投稿者「図書館」のアーカイブ

川原礫著 『ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ』

 

 

知能情報学部 4年生 Sさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ
著者 : 川原礫

出版社:KADOKAWA
出版年:2016

本作は、ライトノベル作品のソードアートオンライン第7巻にあたるものですが、キリトとアスナという二人が過去にソードアートオンライン(以降SAO)という現実とゲームの死がリンクしているゲームの世界を無事クリアした後のお話ということさえ理解していれば読める内容となっています。

キリトとアスナはSAOクリア後に、SAOのシステムを用いてサービスしているアルヴヘイムオンライン(以降ALO)というゲームを楽しんでいました。そこで、「絶剣」と呼ばれる剣技において最強と呼ばれるプレイヤーの噂を耳にします。絶剣は何故か自分を楽しませてくれるような強いプレイヤーを求めていました。キリトとアスナは噂を聞いて現地に行き、絶剣と試合を行います。そしてアスナが絶剣に気に入られ仲間に入ってほしいとお願いされます。絶剣は可愛らしい少女のアバターをしており名前はユウキといいます。そしてユウキとパーティーを組みとある理由でボスの討伐に仲間だけで挑みたいと言いました。そこから、ユウキとアスナは仲を深めていき、ユウキの悲しき深層を知ることとなります。本作は、謎に包まれた省三ユウキとアスナの短い旅路のお話となります。

私は本作を読んで、ユウキの悲しい深層とアスナとのやり取りに心を打たれました。是非読んで頂きたい作品のため内容の多くは語りませんが、ALOはフルダイブVRというゲームの世界にそのまま入り込むことができる最先端のゲームです。この設定を上手く利用した物語であり、ユウキや仲間のボス討伐への執念などが上手く描写されています。

本作は、ソードアートオンラインの続編ということもあり、今までの章節全てを読んでいないと理解に苦しむ内容と想像できますが、前提をほんの少し知っているだけで読み進めることができる作品です。ソードアートオンラインという作品自体が短いスパンでお話が進む小説となっているため、ソードアートオンラインという作品に興味がある方にはぜひとも読んでもらいたい作品です。もちろん前作を読んでいた方がより理解が速く細かい感情の描写に気付くことができる作品でもあります。

本作は、ライトノベル作品に興味がある、ゲームの世界に興味があるといった方々には非常におすすめの作品であり、ソードアートオンラインという作品を読み進めていくキッカケになってくれる作品です。

川原礫著 『ソードアート・オンライン1 アインクラッド』

 

 

知能情報学部 4年生 Sさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : ソードアート・オンライン1 アインクラッド
著者 : 川原礫

出版社:KADOKAWA
出版年:2016

本作は、新作ゲームであるソードアートオンライン(以降SAO)の中で、ゲームの死と現実の死がリンクした状態でクリアを目指したライトノベル作品です。主人公であるキリトはSAOのテストプレイ経験者であり、テストプレイ期間の中で最もゲームを進めることができたプレイヤーです。SAOサービス開始と同時に、他のプレイヤーにレクチャーしたり懐かしんだりとオンラインゲームを楽しんでいました。しかし、サービス開始からしばらくした後にログアウトできないことが発覚し、プレイヤー全体が困惑している中、SAO開発者である茅場晶彦が一度の死で現実でも死ぬことを告げられます。キリトはテスト時の知識を活かし、他のプレイヤーよりもクリアまでの効率が良いクエストや狩場を回り、クリアを目指して一人で進めていきます。少し読み進めると1回目のボス戦までたどり着き、本作のヒロインであるアスナと共にボスの討伐に成功します。その際に、圧倒的な強さや知識による攻略から、他のプレイヤーからデスゲームにおいて反則であると批判を受け、ボスのドロップ品を纏い「黒の剣士」と呼ばれるようになります。キリトと他のプレイヤーとの関わりや、それに伴ったキリトの葛藤、そしてライトノベルゆえの主人公の無双感を味わえる作品となっています。また、本作は一巻のみでクリアまで駆け足で進むのですが、その後に続く作品の原点となっています。

私は本作をアニメを通して読んでみようと思いました。本作がフルダイブVRゲームとなっており、現代を少し先取しています。VRやARなどの言葉が一般用語となった今では、場面を用意に想像しながら読み進めていくことができました。初めてライトノベルを読んでみたいという人におすすめの本であり、1巻で一通りのお話が終わるため気軽に読むことができます。特に、ゲームが好きであったり、しっかりとゲームの攻略を楽しみたい人におすすめです。

本作はSAOの世界でキリトが様々なプレイヤーと関わりながらゲームクリアを目指す作品です。非常に読みごたえがあり、場面の切り替わりが多いため熱中して読み切れる作品となっています。是非、ゲームが好きであったり、ライトノベルに興味があったら手に取って読んで頂きたい作品です。

小川洋子著 『博士の愛した数式』

 

 

知能情報学部 4年生 Bさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 博士の愛した数式
著者 : 小川洋子

