ポートアイランドキャンパス図書室にて図書委員がPOP展示を行っています

〔フロンティアサイエンス学部〕
ポートアイランドキャンパスにあるフロンティアサイエンス学部(FIRST)では、学生が「図書」「キャリア」「生協」「レクリエーション」「広報」の各委員会を作ってさまざまな活動をしています。
今回、そのなかの図書委員さんがPOPを作って図書の紹介をしてくれました。
写真はポートアイランドキャンパスの図書室で展示しているPOPです。


(写真左の列を上から)『楽園の烏』(阿部智里)、『君は月夜に光り輝く』(佐野徹夜)、『アリス殺し』(小林泰三)
(写真中央の列を上から)『あるかしら書店』(ヨシタケシンスケ)、『オルタネート』(加藤シゲアキ)
(写真右の列を上から)『研究室で役立つ 有機化学反応の実験テクニック』(J. Leonard、 G. Procter、B. Lygo)、『独学大全』(読書猿)
POPは手書きあり、パソコン打ちあり、イラストあり、思わず本を手に取ってしまうぐらいPOPの文章も上手で、「えっ、みんな本屋さんでバイトしたことあるん?」と思うぐらいすばらしいPOPが集まりました。理系学部らしく理科ど真ん中の本もあれば小説もあり、選書のバランスもすごくよい。美術が大の苦手で文系出身の身からすると、イラストが描けて理系の知識もあって文章が上手とは、なんと頼もしい学生さんだろう!と誇りに思いました。
フロンティアサイエンス学部の図書室は、事務室の開室時間内(平日9~18時、土曜日9~13時)であれば学外の方にもご案内できますので、ぜひ一度ポートアイランドキャンパスに足をお運びいただき、学生さんの力作をご覧ください。
(ポートアイランドキャンパス事務室 山本 樹)

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遠隔地キャンパスへの訪問には、必ず学生証を持って行ってくださいね!
本は取り寄せもできます。

図書館学課程(司書) 國松 完二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、図書館学課程(司書) 國松 完二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書課程の先生でいらっしゃる國松完二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、何ですか?

一冊目は、『天使のいざこざ』(ラングストン・ヒューズ著,木島始訳,晶文社)です。ラングストン・ヒューズはよく知られている黒人の詩人です。ラングストン・ヒューズは、社会で恵まれずに生きている人の気持ちを黒人の視点から詠っています。私はこの本を読むことで、本を好きになり、より読書に励むようになりました。

二冊目は、『坂口安吾 風と光と戦争と』(文藝別冊 KAWADE夢ムック 河出書房新社編)を紹介します。作品としては『堕落論』や『桜の森の満開の下』がよく知られており、若いころには、ほとんどの作品を読みましたが、この本は、三島由紀夫や中上健次など、時代時代の代表的作家の安吾に関する評論等が収録され、安吾が世の中をいかに批判的に見ていたかが、理解できる1冊です。

 

②先生の本を読む頻度は、どうですか?

若い時で多い時だと1ヶ月50冊読んでいました。今は、仕事の関係の本を読むことが多いので、せいぜい週に1冊程度ですね。

 

③先生が大学生におすすめしたい本はありますか?

移動図書館ひまわり号』(前川恒雄,夏葉社)です。大学生、特に司書課程で学んでいる人に読んでほしい本です。著者が東京の日野市立図書館で仕事をされていた時の話をまとめられたものです。私は、この本を読んで相手(図書館の利用者)が何を探しているのか考えるきっかけになりました。図書館利用者が求めているのは何か、図書館サービスの方法を考えたり、また、図書館で働くための人間関係についても学びました。

ちなみにこの本は、一回絶版になったものが復刻されたものです。初版は大手の出版社から発行されましたが、ひとり出版社のひとつである夏葉社の社長さんが、この本に感動して復刻された本です。
ひとり出版社は最近全国で多数創業されていますが、本当に世の中に出したい、読んでほしい作品だけを出版していく考え方、姿勢が好きですね。ひとり出版社の本は、おすすめです。

 

④國松完二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

偶然性を大切にしてほしいです。本の背中を見て、探すのは楽しいです。世界が広がった感覚は、楽しいですよ。

 

⑤司書の資格を取るか悩んでいる大学生に向けて、司書の魅力を教えてください。

司書は、情報分析力を手に入れることができると思います。図書館にある本を評価することにより、今、よく言われているデータサイエンス力も養えることができます。また、司書は、サービス分析力を手に入れることもできると思います。相手の伝えたいことを探るために、住民とどのようにコミュニケーションするかを考えることで、サービス分析力を育てることができると思います。

 

⑥司書をしていて良かったと感じたことは、なんですか?

私は滋賀県の図書館で働いていました。私が就職したころ、滋賀県には公共図書館がほとんどありませんでした。そんな状況から市や町にひとつずつ図書館が作られていくことをサポートできたことが思い出です。図書館の中だけで仕事をするだけでは味わえない感覚でした。

 

⑦先生オリジナルの本の楽しみ方はありますか?

