有川 浩『図書館戦争』

文学部 3年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト) 

図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) : 角川文庫(日本文学): 有川浩

書名:図書館戦争
著者:有川 浩
出版社:角川書店 
出版年:2011年

  この物語はシリーズ化されており,別冊2冊も含めて全部で6冊ある。今回はシリーズ全体の書評を書こうと思う。

 「メディア良化法」という法律が成立した仮想の時代を舞台に,メディア良化法と対立する力を持った図書隊という組織に属する主人公たちが活躍する物語である。

 映画化もしており非常に人気のシリーズであるが,私がこの物語にハマった理由は,「胸キュン」である。切迫した戦闘シーンがある一方で,主人公の笠原郁という女の子が健気に恋をしているシーンは思わずキュンとしてしまう。さらには,笠原が所属する特殊部隊内での絶妙な掛け合いも魅力である。掛け合いのシーンでクスッとし,戦闘シーンでドキドキハラハラし,恋の場面でキュンとする。このシリーズでは様々な楽しみが味わえるのである。

 個人的には一巻目の「図書館戦争」は設定のベースとなる基本情報の説明が多く,笠原の恋模様もあまり描かれないので,堅苦しい印象を受け,少々難しいと感じた。しかしその設定を理解した上で二巻,三巻と読み進めていくとどんどんおもしろくなっていく。なので,一巻目で諦めず,二巻目に手を出してほしい。ハマること間違いなしである。

 もちろん,映画化した方も見てほしい。若い女性向けだと思われがちだが,アクションシーンは本当に圧巻で見応えがあるし,コメディーシーンも笑えるため,幅広い世代に勧めたい作品である。