多読チャレンジ 50冊達成者がでました!

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
畑田亜美さん
文学部歴史文化学科 1年次生


 2020年1月6日に多読チャレンジ50冊を達成されました。
 過去に多読はやったことがなく、初めての多読チャレンジでしたが、小学生の頃に好きだった『Rainbow magic』シリーズを中心に読み進め、見事に50冊を達成されました。
 本を選ぶ際は、知っている本や懐かしい本、または表紙に興味が沸いた本やレビューを参考にしたそうです。
 多読チャレンジだけでなく、ライブラリサーティフィケイトにも挑戦し、図書館や司書にも興味がありますとお話しされました。
 以下は、ご本人のアンケートによるものです。

○『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。

ーー小学生の頃に好きだったシリーズがあり、それだけで殆ど終わってしまった。

○『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

ーー受験期より落ちていた読む速度が少し戻った気がする。

○現在チャレンジ中の『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。

ーー探してみると知っているものが意外と多くあるので、そういうものや物語の方が楽しく読めると思います。

[藤棚ONLINE] フロンティアサイエンス学部・三好大輔 先生推薦『La La Land』(たまにはミュージカルも)

図書館報『藤棚ONLINE』
三好大輔 先生(フロンティアサイエンス学部) 推薦

La La Land
デイミアン・チャゼル監督・脚本
ライアン・ゴズリング, エマ・ストーン[出演]

 このブログコーナーは教員がおすすめの書籍を紹介するのですが、年末に見た映画を紹介します。もちろん図書館で視聴できますよ。
 2016年に公開された米国のミュージカル映画です。ジャズピアニストの男性と女優のドラマです。二人は夢と現実との乖離に悩み、逃げ、妥協します。でも最終的にお互いの夢を叶えます。ハッピーエンドとは言えないのですが。
 恥ずかしながら映画も音楽もよくわかりません。しかし、とても印象に残る点がありました。
 一つ目は人と違うことを恐れないこと。周りに流されることなく自分を貫いてください。
 二つ目は夢をあきらめないこと。夢を叶えるには何歳でも遅くありません。皆さんは若いです。これから何でもできます。
 三つ目は大切な人に出会うこと。自分よりもその人の幸せを願えるような人です。その人のためなら自分のためよりも頑張れるような人に出会えたら人生無敵です。
 こんなおじさんでも「よし頑張るぞ!」と思えました。皆さんもこの映画とともに素晴らしい2020年をはじめませんか?

ジョシュア・ハマー著 梶山あゆみ訳 『アルカイダから古文書を守った図書館員』

 

知能情報学部 3年生 藤澤 舞さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名: アルカイダから古文書を守った図書館員
著者: ジョシュア・ハマー著   梶山あゆみ訳
出版社:紀伊國屋書店
出版年:2017年

みなさんはアルカイダと聞いて何を思い浮かべますか?私はこの本のタイトルをみてアメリカ同時多発テロ事件のビンラディンを想像しました。

この本ではアフリカのマリ共和国の都市、トンブクトゥが舞台です。主人公はここで暮らす一人の図書館員、アブデル・カデル・ハイダラです。その当時アルカイダは近代化と合理性を憎んでいた、つまり科学と宗教が共存する世界を理想とする古文書は迫害されるだろうということに彼は気づきます。彼がそれらを命がけで守るというノンフィクションです。同時に私は、これは38万冊の古文書の旅の話でもあると思います。トンブクトゥでは古くからイスラム文化が根付き、世界的な学問都市として多くの学者が住んでいた歴史があります。この中で貴重な古文書は作られたのです。そして大部分はハイダラによって図書館に収められています。この道のりがどれほど険しかったのかは読んでのお楽しみです!

また、私はアルカイダについて詳しく学びました。私はそれまでイスラム=危ない思想、暴力的というイメージを持っていました。でも、寛容で開かれたイスラムもあるとこの本で知りました。サハラ砂漠で「砂漠のフェスティバル」を行うなど音楽が盛んな一面をもっています。また、トンブクトゥは活気あふれる観光都市です。イスラム教が暴力的ではなく「イスラムの純化」を目指したアルカイダのテロリストたちの思想が暴力的なのだと知りました。

この本では主人公ハイダラの生い立ちと並行してアルカイダの興隆が描かれています。指導者=ビンラディンではないことや一言では語れないほど複雑な当時の社会情勢を学びました。アルカイダの残虐な行為がエスカレートする中、ハイダラが古文書を避難させるくだりは切迫した空気で手に汗握りながら読みました。

私は、この本はすべての読書好きは必ず読むべき本だと思います。本を読むことで多くの知識を身につけられると実感したからです。みなさんも未知の世界に飛び込んでみませんか?

2020年はねずみ年!

 もう今年も終わりですね。大学生の皆さんは後期試験を控え、あるいはレポートや卒論で大変でしょうが、手洗いうがいを忘れずインフルエンザには注意して過ごしてもらいたいところです。
 さて、来年はねずみ年ということで、十二支が一巡します。
 そこで図書館でも暦や十二支に関する展示を行っています。

 太陰暦や太陽暦、日本の時刻制度など、読みやすくまとめていますので、ぜひ
一度 ご覧ください。
 かわいい十二支たちがわちゃわちゃしつつお待ちしております!

