文学部 田中貴子先生へのインタビュー

文学部 3年生 Yさんが、文学部日本語日本文学科の田中貴子先生にインタビューを行いました。

-本はよく読まれますか
本がなければ生きていけない。仕事でも私生活でも必要不可欠なものであって、本は生活そのものです。
 
最近読まれた本について
(趣味の本)宮内悠介の『スペース金融道』を読みました。彼の本は全部読んでいます。SFで若い人で、センスがいい。現在の閉塞的な世の中をよく捉えています。SFとミステリーは楽しみの読書です。
 
-先生が怪しいものに興味を持たれたきっかけ
・子供の頃にお母さんが寝る前に語って下さった
・ゲゲゲの鬼太郎のアニメ世代。第一回の放送も見ました。水木しげるの影響。
・生まれ育った京都には不思議なもので溢れていたので、馴染んだ
・元々不思議な話が好きだった。

-学生時代に影響を受けた本
中上健次の本で中世文学に行き着きました。熊野についての小説が自分の研究方向を決めるきっかけに。当時の現代思想の本をたくさん読んでいました。クロード・レヴィ =ストロース『野生の思考』など。1990年代には構造主義が学生にも馴染みやすかった。みすず書房の本を積極的に読んでいました。

-古典文学を学ぶ人におすすめの本
百目鬼恭三郎の『奇談の時代』を高校生の時に読んでいました。古典文学の入門書としておすすめです。馬場あき子の『鬼の研究』が批判されていたのが印象的でした。批判する面白さや原文読む大切さを知りました。

-本を選ばれる基準について
新聞の書評やネットの新刊書などをチェックして、面白そうなものを読みます。幅を狭めないように、自分の専門とは違うもので面白そうなものやとっつきやすそうなものを読むようにしています。『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』など、生き物関係の本は好きで、図鑑もよく見ます。理系の本も。本は情報だと考えています。リアル本屋に行って、ボーと本棚を眺めて買うことも多いです。お金を出して本を買って付箋を貼ったり書き込みをしたりして自分の本にするのが好きです。

【まとめ】
初めてのインタビューですごく緊張しました。先生の本に対する思いや考え、中世文学の研究に行き着かれたルーツなど、とても貴重なお話を丁寧に教えて下さいました。おすすめして下さった本を読んで、視野を広げるとともにこれからも、読書に励み、様々なことを吸収していきたいと思います。お忙しい中、インタビューにお時間を割いて下さり、ありがとうございました。

 <田中貴子先生おすすめの本>
 百目鬼恭三郎著  『奇談の時代』 朝日新聞社,1978年

(インタビュアー:文学部 3年)