エントランスホールにて企画展示「あなたの知らない広辞苑の世界」を始めました。

図書館1階 エントランスホールにて、「あなたの知らない広辞苑の世界」と題した企画展示を5月31日(金)より開始しました。
『広辞苑』は、岩波書店が刊行する我が国を代表する中型日本語辞典であり、1955(昭和30)年に第一版が刊行されました。以来改訂を重ね、2018(平成30)年には第七版が刊行されました。
このたびの展示では、本学図書館が所蔵する『広辞苑』各版のほか、明治時代に刊行された『言海』など多数の国語辞典を集めました。日頃使用する辞典の成り立ちについて知識を深めていただければと存じます。

この展示は、9月末(予定)まで開催しておりますので、ぜひお気軽に図書館までお立ち寄りください

 

 

 

 

マネジメント創造学部の広渡 潔先生へのインタビュー

知能情報学部 3年生 藤澤 舞さんが、マネジメント創造学部の広渡 潔先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

・本はよく読みますか。月に何冊程度ですか。

月に10冊程度です。
私の読み方は「見回す」感じです。Introduction とConclusionを眺めて、Contentsを見て  興味があるChapterをさらっと読みます。Introductionには著者の問題意識、議論の展開が書いてあり、Conclusionには展開した議論の要約と結論が書いてあります。ハーバード大学が学部生用にCritical readingという案内を出しています。そこでは、まず本をReadするのではなくLook “around″the text before you start readingとアドバイスしています。本を「見回し」ながら要約を掴み、本の印象を予備的に固めていくということです。万巻の書物を精読するには人生は短すぎます。

・どのジャンルの本を読みますか。

歴史関係が多いですね。人間には物事を理屈で割り切るタイプと歴史に還元して考えるタイプがいるかと思います。私は後者です。イタリアに5年、英国に7年いたこともあり、ヨーロッパの歴史、特に英国史が好きですね。英国という小さな島国が約400年をかけて世界に冠たる大英帝国を作り上げ、衰退していく歴史は味わい深いものがあります。

・人生を変えた本はありますか。

人生を変えた本はありません。ただ英国の名宰相チャーチルに関する本は好きですね。チャーチルは第二次世界大戦でナチスの脅威から世界を守った自由の守護者と言われています。同時に、インドなど植民地の独立を決して快く思っていなかった最後の帝国主義者でもありました。彼は19世紀の帝国主義を引きづっていたが故に社会主義やガンディーの独立運動を嫌いながら、それ以上に20世紀のヒトラーやファシズムの台頭に強烈な違和感を抱き、最後まで戦い抜きました。しかしその勝利の後に残ったのは大英帝国の衰亡でした。老境を迎え大英帝国に育てられ、その帝国の最後を看取っていきながら ‘all been for nothing…The Empire I believed in has gone.’と嘆くチャーチルに偉大な人間であるが故の悲劇を感じますね。「徒然草」に「死は前よりしも来たらず、かねて後ろに迫れり」とありますが、チャーチルの成功の裏に潜む挫折と悲嘆に、何がしかの死を抱いて生きる人生というものを如実に感じます。

・今の一般の大学生におすすめしたい本はなんですか。

「論語」「万葉集」やプラトンの「国家」などの幾世代もかけて読み継がれた古典のうちひとつを座右の書としてみてはいかがでしょうか。

・所感

今回、別のキャンパスに訪れたことを新鮮に感じました。また、広渡先生の専門(経済史:歴史的な史料を用いて経済社会を深く理解することを目指す学問分野)や歴史についてお話を聞いたことは自分の中で財産になったと思います。

 

 (インタビュアー:知能情報学部 3年生 藤澤 舞)

KONANサーティフィケイト認定授与式

本日のお昼休み、KONANサーティフィケイト認定授与式が開催されました。
ライブラリ分野からは5名が出席、ライブラリ分野1級に認定された学生さんが代表として登壇、認定証および記念品が授与されました。
学長祝辞の激励を受け、また次の目標に向けて頑張ってもらいたいと思います。

卒業生をメインに据えた認定授与式は3月に実施済み。こちらは式典の後に軽食付きの懇親会あり。教職員と学生が和気藹々と懇談、途中で認定学生から一言ずつ活動の感想をいただいたりしました。

最後に認定学生と長坂学長含む先生方など全員で記念写真。
これからも頑張ってください!

