投稿者「図書館」のアーカイブ

岩井学(文学部)『D.H. Lawrence and ambivalence in the age of modernity』

■『 D.H. Lawrence and ambivalence in the age of modernity : rereading midlands novels and wartime writings in social and political contexts
Routledge , 2024.5
■ ISBN  978-1-0326-7566-4

■ 請求記号 930.278//4018
■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 岩井学(文学部)著

<自著紹介>
 D・H・ロレンスは今から約100年前のイギリスの作家です。西洋文明に対する痛烈な批判や過激な性描写で知られ、発禁処分も受けました。しかし一見ラディカルに見える彼のテクストにも、実は当時の保守的な言説が刻み込まれています。本書は、同時代の様々なテクストを参照しながら、ロレンスの作品が、反体制的な言説と反動的な言説がせめぎ合う、ダイナミックで“ambivalent”なテクストであることを論じました。

マネジメント創造学部 前田 正子先生へのインタビュー

マネジメント創造学部4生 塩谷 瑠緋さんが、マネジメント創造学部 前田 正子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

行動経済学の処方箋 : 働き方から日常生活の悩みまで
■  大竹文雄著, 東京 : 中央公論新社 , 2022.11

■ 請求記号 S081.6/2724/29
■ 配架場所  CUBEメディアセンター 教員コーナー・図書館1階 開架小型

 

 

Q.この本を勧めてくださった理由を教えてください。

この本は行動経済学について誰でもわかりやすいよう丁寧に書いてくれています。本来行動経済学というのは難しいものではなく、とても単純なことなのですが、学生の多くは行動経済学と聞くと難しいイメージを持ちがちです。しかし行動経済学は私たちの身の回りにも常に存在しています。ですから、この本を読むことによって経済学や行動経済学に対する苦手意識を払拭し、普段の講義や研究プロジェクトに役立てていただきたいと思い、勧めました。

 

Q.この本の面白いポイントは何でしょうか?

この本の一番面白いところは、行動経済学が扱う範囲が広がっているということを知ることができる点だと思います。今まで人間は合理的な行動をとる存在だとして行動経済学内にて定義づけられてきましたが、そうではないことが近年わかってきました。そして行動経済学の対象が人だけではなく、「人々がごみを捨てるにはどうすればいいか」など、日常の行動での問題も対象になってきました。

この本を読めば、どのようにすれば人間の行動や考え方が変わるのかというのを考えながら、行動経済学の扱う範囲が広がってきていることも感じることができると思います。

また、この本の著者である大竹先生は、緊急事態宣言時に政府のコロナ政策をどのようにして動かしていけばよいかを決める権限を持っていたんです。どうしてコロナの時に○○なことが起こったのか、なぜ大勢の人が○○な行動をとったのかということを調べていたそうです。つい一昨年に起こったことの裏側がわかるので、そこも面白いポイントですね。今後いろいろな仕事をしていくにおいて、すごく役に立つと思うから是非参考にしてみてください。

 

Q.最後に学生に向けて一言!

経済学とはなにか、行動経済学とは何かということを、誰でも簡単に学びながら読める本なので、ぜひ読んでみてください!

 

インタビュー後の感想

私は今まで経済学に対してあまり良いイメージを持っていませんでしたが、この教員インタビューを通して、経済学というのが身近に存在していて、正確な知識を身につけることによって社会に存在している様々な問題の解決につなげることができるということを学びました。実際に今回前田先生に紹介していただいた本を読んでみようと考えています。

 

(インタビュアー: マネジメント創造学部4生 塩谷 瑠緋さん

平井健介(経済学部)『日本統治下の台湾 : 開発・植民地主義・主体性 』

■『 日本統治下の台湾 : 開発・植民地主義・主体性  
名古屋大学出版会, 2024.6
■ ISBN  978 -4-8158-1158-7

■ 請求記号 332.224//2012

■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 平井健介(経済学部)著

<自著紹介>
 本書は、「日本植民地の経済成長は「日本のおかげ」であったのか」を問題関心として研究してきた私が、日本統治時代の台湾経済を概説した通史です。日本統治時代の台湾を概説する書籍は、これまでに何冊も刊行されていますが、それらは主に政治の視点から叙述されていました。しかし、植民地統治の最大の目的は、その資源を開発し利用することにありますから、経済の視点からも叙述される必要があります。1895~1945年の51年間、総督府はどのような動機から台湾を開発し、それは台湾社会にどのような影響をもたらしたのでしょうか。台湾の人びとは開発にどのように関わったのでしょうか。台湾の開発は日本以外の地域、特にアジアの経済とどのような関係にあったのでしょうか。本書はこうした問いに答えるために書かれた、経済面から叙述したものとしては初の概説書です。

【図書館より】
以下は紀伊国屋書店がBook Web Proで本書の刊行記念フェア を行った際に作成されたパンフレットです。
https://www.unp.or.jp/shared/img/1158_pamphlet.pdf
平井先生によるさらに詳しい本書の紹介と、「 日本統治下の台湾 」の理解度を高めるための本、台湾や経済史に関連する入門書など、さらに深く学べる本が紹介されています。
是非合わせてご確認ください。