日本の本は海外に比べると本のつくり方がとても綺麗だと思います。日本は帯、カバーのデザイン、しおりのつくり等が丁寧ですよ。本は、文字の集まりだけではなく、帯、カバー、しおりも含めた一つの作品だと思います。私は、電子書籍も読みますし、電子書籍もっと普及すると思いますが、その一方で、紙の書籍でしか味わえない、日本の丁寧につくられた本は、好きですし、読み続けたいと思います。

 

先生、インタビューありがとうございます。

 

【インタビューを終えて感想】

最後の⑦の回答で、本は、一つの作品だというところが印象に残りました。私は、日本で出版された本しか読んでこなかったので、当たり前だと思っていたけど、丁寧に作られた一つの作品だと思いました。私は、ニュースで日本の絵本が海外でも人気だということを聞いたことがあります。それだけ、日本の本は、世界において価値が高いものだと思いました。また、これから本を探すときに、ひとり出版社の本も視野に入れようと思いました。授業の空きコマや、電車に乗るまでのちょっとした時間には、甲南大学図書館や、岡本駅前の本屋さんに寄ってみようと思いました。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん

エントランス展示「灘五郷」

 10月4日から、図書館エントランスにて「灘五郷」をテーマに展示中です。
 灘五郷酒造組合様にもご協力もいただき、HPに掲載されている「灘五郷絵図」も大きく展示させていただきました。
 11月末頃まで 展示する予定です。ご高覧ください。

 灘五郷は、神戸市東部から西宮市にかけた5つの地域、西郷、御影郷、魚崎郷(以上神戸市)、西宮郷、今津郷(以上西宮市)からなる日本一の清酒生産地域です。

 展示している本や和古書は、甲南大学図書館が所蔵しているコレクション「金正宗文庫」のものです。
 「金正宗文庫」 は、魚崎郷の酒蔵・松尾仁兵衛商店(まつおにへえしょうてん)から、甲南大学に寄贈された和書・和古書のコレクションです。文庫名「金正宗」は、松尾仁兵衛商店が製造していた清酒の銘柄から採りました。当時の”松尾仁兵衛 “さんが、本学のご卒業生というご縁でお譲りいただきました。
 松尾家の遠祖は、お酒の神様を祭る京都の松尾大社の社人・松尾重尊とされ、戦乱を避けて魚崎に縁づいたと伝わっています。魚崎の松尾家も神道に篤く、魚崎郷の氏神「魚崎八幡宮神社」は、松尾仁兵衛商店が土地を寄進し、蔵に隣接して建立されました。「金正宗文庫」にも、神道や国学に関するものが多く収蔵されています。

文学部 田中 雅史先生へのインタビュー

文学部4生 Sさんが、文学部 田中 雅史先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q.  本はよく読まれますか。

A.学生の発表題材、論文の参考文献、趣味の本など様々読んでいます。学生時代は月30冊ほど読んでいました。古本屋で本を買って、両手にたくさん持ってそのまま喫茶店へ行っていました。下宿先も本でいっぱいで、まるで地層のようでした。

 

Q. これまで本を読んできた中で印象に残った本はありますか。

A. 大学時代に読んだ『迷宮と神話』(1996,カール・ケレーニイ著,種村季弘,藤川芳朗訳,弘文堂)です。迷宮が人間の心理のようなもので、通過儀礼(イニシエーション)、つまり古い自分を捨てて、新しい自分になることが印象的でした。本ではギリシャ神話の通過儀礼が紹介されていますが、今ではバンジージャンプという遊びに変わっていますね(笑)

 

Q.ゼミでは村上春樹の作品を多く読んできました。村上春樹との出会いはどのようなものだったのでしょうか。

A. 大学時代は、名前は知っていてお洒落で軽い文学だというイメージはあったのですが、甲南大学に赴任してきてたまたま『ねじまき鳥クロニクル』(1997,村上春樹,新潮文庫)を見つけました。研究していた、前エディプス期と似通う所があったのがきっかけです。

 

Q. 読書の魅力は何だと思われますか。

A. 年齢によって変わってきます。小さい頃は、現実からちょっと離れて息抜きできる点です。おやつを食べながら、児童書を読んでいた時間が好きで、『ふしぎな虫たちの国』(1975,シーラ・ムーン作,山本俊子訳,冨山房)がお気に入りでした。

 大学時代は、今まで読んできたものには意味があって、現実に繋がっているものとして見直せた点。現在は、没頭して異世界に触れられる点。異世界と言っても、現実から逃避するのではなく、現実を楽しむために異世界に入ることが大事だと思っています。

 

Q. 田中先生が学生におすすめする本があれば、教えてください。.

A. 最近執筆した『ナルシシズムの力―村上春樹からまどマギまでー』(2023,田中雅史,新典社)です。あとは十二国記ですかね。授業では扱いますが、『月の影 影の海』(2012,小野不由美,新潮文庫)『魔性の子』(2012,小野不由美,新潮文庫)がお薦めです。

 

