプレッドシートに表現し、構造を理解するとともに、目標とする数値を得るために諸条件を導き出せることを体験的に学習できるようになっています。例題をダウンロードし、各管理会計手法が意思決定や業績管理にどのように役立てられるのか理解いただけることを期待しています。

◆関連図書

・長坂悦敬 「Excelで学ぶ原価計算」 、オーム社、 (2009)

・上總 康行、長坂悦敬 (編著) 「ものづくり企業の管理会計」 、中央経済社、(2016)

・Katsuhiko Kokubu and Yoshiyuki Nagasaka、”Sustainability Management and Business Strategy in Asia” ,World Scientific Publishing Co Pte Ltd , World Scientific Publishing Co Pte Ltd, (2019)

・山本健児、金澤寿美、長坂悦敬 「アート引越センター 顧客満足度連続No.1のヒミツ」、 産業能率大学出版、(2019)

■『Excelで学ぶ管理会計』
■ 長坂 悦敬著 ,  オーム社 ,  2020.10
■ 請求記号  336.84//2343
■ 配架場所   図書館   1F 教員著作
■ 著者所属   長坂 悦敬 理事長 (元経営学部教授)

 

11/3文化の日、兵庫県高等学校ビブリオバトル大会を開催!

 11月3日(火祝)、文化の日に兵庫県高等学校ビブリオバトル大会を開催しました。
 例年であれば全国大会に向けた兵庫県の予選会として実施していましたが、今年はコロナ禍により全国大会が中止となったため、 活字文化推進会議および読売新聞社様の後援をいただき、甲南大学独自で兵庫県大会を開催しました。
 今大会は感染症対策として、来場者数の制限、入場時の検温、全員のマスク着用、「兵庫県新型コロナ追跡システム」への登録、手指消毒・手洗いの徹底といった対策を講じての開催となりました。

はじめに、図書館長の笹倉法学部教授よりご挨拶いただきました。

 参加校は昨年より2校増え、発表者は大幅増の27名。観戦者は感染症対策のため 発表者1名につき2名までと制限させていただき、44名と昨年より若干少なめとなりましたが、Youtubeライブ限定配信により、当日お越しいただけなかった関係者の皆様にも発表の様子を見ていただけるよう手配しました。(上手く配信できていたようで一安心でした。無料で簡単に複数配信できてしまうなんて、便利な時代になったものです)

 発表者の高校生たちは、コロナ禍でイベント中止が相次ぐなか、たくさん今大会に向けて練習してきたのでしょう。素晴らしい発表ばかりで接戦を繰り広げるなか、チャンプに輝いたのは『残像に口紅を』(筒井康隆著)を紹介した、兵庫県立長田高等学校の津野大都さんでした!

 発表者、観戦者の皆さんのおかげをもちまして大盛況のうちに終えることができました。感染症対策として多数ご不便、ご面倒をおかけいたしましたが、皆さん笑顔でご協力くださり、運営側としても大変感謝しております。
 ご参加ありがとうございました!

当日は甲南大学生協書籍部様のご協力により、発表本の展示・販売コーナーを設置していただきました。ありがとうございました!