甲南大学ビジネス・イノベーション研究所編『神戸企業のイノベーション : 港町における新・旧価値の融合』

■『神戸企業のイノベーション
甲南大学出版会, 2026.3
■ ISBN  9784991297557

■ 請求記号 335//2368
■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者  甲南大学ビジネス・イノベーション研究所編 / 監修・執筆者: 西村順二, 奥野明子, 古田美保

<自著紹介>
地域と企業はいかにしてイノベーションを生み出すのか。本書は、甲南大学ビジネス・イノベーション研究所設立20周年の研究成果として、神戸という地域性に根差した理論と事例を編み上げた一冊である。伝統と革新が交錯する港町・神戸を舞台に、食品・酒造企業の実践を通して、既存理論では捉えきれないリアルなイノベーションの姿に迫る。地域活性化の未来を考える読者にお薦めの書。(奥野明子先生:経営学部)

 

ブックカバーデザイン発表!

2026年度に図書館で提供するブックカバーデザインが決定しました🎉
ブックカバーデザインの製作者は、経営学部の射場美雪(いば みゆき)さんです!

こちらのブックカバーは2026年4月1日より、図書館で提供いたします。
甲南大学図書館オリジナルのブックカバーをかけて、読書を楽しみましょう♪

☆射場美雪さんからのコメント☆

コラージュっぽい雰囲気に仕上げながらも甲南大学の要素を取り入れました。
あくまでも不自然にならないようになんぼーくんや甲南大学のロゴなどを入れています。
あとは神戸の象徴とも言えるポートタワーをデザインした。線で書いてしまうと露骨になって作品全体と合わないと思ったため、チェックで表現したのがこだわりです。
この作品を作るにあたって色々なブックカバーを調べて私が使いたいものをデザインしました。甲南らしいおしゃれさが表現できたのではないかと思います。

KONANサーティフィケイト認定証授与式を行いました

2026年3月18日(水)にKONANサーティフィケイト認定授与式が執り行われました。
昨今は1級認定者のみ参列していただきますが、大変たくさんの認定者が参列しました。

各分野たくさんの認定者が参列しました。すこし緊張の面持ちです。


今年度、KONANライブラリサーティフィケイトでは、なんと4名もの1級認定者が出ました!図書館職員一同、大変喜んでおります✨

総代はKONANライブラリサーティフィケイト1級認定者の島村大地さんが務めました👏



1級認定者は一人ずつ感想や頑張ったこと、周りのみなさまへの感謝など様々な思いを述べられていました。みなさん様々な思いを抱えて1級取得を成しえたのだと思います。本当によく頑張りました!

今年度で卒業される方は、KONANサーティフィケイトを通じて、なにか小さなことでも社会に役立ち、社会で生かせていけることを学べたでしょうか?
まだ在学中の方は、この頑張りを生かしていける”なにか”を掴めたでしょうか?
みなさんの能力はまさに無限大です。どうかこれからもみなさんの無限大の世界に役立つことを願っています。

各級すべての認定者のみなさま、本当におめでとうございます!

スティーヴン・ウルフラム著 『ChatGPTの頭の中』

 

 

知能情報学部 4年生 Yさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : ChatGPTの頭の中
著者 : スティーヴン・ウルフラム著 ; 高橋聡訳

出版社:早川書房
出版年:2023

2025年現在、かなり多くの人が一度はChat GPTを使用したことがあるのではないだろうか。Chat GPTはまるで人間のように内容をまとめ、質問に対して返答する。私も、プログラムのエラーが出た時によく使用している。人間だとエラーの発見・修正に数分はかかるものが、Chat GPTなら僅か数秒でエラーを発見し修正案まで提案してくれるため、非常に重宝している。Chat GPTを使用するなかで、どのようにChat GPTが動いているか気になる人も多いはずだ。

本書のはじめでは、Chat GPTはニューラルネットワークという概念が基になっていることが示される。ニューラルネットワークとは、人間の脳が非常に多くの神経細胞が複雑な網状に結合されていることに着想を得て考案された。

次に、Chat GPTが確率に基づいて次の単語を選んでいることが示される。その確率がどのように計算されているかを、数字の認識や画像認識、単語の意味空間の例を用いて解説している。

本書の中盤では、以上の事柄を踏まえて、Chat GPTの内部でどのような処理が行われているのか、どのように訓練されているかが示される。しかし、機能の実態はまだ解明されていない部分も多い。

最後に、Chat GPTが人間のように文章を出力できることを受けて、人間の思考の過程にどのような根本的な特性と原理が存在するかを示す手掛かりになる可能性があることが示される。

本書では、Chat GPTがどのように動作しているかを、機械学習の例や図を用いて丁寧に解説している。また、Chat GPTが人間の脳を参考にしており、人間の思考の過程とどのような関係にあるか興味深い点である。機械学習や画像認識との関わりの深い内容であるので、知能情報学部の学生にはぜひ読んでいただきたい。

岸見一郎, 古賀史健著 『嫌われる勇気』

 

 

知能情報学部 4年生 Kさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 嫌われる勇気
著者 : 岸見一郎, 古賀史健