出版社:新潮社
出版年:2003

『博士の愛した数式』は、記憶が八十分しか持続しない数学者の博士と、家政婦である「私」、そしてその息子との交流を描いた物語である。博士は事故の後遺症により、新しい記憶を保持することができず、常に現在を生き続けている存在である。しかし、その制約の中でも数学への深い愛情と、人に対する誠実さを失っていない点が、本作に静かな温かさを与えている。

物語の中で描かれる数学は、単なる計算や理論ではなく、美しさや秩序を持つ言語として扱われている。完全数や友愛数といった概念は、人と人との関係性を象徴する比喩として機能し、博士の世界観を形作っている。数学が苦手な読者であっても、数式が持つ意味や美しさを感覚的に理解できるよう工夫されており、学問と感情が対立するものではないことが自然に伝わってくる。

本作で特に印象的なのは、「記憶」と「関係性」の捉え方である。一般的には、記憶の継続こそが人間関係の基盤であると考えられがちだが、本作ではその前提が静かに問い直される。博士は毎回「私」や息子と初対面のように接するが、その態度には常に敬意と優しさがある。過去を共有できなくとも、相手を大切に思う姿勢があれば、関係は成立するのだという考え方が、物語全体を通して示されている。

さらに、本作は知性とは何かという問いも内包している。博士は日常生活では多くの制約を受けているが、数学の世界においては自由であり、その思考は非常に純粋である。記憶障害を「欠落」としてではなく、一つの在り方として描く姿勢は、読む者に価値観の転換を促す。簡潔で静かな文章の中に、人間の尊厳やつながりの本質が込められており、読み終えた後には、他者と向き合う姿勢について深く考えさせられた。穏やかでありながら、確かな強さを持つ作品である。

恩田陸著 『夜のピクニック』

 

 

知能情報学部 4年生 Bさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 夜のピクニック
著者 : 恩田陸

出版社:新潮社
出版年:2004

『夜のピクニック』は、高校生活最後の行事である「歩行祭」を舞台に、思春期の終わりに立つ若者たちの内面を静かに描き出した青春小説である。一晩かけて長距離を歩き続けるという特別な時間の中で、登場人物たちは日常では向き合うことを避けてきた感情や過去と、否応なく対峙することになる。本作には大きな事件や劇的な転換点はほとんど存在しないが、その分、心の微細な動きが丁寧に描かれており、読者は登場人物の感情に自然と寄り添うことになる。

主人公・甲田貴子は、家族に関する複雑な事情を胸の内に抱えながらも、それを周囲に語ることなく日々を過ごしている。歩行祭という非日常の空間は、彼女にとって過去と現在を見つめ直す装置として機能しており、歩き続ける身体の疲労とともに、心の緊張も徐々にほどけていく。夜の静けさ、眠気、友人との何気ない会話、沈黙の時間といった描写が積み重なることで、言葉にされない感情が浮かび上がってくる点が非常に印象的であった。

また、本作では「集団の中の個人」という視点も重要なテーマとなっている。多くの生徒が同じ道を歩いているにもかかわらず、それぞれが抱える悩みや不安は異なり、同じ時間を共有しながらも、心の内側は孤独である。その一方で、夜を通して歩き続けるという体験が、他者との距離を少しずつ縮め、互いの存在を肯定する力を持っていることが描かれている。特別な言葉や行動がなくとも、同じ時間と空間を共有すること自体が、人を支える行為になり得るのだと感じた。

本作を読み終えて強く印象に残ったのは、成長とは何かという問いである。登場人物たちは一夜にして別人のように変わるわけではないが、歩行祭を終えた後、確実に「前とは違う自分」として日常へ戻っていく。その変化は非常にささやかだが、だからこそ現実的であり、読者自身の経験とも重なりやすい。夜を越えて朝を迎えるという構造は、過去から未来へ踏み出す象徴でもあり、静かな希望を感じさせる。青春の一瞬の輝きと、その背後にある複雑な感情を誠実に描いた作品である。

藤原健剛(経済学部・教職教育センター)『社会科・地歴公民科教育の現在と未来』

■『社会科・地歴公民科教育の現在と未来
甲南大学出版会, 2025.11
■ ISBN  9784991297533

■ 請求記号 375.3//2063
■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 藤原健剛(経済学部・教職教育センター),杉山清彦 ,三原慎吾 共編著

<自著紹介>
本書の大きな特徴は、社会科・地歴公民科のオールラウンダーを目指してもらおうとする点にある。そのために、社会科・地歴公民科のすべての分野・科目の授業実践例を示すとともに、現行課程初年度の大学入学共通テストの分析を含め、高大接続・高大連携の最新情報を掲載。市民性教育の必要性にも言及しており、教科研究や授業づくりのためのテキストとして活用できるよう工夫した。

マネジメント創造学部 S先生へのインタビュー

文学部4生 Iさんが、マネジメント創造学部 S先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

―読書の頻度はどのくらいですか?