西田 英一(法学部)『声の法社会学』

<教員自著紹介>

日常会話から示談交渉・言い争いまで、ふだん私たちは声と言葉を使っていろんなやり取りをしています。一つの口蓋から出る<声>と<言葉>。自分の体から出る自分の声と、自分だけのものではない言葉。
いったい、<声>とからだと言葉はどう関係しているのか。そして、<声>が紛争解決場面でどんな働きをし、法とどう関わるのか。本書は、事故の被害者・加害者・関係者の声のぶつかり合いに焦点を当てたフィールドワークを通して、こうした謎に迫ります(第11章では、児童74人が犠牲となった石巻市立大川小学校の津波事故と訴訟の意味について詳しく分析しています)。

■『声の法社会学』
■ 西田 英一[著],    北大路書房 , 2019年3月
■請求記号 321.3//2059                                         ■配架場所 図書館1F 教員著作
■著者所属   西田 英一(法学部 )

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
大野瑞姫(おおの みずき)さん
文学部英語英米文学科 2年次生

2019年3月26日に多読チャレンジ50冊を達成されました。

1年次生の時に50冊コースを達成され、2回目の達成となります!
「シリーズを読破しようと目標をたて、電車の通学時間を使い読んでいた。多読チャレンジの成果として、文章を読むこと自体が怖くなくなり、進んで難しい本も読むようになった」と話されていました。
今回おすすめ本に選んだ『Who was Claude Monet?』はエリアスタディーズでフランスに行った後に読み、実際に訪れたところが出てきてとても面白かったそうです!

以下は、ご本人のアンケートによるものです。

○『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。

今年も目標にしていたので無事におわらせることができて良かったです。
空き時間に読むこと、興味のある本を読むことです。

○『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

スムーズに文の構成が頭に浮かぶようになりました。

○チャレンジする図書はどのように選びましたか?図書館ブログや展示棚に紹介したBook Reviewは役に立ちましたか?

棚でパラパラと見て、おもしろそうなものを読みました。
展示棚はチェックしました。

○現在チャレンジ中の『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。

好きな本を読んでいたら自然に進めることができると思います。

岡村こず恵先生(共通教育センター)「人の役に立てる仕事に 巡り合うために、大学生時代 にやっておくべきこと」

 「人の役に立つ仕事がしたい」、そう考える人は少なくないでしょう。そんなあなたが注目すべきキーワードの一つに「参加の力」があります。これは「市民が様々な社会課題にかかわることによって発揮される力」という意味です。
 「なんだ、ボランティアの話か」と思った人は、「ボランティア活動=社会貢献活動」のイメージが強すぎるかもしれません。なぜなら、いまや「参加の力」は、単に社会に貢献するにとどまらず、社会や組織、そして参加する人自身をも変え得る力であると、行政だけでなく企業関係者の間でも注目を集めているからです。
 早瀬昇著『「参加の力」が創る共生社会 ~市民の共感・主体性をどう醸成するか』(ミネルヴァ書房)は、この「参加する力」が発揮された様々な社会の姿を描き出し、その意味を示すとともに、どうすればこの力が発揮されるかを解説しています。
 例えば、「ウィキペディア」。いまや290 以上の言語で提供され、インターネットにアクセスできれば、世界中の誰でも記事の執筆や修正に参加できる「オンライン市民参加型百科事典」です。約3,900 万件にものぼる記事の執筆や修正は、すべて無償で(つまりボランティア活動として)進められています。
 なんと、この仕組みの成長により、Windows で世界を席巻したマイクロソフトの「Microsoft エンカルタ総合大百科」という商品が、2009 年に販売中止に追い込まれました。1993 年からマイクロソフトが多額の資金を投じて開発してきた商品が、ウィキペディアの成長によって、市場から姿を消したのです。
 他にも市民の「参加の力」によって社会を動かした事例が複数紹介されています。本書によって自発性がもつ力に興味がわいたなら、NPO 等で様々なボランティアやインターン活動の経験を積んで、社会課題に対する自らの認識力や問題解決力を高めてください。本校の地域連携センターで、多様なボランティア活動情報が入手できます。

甲南大学図書館報「藤棚」(Vol.36 2019) より