感想:学生時代の古本屋で本を買い、そのまま喫茶店に入って読む習慣がお洒落だと感じました。本の世界の主人公が異世界に迷い込み、抜け出して成長するというテーマはとても興味深かったです。人でも、本を読んだ後は、読む前より視野が広がる感じがして、似ている気がしました。

(インタビュアー: 文学部4生 Sさん

田中雅史(文学部)『ナルシシズムの力 : 村上春樹からまどマギまで』

 

 

<教員自著紹介>

この本では、文学やアニメ・マンガにみられるナルシシズムについて、村上春樹、小野不由美の十二国記、ジブリアニメ、さらにはまどマギ、カイジなど比較的最近の話題作まで取り上げて考察します。

こうした作品には、喪失感・全能感などの心理が描かれていますが、それらは幼児期のナルシシズムと比較することで深く読み解くことができます。

ぜひ読んでみてください。

ナルシシズムの力 : 村上春樹からまどマギまで 』
■ 田中雅史著, 東京 : 新典社 , 2023.8

■ 請求記号 910.265//2010
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属  田中雅史(文学部)

[藤棚ONLINE]知能情報学部・田中雅博先生コラム「本学図書館の入館システムを作りました」

図書館報『藤棚ONLINE』
知能情報学部・田中雅博先生コラム「本学図書館の入館システムを作りました」

 図書館入り口の入館の際に、通常のカードタッチの横に別のカードリーダーが設置されていて、「それもタッチしてください」という表示が、3月頃から7月末まで続きました。入館される皆さんは、よくわからないけど何か面倒だなと思っていたのではないかと思います。
 8月以後、扉を常時開放状態にする、新しい入館システムに変更になりました。現在は、旧システムを停止させ、ゲートは常にオープンな図書館になっています!

 入館時にはゲートの上に設置してあるカードリーダーにIDカードをタッチしていただき、そのまま通過してください。カードを読み取れれば読み取り成功音が出されます。カードから個人IDを読み取り、それに従って3つのメッセージ、すなわち(1)図書館からの一律のメッセージ、(2)学部ごとのメッセージ、(3)個人ごとのメッセージ(ない場合は、ここにも別の一律メッセージ)がカードタッチ後、一定時間表示されます。カウンターから呼び出しがある方は、音声メッセージも出ます。別のセンサーで通過確認をしており、通過時にも音がでます。一方、IDカードを使わずに入館した場合は、ブブーという音で警告のメッセージが出ます。また、入館ゲートから退館しようとした場合も同じく音が出ます。音と表示がいろいろ出るようになっていますから、よく確認してください。カードが別の大学のものであったり、期限切れ、再発行時に無効になったカードなどを検知したりしたときはエラー表示がなされます。同じカードを続けて読ませようとしたら、しばらく動作しませんので、注意してください(一度のタッチで複数回読み取る誤動作を避けるための措置ですので)。手作りですから、さらに今後、機能を追加したり、図書館システムと連携させたりすることも原理的には可能です。

 大学が業務として使うシステムを、教員あるいは学生を含む研究室が作るというのはあまり例がないかもしれませんが、実は大学は、大学が必要とするものを中の教員や学生らが作ってそれを実験してみるという格好の場だと思っています(本システムづくりには学生は参加していませんが)。

 私の研究室では、7~8年前から数年前頃、同じく図書館入り口にKoRo(コロ)という、ディスプレイとインタラクティブに手の動作で指示を出し、Leap Motionというセンサーでそれを読み取り、動画を自動選択して進行する図書館館内案内、さらに、入館者自動検知、ディープラーニングによる顔認証、スクレイピングによる電車の遅延情報提供や気象情報の提示と、季節や天候に基づく俳句の提示、体操判定、ロボット音声での返答をする図書館職員との音声通話など、多種多様な機能を盛り込んだロボットを作って置かせてもらっていました(KoRoのボディは和田先生が主体的に設計して作られたものです(現在は、13号館玄関にあります。「KoRo、どこに行ったのかな?」と思っている方、是非13号館に来てみてください。会えますよ!)。KoRoの場合は、図書館自身の必要性というよりも、無理を言って置かせてもらったという感じでしたが、その時も図書館にはご理解いただき、当方の研究室アクティビティは大いに高まりました。設置場所も動線の脇にあって、無視すれば何も気にしなくてよいものでした。それに比べれば、この入館システムは単機能で技術的にも特段の新規性はありませんが、これを使わなければ図書館には入館許可がおりないという、図書館が必要としている業務用のシステムであるという点がKoRoとは根本的に異なっています。大学は、このように、実験の場として、あるいは、さらに、業務への応用の場として利用が可能であることを示すことができました。

 振り返ってみるに、知能情報に限らず、それぞれの学部では、研究している内容が大学そのものに関係づけられるものもいろいろあると思います。大学そのものを研究・実験対象として利用することもできる「中規模」大学の良さを本システムの開発を通じて実感じました。

 なお、手作りですから、いろいろ粗もあると思います。何かお気づきのことがあれば、是非知らせてください。可能な範囲で改良を続けていきたいと思います。