中谷健太郎(文学部)『パソコンがあればできる! ことばの実験研究の方法 第2版 』

■『パソコンがあればできる! ことばの実験研究の方法 第2版-容認性調査、読文・産出実験からコーパスまで 
ひつじ書房 , 2024.5
■ ISBN  978-4-8234-1166-3
■ 請求記号 807//2164

■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 中谷健太郎(文学部)編

<自著紹介>
 近年、言語学における実験的・定量的アプローチの重要性はますます増しています。本書は、「ことばの実験研究に関心があるがやり方がわからない」という研究者、院生から学部生まで、広く読者として想定して、パソコンがあれば実行できる実験手法を紹介します。カバーされている手法は、容認性調査、自己ペース読文課題、語彙性判断課題、言語産出課題、日本語・英語コーパス、CHILDESコーパス検索法で、すべてウェブ上での実行が可能です。

貴重書整理作業を行いました(8月編)

 

ライブラリサーティフィケイト参加者のみなさんと一緒に貴重書の整理作業を行いました!

8月5日に2名、21日に1名が参加をしてくれました。
3名とも熱心に作業をしてくれたおかげで随分と作業が進みました✨

 

今回ご参加いただいたみなさんには貴重書の並び替えをお願いしました。
番号に従って本を並び替えていく非常に集中力と体力がいる作業です。

図書館スタッフも同じ作業を何回かしたことがありますが、いつもクタクタになってしまいます…
学生のみなさんはテキパキと本を見つけてくださり、圧倒的スピードで本を並び替えてくださいました!

 

 

きれいに並び替えをしてくれました!

 

 

 

 

 

あっという間に並べ替えの作業が終わってしまい、21日には追加で作業をお願いしました。

貴重書は〇〇文庫というように、分類分けがしてあります。
21日にはこの分類を分かるようにするための作業をお願いしました。

こちらもテキパキと作業をしてくださり、あっというまに終わってしまいました!さすがです👏✨

 

2日とも普段見れないものを見れて楽しかったです、貴重な経験ができました、とのうれしい感想をいただきました。

ご参加いただきありがとうございました!

司書教諭課程 廣田 千鶴子先生へのインタビュー

文学部3生 伊場田 扶弥さんが、司書教諭課程 廣田 千鶴子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

①読書の頻度はどのくらいですか?

趣味としての読書は、毎日の隙間時間によく読みます。また、一人で出かけた時の電車を待つ時間や移動時間、お店で注文を待つ時間というような隙間時間も読書の時間です。

 

②図書館や書店にはよく行かれますか?

よく行きます。最近、私の通勤経路に大阪市立の公共図書館が移転したので、よく覘いています。あとは、大阪市立中央図書館が地下鉄の駅上にあって、すごく利用しやすいです。図書館という静謐な「場」の雰囲気が好きですね。町の小さな本屋さんも行きますが、図書館の方を利用することが多いです。

 

③面白そうな本の見つけ方、手に取る決め手を教えてください。

やはり人が薦める本には価値があるのかなと思います。新聞の書評や好きな作家さんの書評を読んで、それを購入したり借りたりして読むようにしています。あとは読書好きな人からの口コミですね。「あなたは、こういう系統が好きだからこれが良いよ。」と薦めてもらう本を読むことも多いです。

 

④本の魅力とは何ですか?

ドキドキやワクワクといった豊かな時間を与えてくれることです。人間が一生の間に経験できることは限られています。でも、1冊の本を通して多種多様な世界を見て、数えきれないくらい沢山のことを経験し、考えさせてくれます。そういう豊かな時間が、私にとっての読書であり本の魅力かなと思います。

 

⑤先生のお気に入りの本を教えてください。

私は現実と異世界を行ったり来たりするようなファンタジー系が好きです。小野不由美さんの『十二国記』、上橋菜穂子さんの『鹿の王』や『守り人』シリーズなど、壮大なスケールのファンタジーがお気に入りです。

 

⑥学生におすすめしたい本はありますか?

山崎豊子さんの戦争三部作『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』をお薦めしようと思います。戦争によってもたらされた人々の苦悩や葛藤など、ぜひ読んで考える時間をもたれてはいかがでしょう。重みのある内容ですが、その重みと向き合うことはとても有意義なことだと思います。さらに自分の読んだ本について人と語り合う時間を持って、思考力や言語力により磨きをかけて欲しいです。互いの思いを否定せず考えを認め合うことが、自分の幅を広げてくれます。それが大学生の多様で多面的な読書の楽しみ方なのかなと思います。

 

【感想】

インタビューを通して、廣田先生の本の選び方が印象に残りました。私は口コミや書店で偶然見つけたものを読むことが多いので、書評を読んで選ぶということが新鮮に感じました。今後の本を選ぶ上での選択肢に入れようと思います。また、戦争ものの本は少し手が出しづらかったのですが、先生のお話を聞いて読もうと思いました。インタビューの中で、重い作品と向き合い考えることも大切だということに気付きました。貴重なお時間を頂き、有意義な時間を過ごすことが出来ました。廣田先生ありがとうございました。

 

(インタビュアー: 文学部3生 伊場田 扶弥さん