国立がん研究センター研究所 編 『「がん」はなぜできるのか』

 

文学部  4年生 Kさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  「がん」はなぜできるのか
著者 :  国立がん研究センター研究所 編
出版社:講談社
出版年:2018年

日本人の二人に一人ががんになると言われており、死亡者の三人に一人にあたる37万人ががんで亡くなっています。男性だと四人に一人が、女性だと六人に一人が、がんで死亡するものと推計されています。高齢化に伴い、今後もがん患者が増えていくといわれています。
一生のうちにがんにならない人と、何度もがんになる人と分かれるようですが、がんは国民病だと言えるのではないでしょうか。

医療の発達、治療技術が発達したことにより、がん患者の生存率は60%を超えているようです。その一方でがん撲滅に向けて研究者たちが多くの時間をかけ努力をしているにも関わらず、いまだがんを根治する治療法は見つかっていないようです。しかしながら、最先端のゲノム医療の進展で、「がん根絶」のための手がかりが見えてきたようです。喜ばしいことですね。

この本の中で私が一番驚いたのは、がん細胞はおしゃべりをして、正常な細胞を騙すということです。本当にお喋りをしているのではないようですが、がん細胞は、攻撃されないように生き残るために、正常な細胞を騙すということを知らなかったので、大変興味深い記述でした。

このようにして、知らなかったことを知ることができる有益な本であり、がん研究に取り組んできた、国立がん研究センター研究所の研究者たちが、なぜがんができるのか、どのようなものなのかというメカニズムから、最先端のゲノム医療までをわかりやすく説明してくれている一冊で、勉強になりました。