[藤棚ONLINE]文学部・北川恵先生推薦『発達の扉』

図書館報『藤棚ONLINE』
文学部・北川恵先生推薦より

 夢をもって何かに挑戦しても、そんな簡単には出来ない。だからこそ、周囲に支えられて、出来たときの喜びは大きい。皆さんにもそういった経験があると思います。子どもの発達はそういうプロセスの連続と理解できます。

 『発達の扉(上)』は、子どもが身近な人との関わりのなかで、自らが主人公となって成長する様子が述べられています。発達の原動力は、子どもが「自分も~したい」「できるようになりたい」という願いをもつことです。「~したい、けれどもできない」という前向きな葛藤を大人に支え励まされ、「できるようになる」経験によって、次なる挑戦への「心のバネ」が育まれます。本書には、0歳から6歳の子どもたちの生き生きした写真がたくさん掲載されていて、いつしか読者も発達の主人公を生きる子どもの応援者の気持ちになることと思います。

 子どもに関心があっても、接する機会が限られている人が多いと思います。本書で発達の原点に触れていただくと、人は生涯にわたって関係性のなかで自分の力を発揮できるので、今を頑張る自分へのヒントになることもあるかもしれません。

 障害をもつ子どもの発達の歩みに関心がある人は『発達の扉(下)』もご覧ください。