
■『 愛と欲望のナチズム 』
■ 講談社 , 2024.10
■ ISBN 978-4-06-537409-2
■ 請求記号 S081.6/2838/81
■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 田野大輔(文学部)著
<自著紹介>
ナチスはこれまで人間の欲望、とりわけ性的欲望を厳しく抑圧したと考えられてきました。ところがヒトラーらナチ党の幹部の発言や当時の様々な書籍・雑誌の内容を調べてみると、実際には子供への性教育を推奨したり、ヌード写真の流通を容認したり、男女の婚前・婚外交渉を奨励したりと、性欲やエロスに対してかなり寛容な政策をとっていたことがわかります。これは国民の生殖を促進して健康な子孫を増やすためだけでなく、男性に快楽や喜びを与えて国家の目的に奉仕させるためでもありました。本書はそうしたナチスによる「欲望の動員」のメカニズムを、性教育、同性愛、裸体文化、婚外交渉、売買春などのテーマごとに明らかにしています。本来私的な事柄であるはずの性愛や生殖の問題に国家が介入するとどういうことが起こるか、その恐ろしさを知っていただければと思います。