文学部 佐伯 暁子先生へのインタビュー

文学部  3年生  友江 輝人さんが、文学部 佐伯  暁子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q . 本を読むのは好きですか。

A .  好きです。小説を読むのも好きですが、最近は論文を読むことが多いです。

 

Q . どんな本を読まれることが多いですか。

A .  日本語学関係の論文や、感動する小説を読みます。

 

Q .  どういった時に本を読まれますか。

A .  通勤の際には小説を読み、研究室や自宅では論文を読みます。

 

Q .  日本語学に興味を持ったきっかけを教えて下さい。

A .  大学生の頃に日本語学の入門講義を受け、一番身近な日本語の世界にこんなに色んな世界があるんだと驚いたため。

 

Q .  日本語の魅力について。

A .  細やかで繊細な表現ができるところ。

敬語に代表されるウチとソトを意識した、上下関係だけではない気配りを感じることができる日本人らしさが言語にも表れているところ。

 

Q .  日本語学を学ぶにあたっておすすめの本はありますか。

A .  荻野綱男『現代日本語学入門 改訂版』(明治書院)

 

Q .  好きな作家や作品について教えて下さい。

A .  原田マハ『本日は、お日柄もよく』(徳間書店)

 

Q .  先生の考える読書について。

A .  視野が広がるもの。大学での学びの醍醐味は、人とディスカッションをして他者の考え方・見方を知ることだと思うのですが、そのためには、まずは自分一人で考えをよく練った上での思考があり、それをみんなの前で発表し、他者の意見を知ることで深まっていくものだと思います。そのための土台を育てる上で読書は大事だと思います。それは、社会に出てからどんな世界でも必要となるものだから、自分なりに考えを持ち視野を広げる力を養うのも読書かなと思います。

 

─インタビューを終えて。

お忙しい中、気さくに対応して頂きました。

先生が日本語学に興味を持たれた理由や、先生の考える日本語の魅力についてもお伺いすることができて、僕自身とても興味深く、とても良い時間を過ごさせて頂きました。

先生の読書に対する考えは、社会に生きる全ての人がいつまでも大切にすべき考え方だと思いました。僕も学びを深め視野を広げる土台を養っていくために、これからも読書に励んでいこうと思います。

 

<佐伯  暁子先生おすすめの本>

原田マハ 著   『本日は、お日柄もよく』徳間書店 , 2013年

(インタビュアー:文学部  3年  友江 輝人   )

 

後期授業期間中の図書館のご利用について

9月25日から10月末までは、短縮開館となっています。
11月以降の開館については、10月中旬に決定する予定です。
 
【開館時間】
 平日 9時~18時
 土曜 9時~13時
※オンライン授業を受講する場合は、地階閲覧席は8時45分から利用可能です。(10月15日までの予定)
 
サイバーライブラリの開室時間も同じです。(日曜・祝日は休室)
 
【同時利用人数】
図書館:100名 サイバーライブラリ:60名
※番号札(吊下げ)を取って入館してください。
※番号札は、館内滞在中は首にかけ、退館時に返却ください。
 
番号札は入館ゲートを入ったところに、写真のように設置しています。
短時間のご利用であっても、必ず一人一枚取ってください。
 
同時入館数は、窓を開けない状態での空調の能力を元に計算しました。
雨の日以外は、適宜閲覧席の窓を開けていただいても構いませんが、離席する際には必ず閉めてください。
 

 
入館にあたっては、「新しい生活様式」
 ①マスクをつける
 ②手を洗う
 ③番号札をとる
のご協力をお願いいたします。
※本の返却は、入口外側(右手)の図書返却口(ポスト)をご利用ください。
 
【館内でのオンライン授業の受講について】
図書館内でのオンライン授業を受講は、地階閲覧席・共同学習エリアをご利用ください。
図書館以外では、サイバーライブラリ、iCommons、813講義室でも受講できます。
※地階では声を出していただいても構いませんが、お互いの機器が干渉しないよう、マイク付きイヤホンを使用してください。
 
1階カウンター、サイバーライブラリでノートPCを貸し出していますが、台数には限りがあります。できるだけ自分の機器を持参してください。
イヤホンは貸し出しできません。忘れた場合は、生協等で購入してください。
 
