2-1. 学生オススメ」カテゴリーアーカイブ

坪内 稔典 『俳人漱石』

 文学部 4年生 川嶋健佑さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:俳人漱石
著者:坪内 稔典
出版社:岩波書店  
出版年:2003年

 
 夏目漱石は、『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』『こころ』など、数々の作品を残したことで有名であるが、俳人としての漱石はあまり大衆へ広く認知されているとは言い難い。漱石は22歳のときに出会った正岡子規の影響で俳句を作るようになる。漱石は、書簡で何度も正岡子規に俳句を送り、添削を求め、「善悪を問わず出来ただけ送るなり。さよう心得給え。悪いのは遠慮なく評し給え。その代りいいのは少しほめ給え」(p70)と注文をつけたりもしている。漱石にとって子規はまさしく俳句の師匠であったのだ。
 本書は、その夏目漱石と正岡子規と著者である坪内稔典の架空対談で、漱石の100句を挙げ、1句1句について当時のことを回想しながら対談するというスタイルをとっている。漱石に関する一般書は、小説家としての「夏目漱石」に焦点を当てられがちだが、漱石の作家としての出発は俳句であり、漱石を語るときに俳人としての、漱石を抜きにしては語れない部分がある。そういった意味では俳人漱石に焦点を当てた意義は大きく、また架空対談という愉快なスタイルで、漱石自身が、子規や現代を生きる著者の坪内稔典と意見を交わすのは読者としても親しみやすい。
 夏目鏡子の『漱石の思い出』(文春文庫)や子規の『俳句大要』、その他文献を読み漁るよりも、手軽である。
 ただ、架空対談であるので著者、坪内稔典の都合の良い展開で進み、坪内の意見に子規や漱石が反論できないのは些か不都合で、本人たちが生きていたら怒ったであろう。漱石だけでなく、子規の人物像についても詳しく知ることができ、ついでに坪内稔典がどういった俳句を作っているのかも知ることができる。正岡子規は、怒ると松山弁が出てしまう設定など、かなり笑える。

店頭選書コーナー

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第1回店頭選書で選書した本は
図書館1階新着コーナーの左隣『特別企画コーナー』に並べています。
(一定期間を過ぎると通常書架に並びます。)

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参加した学生さんに“おすすめ本レビュー”を書いてもらいました。
気になる本があれば是非読んでみてください。
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ご協力いただいた学生さん、ありがとうございました。
図書館では年1~2回店頭選書を実施しています。
興味を持った人は是非次回参加してみてくださいね。

あさのますみ『ヒヨコノアルキカタ』

 文学部 2年生 中西聖也さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:ヒヨコノアルキカタ
著者:あさのますみ:文 あずまきよひこ:絵
出版社:KADOKAWA  
出版年:2015年

 浅野真澄さんには二つの顔があります。ひとつは「声優」として声の仕事をすること。もう一つは、「作家」として絵本や児童書といった文章を書くこと。
 この本は、あさのさんが「はじめて」をテーマに書いたエッセイ集です。子供の頃から大人までの様々な思い出を書かれています。イラストを担当するのは漫画「よつばと!」で有名なあずまきよひこさん。エッセイ一つ一つに、あさのさんをヒヨコに見立てたイラストを書かれています。
 この本を読んだとき、「あ、私がいる」と思いました。きれいな石を大事に持っていた幼稚園の頃「宝物」。運動神経の悪かった小学校時代「反抗」。青春っていったいなんだろうと思った中学時代「青春」。なんだかどこかで見たことある。私にもこんなときあった。そう思ったとき、あさのさんにとても親近感を覚えました。自分の子供時代を思い出させてくれる作品でした。この作品は、懐かしさ、純粋さが詰まっていました。でも、この作品はただ子供時代だけを書いているわけではないのです。
 このエッセイの真の魅力は、「子供の頃」と「大人になった今」につながりを感じられることだと思います。おばあちゃんの家に泊まって、初めて習字を教えてもらった「習い事」。子供のあさのさんの純粋さ、おばあちゃんの温かさを感じられる素敵なお話です。では、大人になった今はどうでしょうか。おばあちゃんはもう病院暮らし。お別れが近くなってくる「覚悟」。病室には習字の作品が置いてありました。小さい頃の温かい「思い出」が、私の心にグサリと刺さりました。このエッセイには、このように過去と現在のつながりを感じられる部分がいくつもあり、心を揺さぶります。
 絵本のような優しい文章・やわらかいイラストが魅力的です。ひとつのお話は約6ページ。どこから読んでも、きっとあさのさんのことが好きになると思います。この本を読んで、自分の「思い出」にも目を向けてみてはどうでしょうか。きっと、良い読書体験になると思いますよ。 

