北川 恵 他訳『アタッチメントを応用した養育者と子どもの臨床』

<教員自著紹介>
 親子関係には、世話、しつけ、楽しい時間の共有などのたくさんの要素が含まれて
いますが、子どもが親に健全なアタッチメントを持てることがとりわけ重要であると
発達心理学の研究からわかっています。虐待、発達の問題、里親養育などの実際問題
を抱えた親子に、アタッチメントの質をアセスメントし、健全なアタッチメントへと
介入する方法や実践について事例を交えて紹介している本です。

■北川 恵 他訳『アタッチメントを応用した養育者と子どもの臨床』
 ミネルヴァ書房 2011年
■翻訳者所属:文学部人間科学科 教授

■先生からのお薦め本
・補足説明
 「アタッチメント」とは、一人では対処できないような危機的場面で信頼できる他者
(子どもの場合は養育者)に接近して保護と安心感を求める本能的欲求を指しています。
「愛情」とは同義でありません。皆さんも、本当にまいってしまった時に信頼できる人
の顔を思い浮かべると心丈夫ではないでしょうか?“何かあった時には誰かの助けを頼る
ことができる”という期待を持てるような経験を積み重ねられることが、健全なアタッチ
メントであり、基本的信頼感や自尊心、ストレスを克服していける力などに影響します。
アタッチメントの正しい理解については、次の図書がお勧めです。
数井みゆき・遠藤利彦(2005)アタッチメント:生涯にわたる絆、ミネルヴァ書房
数井みゆき・遠藤利彦(2007)アタッチメントと臨床領域、ミネルヴァ書房