学内Wi-Fiの利用方法は、こちらです。接続には5~10分ほど時間がかかります。
 
★機器の故障などでオンライン授業に利用できる端末がどうしても確保できない場合は、図書館2階ヘルプデスクか、サイバーライブラリにご相談ください。
 
★地階の他に、2階閲覧室東側に仮設でPC用電源を増設しています。
静かに学習したい方は、1階・2階閲覧席をご利用ください。
 
図書館の利用について不明なこと、不安なことがある場合は、図書館ホームページのお問合せフォームからご連絡ください。

[藤棚ONLINE]経営学部・久保田秀樹先生推薦『「いき」の構造』

図書館報『藤棚ONLINE』
経営学部・久保田秀樹先生 推薦

 昭和18年、天野貞祐(旧制甲南高等学校第7代校長)の斡旋により、九鬼周造の蔵書を購入し、平成10年、図書館に「九鬼周造文庫室」が設けられました。「九鬼周造文庫」には、書籍だけでなく、『「いき」の構造』の草稿を含む直筆原稿や研究ノート、第一高等学校時代から留学時代までの講義録ノートも含まれ、2016年4月から『『甲南大学デジタルアーカイブ(Konan University Digital Archive )』で公開されています。デジタルアーカイブは、インターネットに接続された PC、タブレット、スマートフォンなどにより、 だれでも無料で利用することができます。 デジタルアーカイブは、甲南大学図書館ホームページからアクセスできます。

 九鬼周造とは、どういう人でしょうか。九鬼周造(1888-1941)は、東京帝国大学の哲学科に入学し、大学院に進んだ後、大正10年から約8年間、ヨーロッパに留学しました。この間、マルティン・ハイデガーなどから西洋哲学を学び、フランスの哲学者サルトルにハイデガーを教えたといいます。ハイデガーは、20世紀のヨーロッパ哲学における最も重要な哲学者の1人といわれています。九鬼周造は、帰国後、京都帝国大学で教鞭をとりました。

 『「いき」の構造』は、昭和5年に発行された九鬼周造の代表作です。岩波文庫に入っています。『「いき」の構造』では、「いき」の概念が西欧の語彙と参照された後、「いき」を規定する属性として「媚態」「意気」「諦め」が挙げられています。

 『ハイデガー選集』に手塚富雄訳「ことばについての対話」が所収されています。これは、1954年に独文学者の手塚富雄さんがハイデガーを訪れた時の会話をもとに書かれたものです。「ことばについての対話」は、九鬼周造の回想に始まって、九鬼による「いき」の分析についての問いかけがその内容です。

 対話において「問う人」として登場するハイデガーは、例えば、次のように語っています。

「問う人 われわれの対話は、学問的なものではありませんでした。特別の目的をもったディスカッションではありませんでした。大学でのゼミナールにおけるような学問的な討論の観を呈したときには、九鬼伯爵は沈黙していました。わたしのいった対話とは屈託のない遊戯のようなものとしてわたしたちの家で行われたのです。そこへ九鬼伯はおりおり夫人とともに見えました。そのとき夫人は壮麗な日本の正装をしておりました。東アジアの世界はそのために、いっそうはっきりと輝き出ました。そしてわれわれの対話の危険は一層明らかに、前面に現われ出ました。」

  「ことばについての対話」 も本学図書館に所蔵されています。また、9号館から図書館へ向かう道の途中の石段の脇に道標と日時計があります。これらは、九鬼周造の遺品です。通るとき、是非、目をとめてみてください。

オンライン学生選書を実施しました!

 まだまだコロナ禍が落ち着かないなか、例年夏に実施しているブックハンティングツアー(学生店頭選書)も中止せざるをえない状況です。
 そこで、KONANライブラリサーティフィケイトのエントリー学生を対象に、学生が読みたいと思う本を自由に選んでメールで申請してもらうオンライン選書を実施しました。
 学生たちも慣れないオンライン授業で大変なところ、何名かの学生が参加してくださいました。ご協力ありがとうございます!
 すでに所蔵している本などを調査し、最終的に発注したのは26冊となりました。10月上旬には図書館に配架される予定です。
 また実施することもあるかと思いますが、次回はもっとたくさんの人に参加してもらえるよう図書館も工夫したいと思います。
 学生の皆さんの積極的な活動を図書館も支援していきますので、これからもお互いコロナに負けず頑張りましょう!

