図書館入館ゲート入ってすぐのところに、『時間があるときは、SNS・youtubeもいいけど、こんな 電子書籍 はどうでしょう?』と題した電子書籍の特設コーナーを設置しています。

さまざまなジャンルの電子書籍を導入していますので、お試しください。
また、図書館ウェブサイトの『電子図書館』サイト上からもアクセスできます。
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図書館報『藤棚ONLINE』
経済学部・足立泰美先生 推薦
『〔エッセンシャル版〕行動経済学』

本書は、人間の無意識の行動に注目した1冊です。ノーベル経済学賞を受賞したハーバード・サイモンは、限定合理性という考え方を提唱しました。人の意思決定には様々な制約がかかるなかで、「必ずしも人は合理的ではない」 とし、合理性に限界があることを認めています。例えば、私たちの記憶力であれ、数的処理能力であれ、限界があります。他の選択肢を十分に検討できずに、私たちは限られた範囲で決断をすることになります。我々が、知らず知らずのうちに行う選択。この人間行動の「癖」を利用したのが行動経済学です。例えば、人間には、利益よりも損失に反応し、将来よりも現在の問題を過大視します。これを、現在バイアスといいます。一方で、人は同調性バイアスをもち、多くの人が行動するのと同じように自分も行動する傾向があります。
このような人間の癖を新型コロナウィルスへの対応に、当て嵌めたらどうなるでしょうか。感染拡大を抑えるために、わが国では、自粛要請による感染拡大防止を図ってきました。しかしながら感染拡大を抑えきれず、数回にわたって緊急事態宣言が発令され、特措法等にも強制力をもたせる改正などが行われてきました。もはや自粛要請だけで感染状況をコントロールすることは困難なのでしょうか。強権発動や経済的なインセンティブに頼らずに、人々を望ましい行動変容に導く手掛かり。それを、行動経済学の知見から本書は紹介しています。新型コロナウィルス感染症によって新しい生活様式の模索が進むなかで、今後の社会をどう望ましいものに変えていくのか。本書を手に取り、未知ある将来に思索を巡らせながら、行動経済学の視点からの、社会のあり方を問い直すのはいかがでしょうか。

本格的な夏が近くなってきました。皆さん、エアコンの温度差で体調を崩したりはしていませんでしょうか。
さて、今年7月より、2020年から延期となった東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。
コロナ禍の最中、色々と話題には事欠かない状態ではありますが、オリンピック・パラリンピックに出場する選手たちには、心置きなくプレイに集中できる環境となることを祈るばかりです。
そんなオリンピックについて少しでも基本的な知識と興味を持ってもらえるよう、エントランス展示を更新しました。
本学共通教育センター教員でありアジア最速の男と呼ばれた伊東浩司先生にもご協力いただき、過去にオリンピックに出場した際のユニフォームをお借りして展示しています。
オリンピックについてもっと詳しいことを知りたくなったときは、ぜひ「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」を使って「オリンピック」を調べてみましょう。英語版サイトでは関連動画もたくさんあって中々面白いですよ!(学外からアクセスする場合はVPN接続をご利用ください)
今回の展示は9月頃まで継続予定です。ぜひ一度図書館1階エントランスに足を運んでみてください。また、展示されている本を閲覧されたい場合は、図書館2階ヘルプデスクにお問合せください。
※7月2日、 経営学部1年生の青山華依さん(体育会女子陸上競技部所属)が 東京五輪の女子4×100mリレーの日本代表メンバーに内定、それにあわせて展示も青山さんの情報を追加しました!悔いのない走りができるよう甲南大学としても応援したいですね!
→ https://www.konan-u.ac.jp/news/archives/3225
図書館報『藤棚ONLINE』
理工学部・須佐元先生 推薦
『数学に魅せられて、科学を見失う : 物理学と「美しさ」の罠』