 

 専門書は毎日ではないですが、論文にないものを求めてかなりの頻度で読んでいます。娯楽の本に関しては月1~2回程度で、本を買ったら読むという感じです。ただ娯楽の本は読み始めると最後まで読まないと気が済まないので、仕事を優先してここ4、5年読めていません…。

 

 

―図書館や書店はそれぞれどのくらい利用されますか?

 

 図書館については、楽しみの本を求めて、西宮キャンパスCUBE近くのアクタ西宮にある西宮市立北口図書館を利用していました。最近は専門書を調べるために、甲南大学図書館のweb検索のみを利用しています。

 書店は月に1~2回程度利用しています。書店には、新刊に加えて2、3年前の見過ごした本がまとめて置いてあることもあって、専門書だとこの章を読んだら授業に活かせるかも?これと合わせると面白いかも?と考えながら本を探しています。

 

 

―面白そうな本の見つけ方や、手に取る決め手を教えてください。

 

 やはりタイトルと帯の面白さです。帯に関しては誰が推薦しているのかも気にしていて、例えば好きな作家さんが推している新人作家さんには興味がわきます。あとは雑誌に書かれている書評を読んだり、好きな作家さんの新刊だったら買ったりすることもあります。

 

 

―読書の魅力は何だと思いますか?

 

 「自分の知らない/知りえない人が書いたものだ」ということです。普段生活していると、自分と似たような人ばかりと知り合い交流することが多いと思います。だから、身近な人ならば、人としてどういう反応をするのか想像できてしまいます。ですが、本だと自分とは全く異なる環境で生きてこられた知らない方が、自分には理解できない「人の行動」について書いているから、驚きと感動を経験します。結果として、自分が人を深く理解できていない“事実”を改めて実感することができるわけです。実社会にいたら自分がシンパシーを感じない人とは分かり合えないけれど、そういう人も含めて書ききるという点で、そこまで人を理解している作者に凄いなぁと正直尊敬しています。

 

 

―本は紙派ですか、電子派ですか?その魅力も教えてください。

 

 紙派です。電子の魅力がそもそも実物を買わなくていいというくらいで、私の場合、本は紙じゃないと集中できない気がします。

 

 

―先生のお気に入りの本を教えてください。ジャンルや作家でも構いません。

 

好きなジャンルは経済(なかでも国際金融や国際情勢に関するもの)、ミステリー、宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズです。好きな作家は宮部みゆきさん、専門書で読んでおこうと思うのはダニ・ロドリック先生、ダロン・アセモグル先生、トマ・ピケティ先生などです。宮部みゆきさんは、予想した展開と違う方向に内容が飛んでいくという意味で一級品の作品ばかりで、凄い能力を持っている方だと尊敬しています。

楽しみで読む本の作家の作品の中では、読みやすく前向きで心が温まり、かつ、いい意味での裏切りを感じさせてくれる作品が好きです。例えば中山七里『さよならドビュッシー』、城山真一『天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス』、松岡圭祐『水鏡推理』シリーズがお気に入りです。

人に理解させようという意味で分かりやすいなと思える専門分野の書籍だと、フィリップ・アギヨン『創造的破壊の力: 資本主義を改革する22世紀の国富論』があります。

 

―学生の間に読んで欲しい本を教えてください。

 

 お好きなものをどうぞ!その人その人で心に響くのは違うので、「とりあえず読んでみてください」と言いたいです。どのような本でも、読んだ先に必ず何か見えてくるものがあると思います。

 

 

【感想】

 本を選ぶ時は私も帯を見て選ぶことが多いので、やはり帯から得られる情報は大きいのだなと思いました。また読書の魅力について、自分が理解できていない人を知ることができるというお話にはなるほどなぁと納得しました。たしかに自分自身が共感できないキャラクターだとしても、作家の方は最後まで書ききるので本当に凄いと思います。

 最後に、先生には急なインタビューの依頼にも関わらず快く受けてくださり、感謝申し上げます。非常に楽しく有意義なインタビューを行うことができました。素敵なお話をありがとうございました。

 

 

☆先生からのおすすめ本☆

■『さよならドビュッシー
中山七里著
■ 東京 : 宝島社 , 2010.1
■ 請求記号 913/N
■ 配架場所 図書館 . 2F中山一般

 

■『ブラック・ヴィーナス : 天才株トレーダー・二礼茜
城山真一
■ 東京 : 宝島社, 2017.2

 

■『水鏡推理
松岡圭祐
■ 東京 : 講談社, 2015.10

 

■『創造的破壊の力 : 資本主義を改革する22世紀の国富論
フィリップ・アギヨン, セリーヌ・アントニン, サイモン・ブネル著 ; 村井章子訳
■ 東京 : 東洋経済新報社 , 2022.12
■ 請求記号 332.06//2166
■ 配架場所 図書館 . 1F開架一般

 

 

(インタビュアー: 文学部4生 Iさん