[藤棚ONLINE] マネジメント創造学部・杉本喜美子先生推薦本『君たちに明日はない』・『水鏡推理』・『貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する』

図書館報『藤棚ONLINE』
杉本喜美子 先生(マネジメント創造学部) 推薦

 3回生の就活シーズンが始まった。自己PRや志望動機を書いたのでコメントを頂けませんか?という相談であふれる季節である。ゼミや講義で接点を持ってはいても「時間の共有」の点で圧倒的に足りていない相手に、適切なコメントができるほど人間はできていない。さらに言えば、自分自身の働くことに対する姿勢が正しいと、自信の持てることは何一つない。だからこそ、皆さんがこれからの行き先を悩んだ時、今から挙げる本が、何かしら参考になればと期待を込め、私のすべき仕事を作者陣に任せてしまおう!
 垣根涼介の『君たちに明日はない』シリーズは、会社をリストラされる人々の面接官が主人公である。リストラの経緯を通して、様々な業界/職種の人々がどんな姿勢で仕事に向かい合っていたか、そして向かい合っていくかを描いた小説で、各業界/職種の苦労と楽しみが理解できると思う。読んだのは何年も前だが、未だ印象に残っているのが、主人公自身が最初にリストラを宣告される場面である。リストラの理由は「いただく給料をわずかに超えるパフォーマンスしか常に出していないから」であった。逆に言えば、自分が働くことで会社に与える利益がいくらかを緻密に計算できているわけだ。全力で仕事をしていた自分は、単に自信と冷静さに欠けていただけだな、若くてあほだな!と反省したことを覚えている。もちろん、わずかでなく最大のパフォーマンスを出すことが職場の雰囲気をよくすることもあるだろう。だが、その計算のもとで働く人間もいること、その計算の中で自分はどのくらいの価値を持つのかということをきちんと知ろうとすることこそ大事だと思う。
 『万能鑑定士Qの事件簿』で知られる松岡圭祐の『水鏡推理』シリーズは、論理的思考力と熱意にあふれた文科省ヒラ職員が主人公で、総合職である国家公務員やその道の権力者たちの不正を暴いていく。それぞれの仕事における“優秀さ”とは何かを考えさせられる小説だ。正規/非正規や職位など、立場の違いで発生する給料の違いが、その人自身のパフォーマンスとリンクしていないことの理不尽さを改めて実感させられる。自分自身も人から見ても“あなたがそこにいていいよ”と納得できる仕事に出会えるのは、奇跡なんだろうか?
 最後は、私の教える国際経済学の分野から一つだけご紹介。ダニ・ロドリックの『貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する』(もちろん訳本でお試しください。翻訳上手!)。この本の内容は読んでください。まとめるには長すぎる。ダニ・ロドリックの論文は常々、自分の研究のために読むことが多いが、ほかの論文と違い「今、世の中で何が問題か?」ということに真摯に向き合い、そのhot issuesをできる限り直ぐに(他の方に先駆けて)解決したいとはやる気持ちが伝わってくる経済学者だ。よって、ボーっと目をつむっていただけで、世の中の問題はすべて先に解決されちゃうんじゃないか、私の手を出す場所は何もなくなるんじゃないかという不安を呼び起こす。だからこそ、論文でなくこういう著書を読むと、どんなふうにhot issuesを研究題材に変換していくのか、その経路を見せてもらえる気がする。研究者としての仕事を全うするうえで、こんな本の読み方もありますよ、というご提案。みなさんそれぞれに出会ったことのない同業の尊敬者を将来見つけるんじゃないだろうか。こういう本の読み方、10年後にどうぞ!

法学部 K先生へのインタビュー

法学部 2年生 Kさんが、法学部  K先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

・最近本は読まれますか

 最近では、本よりも論文を読むことのほうが多くなりました。しかし、電車の中で本を読む時間を作っています。読んでいる本としては、研究に直接的に関係はありませんが、経済分野の本も読んでいます。

・大学生時代にどのような本を読まれていましたか

大学1年生の頃は、宮部みゆきなど小説を主に楽しい本を読んでいました。しかし、2年生の頃に友人がよく新書などを読んでいたことがきっかけで、様々な本を読み始めました。その後は司法試験の勉強を行うため、本を読むことは少なくなってしまいました。

・法学の魅力を知ったきっかけはありますか。

 元々は、検察官になりたくて法学の道に進みました。検察官のOBの方にも会い、検察官というものに魅力を感じていました。その一方で、他の職種にもその職種なりの大切さを感じるようになり、進路に悩む場面もありました。2年生から司法試験の勉強を始め、大学院に合格をしました。大学院では何か法学の分野を研究したいという思いもなく、もどかしい気持ちでした。しかし、厳しい先生との出会いもあり、大学院時代に全力で学ぶことで法学の魅力を知ることができました。今考えると、大学生時代の進路についての迷いはある意味よかったのかもしれません。

・学生へのおすすめ本はありますか

 星野さんの『隣人訴訟と法の役割』や、河上先生の『民法入門』は実際にあった事件が具体的に書かれているため読みやすく、おすすめです。さらに上を目指す人には、田中さんの『法的思考とはどのようなものか』が法を深く学ぶことができ、おすすめです。また、歴史から法を学びたい人には、近代日本が法律を自ら作ることのできた背景を探る、内田さんの『法学の誕生』がおすすめです。

・今の学生へ一言ありますか

 若い人はどんどん知識を頭に入れることができます。また、知らなかった知識もすぐに頭に入れることができます。その時、直接役に立つわけではないとしても、若い間に、優れた著書を多く学んで欲しいですね。本を読む際、メモを残しながら読んでみてください。体が動かなければ、脳も動きません。本を読んでいる中で、考えるという作業を入れることをおすすめします。

・インタビューを行った感想

 一対一で長い間対話させて頂くことは、初めてのことであり、とても緊張しました。今回のインタビューを通じて、法学という学問の奥深さを改めて知ることができました。これからも本を読み、新しい知識を入れていきたいと思います。また、インタビューをさせて頂いたことについて、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

<K先生おすすめの本>