出版社:ダイヤモンド社
出版年:2013

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」。もしあなたが今、友人との関係や周囲からの評価、あるいは漠然とした将来への不安を抱えているとしたら、この言葉はあまりにも断定的で、少し乱暴に聞こえるかもしれない。しかし、岸見一郎と古賀史健による『嫌われる勇気』は、そんな私たちの常識を根底から覆し、世界の見え方を一変させる力を持った「劇薬」のような一冊である。

本書は、フロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」の一人、アルフレッド・アドラーの思想を解説した哲学書だ。しかし、決して堅苦しい専門書ではない。本書の最大の特徴は、悩める「青年」と、アドラー心理学を修めた「哲人」による対話形式で進む点にある。自分に自信が持てず、世界を複雑で生きにくい場所だと嘆く青年は、まさに読者である私たちの代弁者だ。彼が哲人の語る理想論に猛反発し、食ってかかることで議論は深まり、私たちは哲人の言葉を単なる知識としてではなく、自分事として受け止めることができる。

本書の中で特に衝撃的なのは、「トラウマの否定」だろう。私たちはしばしば、「今の自分がうまくいかないのは、過去のあの出来事のせいだ」と考えがちだ。しかしアドラー心理学はこれを明確に否定する。人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、今の自分が定めた「目的」に沿って生きているのだ、と。つまり、変われないのは過去のせいではなく、自分自身が「変わらないこと」を選んでいるからだという指摘は、残酷なまでに厳しい。だが同時にそれは、「私たちはいつでも、今のこの瞬間から変わることができる」という力強い希望のメッセージでもある。

そして、タイトルの『嫌われる勇気』という言葉の真意は、「課題の分離」という考え方に集約される。他者が自分をどう思うかは他者の課題であり、自分にはコントロールできない。それにもかかわらず、承認欲求に縛られ、他者の期待を満たすために生きることは、自分の人生を他人任せにすることに他ならない。誰かに嫌われるということは、あなたがあなたらしく自由に生きている証であり、対人関係のカードを自分自身の手に取り戻すための代償なのだ。

読み終えた後、あなたの目には、今までと同じ景色がまったく違った色合いで見えるようになっているだろう。この本は、読むだけで痛みが消える優しい鎮痛剤ではない。むしろ、今の自分を直視させられる苦い薬だ。しかし、もしあなたが「今のままではいけない」と少しでも感じているのなら、この本は間違いなく、新しい人生の扉を開くための鍵となるはずだ。世界はシンプルであり、人生はどこまでもシンプルである。その事実に気づくための勇気を、ぜひ本書から受け取ってほしい。

吉野源三郎著 『君たちはどう生きるか』

 

 

知能情報学部 4年生 Kさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 君たちはどう生きるか
著者 : 吉野源三郎

出版社:新潮社
出版年:1937

時代が移ろい、社会の仕組みがどれほど複雑になっても、私たちが直面する根源的な問いは変わらないのかもしれない。吉野源三郎が著した『君たちはどう生きるか』は、一九三七年の出版から八十年以上が経過した今もなお、多くの読者に「人間としてあるべき姿」を問い続けている名著である。近年、漫画化や映画の題材となったことで再び脚光を浴びたが、その真価はブームを超えた普遍性にある。

物語の主人公は、十五歳の中学生「コペル君」こと本田潤一だ。彼は学校生活や友人関係の中で直面する様々な出来事について、信頼する「叔父さん」と対話を重ねていく。貧困、いじめ、勇気、そして社会における個人の役割。コペル君が日常で感じた素朴な疑問に対し、叔父さんは「ノート」を通じて、それらをより広い視点、あるいは歴史的・哲学的な視点から解説していく。読者はコペル君と共に悩み、叔父さんの言葉によって、自分中心だった視界が「世界という大きな流れの中の一分子」としての視点へと開かれていく体験をすることになる。

本書の白眉は、単なる道徳の教科書にとどまらないリアリズムにある。特に物語の後半、コペル君が犯してしまう「ある過ち」と、その後の苦悩の描写は圧巻だ。彼は友人たちと「絶対に裏切らない」と約束したにもかかわらず、恐怖に負けて保身に走り、仲間を見捨ててしまう。 ここで描かれるのは、正義を語ることの容易さと、それを貫くことの困難さだ。自己嫌悪に押しつぶされ、熱を出して寝込むコペル君に対し、叔父さんは「後悔することの痛み」こそが、人間が正しくあろうとしている証拠だと説く。この場面は、きれいごとだけでは済まされない人生の苦味を肯定し、失敗から立ち上がる方法を私たちに教えてくれる。自分の弱さを直視した時こそ、人は本当の意味で成長できるのだと。

タイトルである『君たちはどう生きるか』という言葉は、命令形ではなく、常に私たちへの「問い」として投げかけられている。正解のない社会の中で、私たちは自分の頭で考え、決定し、その結果を引き受けなければならない。 読み終えた瞬間、この問いは本の中から飛び出し、読者自身の胸に深く突き刺さるだろう。まだ何者でもない学生の今だからこそ、コペル君と共に悩み、自分なりの答えを探す旅に出てほしい。これは、生涯を通じて何度も読み返したくなる、魂の羅針盤のような一冊である。