→発注リストはこちら

国際言語文化センター 要木 佳美先生へのインタビュー

文学部  3年生  友江 輝人さんが、国際言語文化センター 要木 佳美先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q . 本を読むのは好きですか。

A . 好きです。

 

Q . どんな本を読まれることが多いですか。

A . 中国関係の本が多いです。

 

Q . どういった時に本を読まれますか。

A . いろいろなテーマで研究するときに読みます。

 

Q .中国語に興味を持ったきっかけを教えて下さい。中国・中国語の魅力について。

A . 中国を研究するために必要だからです。自分の知らない世界を知りたい。

中国は広大で、歴史も長く、スケールが大きい。中国語は文法がシンプルで学びやすい。

 

Q . 中国語を学ぶにあたっておすすめの本はありますか。

A . 『why ? にこたえるはじめての中国語の文法書』 (相原茂ほか・同学社)

 

Q . 好きな作家や作品について教えて下さい。

A . 中国古典文学では、杜甫、李白。中国古典小説では、『紅楼夢』(曹雪芹)、『聊斎志異』『三国志』『水滸伝』『西遊記』。中国近代文学では、『子夜』(茅盾)、『阿Q正伝』(魯迅)、『家』『寒夜』(巴金)、『駱駝の祥子』『四世同堂』(老舎)。近代西洋文学では、『谷間の百合』『従妹ベッド』(バルザック)、『桜の園』『三人姉妹』『ワーニャ伯父さん』(チェーホフ)、『ボバリー夫人』(フローベル)、『月と六ペンス』『人間の絆』(モーム)、『変身』『城』(カフカ)、『アンナカレーニナ』(トルストイ)、日本古典文学では、『源氏物語』(紫式部)。おすすめの一冊は、『戦争と平和』(トルストイ)です。

 

Q . 先生の考える読書について。

A . 実際の人生で体験することのできない時代や国の事を教えてくれます。

読書は想像力を育て、社会に出た後の人生の力になります。

 

─インタビューを終えて。

お忙しい中、優しく丁寧に対応して頂きました。

好きな作家や作品についてお伺いした所、こんなにも沢山紹介して下さったことから、先生の読書が好きな人柄が目に浮かびます。

好きな本を楽しんでたくさん読んでほしいと、そう述べる先生から「きっと人生の宝物になると思います。」という言葉を頂きました。

今回のインタビューで学んだことをこれからに生かしていきながら、楽しく読書に触れることを続けていきたいと思います。

 

<要木 佳美先生おすすめの本>

トルストイ 著  藤沼 貴(翻訳) 『戦争と平和』岩波書店 , 2006年

(インタビュアー:文学部  3年  友江 輝人   )

 

[藤棚ONLINE]経済学部・森 剛志先生推薦『革命前夜』

図書館報『藤棚ONLINE』
経済学部・森 剛志先生 推薦

監視国家での人間関係は2つ:密告するか、しないか

こんな小説があったのか。可憐にして重厚、しかもエンタメ感十分の内容の文章が体内に脈打ち流れてくる。読み終わってしばらくぼっと放心状態だ。昭和が終わったその年(1989年)、ピアニストを目指して1人の日本人青年眞山柊史(マヤマ・シュウジ)が東ベルリンに到着する。冷戦末期の東ドイツの雰囲気は、母国日本とは大違いだ。人が人を監視する社会。なぜ、一介の日本人留学生に最初から外務省職員が同伴するのか読み進めるうちにわかってくる。ここは監視社会なのだ。しかし、シュウジが志すピアニストの世界は、才能と人生をかけて世界中から集まった天才・鬼才ぞろいだ。息の詰まるような熾烈なピアニストの世界を堪能したかと思うと、時代は大きく音をたてて動き出す。自由を奪われた東ドイツの若者たちが抗議活動を起こしだす。その中には、圧倒的な美貌と美しい演奏を奏でるクリスタもいる。シュウジも否が応でも、この時代のうねりの中に巻き込まれていく。そして、ついにその時がくる。ベルリンの壁崩壊。決して過去の出来事ではない。いま、なぜ香港の若者が熱くなっているのか。日本にいながらでも、今の時とその時を重ね合わせながら読み進めることができる青春エンタテイメントだ。