坂木司『シンデレラ・ティース』

 文学部 2年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:シンデレラ・ティース
著者:坂木司
出版社:光文社
出版年:2006

歯医者についてどのような印象がありますか。私は、歯の矯正で歯医者への通院経験がありますが、「歯を治療してくれる場所」という、漠然としたイメージしか持っていませんでした。この本を読んで、歯医者の仕事や歯についての知識が増え、理解が深まったように感じています。

この物語の主人公は、小学校の低学年の頃、子供へのケアが不十分な歯医者での治療を経験したために、歯医者への苦手意識を強く持ってしまっている、大学二年生の女の子、サキです。サキは母親の計略に引っかかり、叔父の勤める歯科医院で受付のアルバイトをすることになってしまいます。歯医者の受付嬢として患者に接し、クリニックに持ち込まれる歯と患者の心に関する問題を個性豊かなスタッフ達と解決していくうちにサキは、歯医者に対するマイナスイメージを克服し、成長していくというストーリーです。

私がこの本をおすすめする理由は三つあります。

まず一つ目は、物語が進んでいくにつれて、少しずつ苦手を克服し、成長していくサキの様子を感じ取れるからです。前に進んでいく主人公を見て、自分も頑張ろうと、勇気をもらえるのではないのでしょうか。

次に二つ目は、一つ一つの謎や問題に真摯に向き合い、歯だけではなく患者の心までをも救うために最善を尽くすスタッフの姿に感銘を受けたからです。

最後に三つ目は、生き方や考え方についても教えてくれる本だと思うからです。上辺だけでなく内面を見て人を理解することの大切さや健康に人生を楽しむために必要なことなどを感じ取ることができました。

歯医者への認識を新たにするためにも、サキの忘れられない夏を体験してみて下さい。また、このお話の姉妹編に当たる物語が存在します。サキとメールのやり取りをしている“ヒロちゃん”が主人公の「ホテル・ジューシー」というお話です。サキとヒロの二人の物語をぜひ読んでみて下さい。

 

『壬生義士伝』(下)

法学部3年 岡川裕貴さんからのおすすめ本

著者: 浅田次郎
タイトル: 壬生義士伝(下)
出版者: 文藝春秋
出版年: 2000
配置場所: 図書館 2階中山文庫一般
請求記号: 913/A/2

この本は上・下あり、歴史好きにはたまりません。
時代は江戸時代末期、新撰組での話です。
吉村貫一郎を中心に物語は、シリーズ後半になると加速していきます。
因みに私の好きな人物は左利きの斎藤一です。

『とびっきりの南の楽園』

3年 Book Centipedeさんからのおすすめ本

著者: 高砂淳二
タイトル: とびっきりの南の楽園 : 海とリゾート…もうひとつの素顔
出版者: 光文社
出版年: 1999
配置場所: 図書館 2階中山文庫一般
請求記号: 748/TA

波、陽光、ヤシの木…
景色を楽しんでください(笑)
きっと下手な本を読むより時間がかかるでしょう。
感性のある人なら、写真をながめるたび“音楽”が聞こえるかも。