杉本直己編著 (先端生命工学研究所) 『生体分子化学 : 基礎から応用まで』

<教員自著紹介>
 本書は、生体機能を担う重要な分子の構造、物性および反応を理解すること、さらにそれらの生体分子の活性を制御できることを学ぶ、「生体分子化学」の教科書である。大学学部生だけでなく、大学院生や若手研究者も、読者になりえることを想定して執筆している。本書を使って生体分子化学を学習する上で、最も重要な点は以下の2点である。

(1)化学の基礎を学び、生体分子に応用する
 まずは1章で本書の全体像を把握し、次に2,3,4章で有機化学、高分子化学、物理化学などの生体分子を扱うのに必須の化学的基礎概念と手法を学ぶ。いよいよ、それらの基盤化学を、5章以下で各生体分子に応用し、その分子の構造、物性および反応を理解するのである。新しい知見なども豊富に出てくる。従来の常識だけでなく、新たな常識や“非常識”も同様に学んでほしい。そして、読者が新しい素晴らしい課題を見つけ研究を始めるきっかけにしてほしい。

(2)歴史を学び、未来を知る
 学ぶことは、知識を学ぶことだけでなく、優れた先人研究者の発想や知恵をも学ぶことを意味している。その発想や知恵を、読者がいかに自分のやりたい未来のテーマで参考にできるかが重要である。そこで、各所に卓越した先人研究者の発想、業績、逸話などを写真などとともに紹介した。その先人研究者になったつもりで、生体分子化学を学んでほしい。

■『生体分子化学 : 基礎から応用まで = biomolecular chemistry
■杉本 直己 編著 講談社,2017年1月
■請求記号 464//2268
■配架場所 図書館1F 教員著作
■著者所属 先端生命工学研究所 教授

*先端生命工学研究所の遠藤 玉樹 准教授(6章)、髙橋 俊太郎 講師(3章)、
  建石 寿枝 講師(5章)も執筆されています。