<教員自著紹介>
収入・世代間格差や機会不平等は医師にもある!
超多忙な勤務医、地方の医師不足、厳しい医療財政など問題山積の中、
医師自身は子の教育や日本の医療制度をどのように考えているのか。
全国の医師へのアンケート調査とデータから、日本の医療問題と医師
の実態を浮き彫りにした書籍である。おそらく、このような「日本の
医師に関する実態調査を本格的に行いまとめた書籍」は、21世紀に
なって初めてであろう。
「医師の団塊ジュニア世代」以降に生を受けた医師は、医師不足や過酷
な勤務状況下で疲弊し、開業するにも不安がつきまとい、自分の子も医師
になって欲しいという願望は強くない。一方、年配の開業医は裕福で、
半数以上が男の子を医師にしたいと考えている。
年代や勤務形態で格差が広がりつつある中、医師たちは、どのような医療
システムが望ましいと考えているのか。財源の公私分担をどのようにすべきか、
どんな医療技術を保険適用すべきか、限られた医療資源をどのような患者に
優先すべきかなどのテーマを、アンケート調査から分析し、望ましい医療シス
テムを探ってみた。
■森 剛志、後藤 励共著 『日本のお医者さん研究』東洋経済新報社 2012年
■著者所属:森 剛志:経済学部 准教授
:後藤 励:元・経済学部 専任教員