本書は最近物理学者の間で論議を呼んでいる本で、簡単に言うと現在の基礎物理学のあり方に痛烈な批判を述べている本です。そのため人によって評価も全く異なりますが、とても興味深い本ですので紹介します。
本書は素粒子理論の研究者である著者が、現在の学問の状況、すなわち実験が高価にならざるを得ず、理論に制限がかからないために理論の「美」自体が価値基準となりかけていること、に危惧と疑問をいだき、世界中の大家と呼ばれる研究者を訪ねて議論を挑む、という構成です。インタビューされる学者はいずれ劣らぬ大学者で物理学者なら誰もが知っているような人たちですが、著者との緊張感あるやり取りはそれだけで楽しく読める読みものです。
実験が国家プロジェクト級になってしまい、おいそれとは答えが得られなくなったとき、理論は内包する数学的美しさに理論の良し悪しを委ねてしまいがちになる、ということを著者はもっとも問題にしています。確かに精密な実験や数値実験などをつぶさに調べていった先にたどり着く理論は、ある種の美をまとうことが多いです。したがってより美しい理論がより真実に近いに違いないという推測はあながち間違っていません。しかしそれだけでは決して自然を表していることにはならず、必ず実験による検証が必要です。宇宙物理学者である私自身は、この世界はできる限りシンプルで美しい法則で統べられていてほしいと願いますが、それは願望にすぎません。願望には美的嗜好だけでなく、もっと世俗的な願いも含まれうるということにも著者は警鐘を鳴らしています。 途中やや専門的で難しいところもありますが、サイエンスに携わる・志す人々一般にとって、手にとってみる価値はある本であると思います。
図書館報『藤棚ONLINE』
文学部・安武留美先生 推薦『夢酔独言/Musui’s Story』


最近話題を呼んだNHK BS ドラマの「小吉の女房」をご存知ですか?
このドラマは、勝海舟の父親小吉が、自分の歩んだハチャメチャな人生を猛反省し自ら反面教師となるよう子孫に書き残した話がベースになっています。勝海舟の伝記や研究書で引用され『海舟全集』にも収録されたというこの話は多くの人の目にとまり、編集されて勝小吉の自叙伝『夢酔独言』として日の目を見ました。
BSドラマで古田新太演じる小吉は、原作を基に書かれた子母澤寛の小説『父子鷹』に出てくる「正義の味方」的要素の強い善良な人物ですが、『夢酔独言』から浮かび上がる小吉と家族の姿はもっと複雑です。小吉は、特権階級である下級武士の妾の子として生まれ、幕末の大きな社会変化に対応できない旧態依然の身分社会で永久的失業者として生きていかねばならず、決死の覚悟でその不運や社会の矛盾に抗う不良者です。またドラマでは沢口靖子演じる良妻賢母の「小吉の女房」が原作に登場することはほとんどなく、唯一の逸話には、小吉が他の武家の女性に惚れ込んだ時、彼女が自分の命と引き換えにその女性の家族と談判しようと申し出る様子、そして小吉がその妻の苦労と献身に周りの助言で気づくことが書かれています。一家は幕府から授かる扶持(年金)だけでは極貧の生活を強いられるのに、小吉は武士、町人、農民、乞食、ならず者の境界線を行き来しながらやりたい放題、つまり『夢酔独言』は今の常識−特にフェミニスト的視点−からするととんでもない話ばかりです。それでも、矛盾に満ちた社会の中で一本筋を通しながら着実に自分の居場所を築いていった小吉とその周りの人々の姿には、考えさせられたり気づかされたりすることも多いのです。
ここに挙げたのは入手しやすい勝部真長氏の編集した当時の文体そのままの『夢酔独言』です。勝部氏による現代語訳版は絶版なので、Teruko Craig氏が平易な英語に訳したMusui’s Storyも挙げておきます。実はMusui’s Storyはアメリカの大学の(学部生向け)日本史授業の副読本として人気があり、古文書に読み慣れない方々にお薦めします。

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
飯塚華乃(いいづか かの)さん
文学部社会学科 3年次生
2021年5月15日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました。
『多読チャレンジ』にエントリーしてからわずか1ヶ月弱での読破です!
大学に入学してから、語学学習室内の『多読チャレンジャー募集』のポスターを見て興味を持っていましたが、1年次生の時は忙しく、2年次生はコロナウイルス感染症の影響により断念されました。
3年次生になった今年、英語克服のために『多読チャレンジ』に挑戦することにされました。就職活動が6月に解禁されるので、その前に読破を目指されたそうで、図書館や自宅、通学時間を活用して読み進め、今までに日本語で読んだ事がある絵本や児童書を中心に、50冊達成されました!
以下は、ご本人のアンケートによるものです。
○『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。
―― 最初は50冊も読めるのか不安でしたが、だんだん慣れていきました。
工夫したことは、積極的に図書館に通って本にふれる回数を増やしたことです。
○『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。
――英語の文を読むスピードが速くなりました。また、英語に対する苦手意識がなくなりました。
○チャレンジする図書はどのように選びましたか?
――1度日本語で読んだことがあるものや、興味をひかれたものを選びました。
6月までに50冊達成を目標にしていたので、レベル0~2のものを中心に読みました。
○現在チャレンジ中の『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。
――最初は難しいと思いますが、慣れてくるととても楽しいです。
苦手意識のある方はレベル0からはじめて、徐々にレベルを上げていく読み方をするとよいと思います。
甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されますよ!