投稿者「図書館」のアーカイブ

「教員インタビュー」の進め方(KONANライブラリ サーティフケイト)

KONANライブラリー サーティフィケイト」2級以上の取得要件、「教員インタビュー」の手順です。
この課題の目的は、「人の話」を聞いて、要点を整理し、文章化することです。
ライティング力だけでなく、話し言葉を言語化する体験を通して、言葉を使ったコミュニケーション力を高めることを目指します。

本や図書館、研究活動、日々の情報収集方法など、テーマを決めて先生方にインタビューをし、その内容をまとめて提出してください。提出されたインタビューは、この図書館ブログで公開します。

インタビューが有意義な時間になるよう、念入りに準備をして取り組みましょう。

<インタビューをする先生を探す>
お話を聞いてみたい先生が決まったら、まず図書館にご相談ください。インタビューを受けていただけるかどうか図書館から先生にお問い合わせします。図書館へのご相談は、2階ヘルプデスクに来ていただいても、お問い合わせフォームやメールでも構いません。ゼミの先生や授業がおもしろかった先生はもちろん、きちんと事前準備ができるなら、専門違いの先生や憧れの先生とお話ができるかもしれませんので、一緒にお願いしてみましょう。
ゼミの先生など、お互いによく知っている先生であれば、自分で交渉してもかまいませんが、依頼する時には、インタビューがライブラリ サーティフィケイトでの取り組みであり、インタビューの内容は図書館ブログで公開する予定であることについて、先生からご承諾を得てください。
時間の確保が難しいなどの理由で、インタビューを受けられない先生もおられます。そのときは、先生のご事情を尊重してください。

<事前準備:日程調整と質問内容>
インタビューを受けていただけることが決まったら、次は先生と直接日程の調整をします。急な日程はご調整が難しいので、数週間先の複数の候補日を提示してください。

合わせて、インタビューのテーマと質問内容を先生に連絡します。
質問は、対象人物の魅力を引き出せる内容にします。テーマを決めて、テーマに沿って質問すると、まとまりがあって深掘りもできるインタビューになります。シラバスや先生の研究業績などを参考に、先生がどんな活躍をされているかを調べながら考えましょう。
内容を事前に連絡することで、お互いに心の準備ができ、気持ちがいいインタビューになります。

<質問テーマの例>
〇学生時代に読んだ本について
・学生時代はどのくらい本を読みましたか
・心に残っている本はありますか
・図書館や本に関する思い出はありますか .. etc.

〇研究に必要な情報の収集方法について
・研究活動で本をよく使われますか
・最新の学術論文をどうやって探していますか
・研究者仲間との意見交換はどうやっているのですか …etc.

〇先生の著書について
・どんな人に読んでもらいたい本ですか
・一番読んでほしい部分はどこですか
・執筆にはどのくらいの時間がかかったのですか …etc.

〇日常の情報収集法について
・ニュースは何で知ることが多いですか
・SNSはよく使いますか
・図書館や書店にはよく行きますか …etc.

〇文章の書き方について
・文章を書く時に心がけていることはありますか
・文章の書き方で学生に気をつけて欲しいことはありますか
・生成AIは使いますか …etc.

※上記テーマや質問をそのまま使っても構いません。ただし、質問項目は5つ以上用意してください。
※プライバシーにかかる質問はNGです。判断に迷うときは、図書館に相談してください。

<インタビュー当日>
①インタビュー
インタビューは、対面か双方向のオンライン通話で行ってください。(メールなど、文章で回答いただくのはNGです。)

インタビューの記録は、メモが基本です。
録音は、ご許可いただけるかを事前に先生に確認してください。

事前にお伝えした質問内容以外のことを伺いたい時は、断りを入れて質問しましょう。
予定していた時間どおりに切り上げるのが礼儀ですが、話が弾んで予定より長くなることもあります。時間に余裕をもって臨みましょう。

<まとめ・確認>
①800字程度に絞って記事を書く
インタビューの内容をエピソードごとにまとめ、どんな流れで書くかを整理して書き出します。字数制限のためにインタビューの内容全てを盛り込めないときは、読み手にとって魅力的なエピソードを選びましょう。
※指定書式「教員インタビュー用紙」を使ってください。

②最後は自分の感想でまとめる
インタビューをして、印象に残ったことや影響を受けたことなど、自分の感想で記事をまとめます。

③内容を先生に確認していただく
図書館に提出する前に、インタビューした先生に内容の確認をお願いしてください。
取り違いや、よく確認せずに話してしまったことが含まれているなどのご指摘があった場合は、修正して再度確認をお願いします。確認と校正は何回か繰り返さなくてはならないこともあります。
最終のご承認をいただけたら、「教員インタビュー用紙」にインターネット公開についての同意の署名か捺印をしていただいてください。

④先生の同意をいただいたら、各キャンパスの受付窓口に提出してください。
岡本キャンパス→図書館2階ヘルプデスク(平日9:00~16:30)
西宮キャンパス→CUBEメディアセンター(平日10:30~17:30 土10:30~16:00)
ポートアイランドキャンパス→ポートアイランドキャンパス事務室(平日9:00~17:00)

>作成例: 文学部 稲田清一先生へのインタビュー
>教員インタビュー用紙はこちらからダウンロードできます

※うまく進められないときは、遠慮なく図書館2階ヘルプデスクにご相談ください。

文学部 稲田清一先生へのインタビュー

ライブラリ サーティフィケイト「教員インタビュー」の作成例です。
文学部の稲田清一先生にご協力いただき、図書館員がインタビューしました。


―本はよく読まれますか。

昔から本を読むことが好きで、特に五木寛之や筒井康隆などの小説をよく読んでいました。気に入った本は読み返すこともあります。

―本を探す場合、どのような方法で探されますか。

同じ著者の別の本を読んでみたり、読み終わった本から連想して探します。昔から文庫本の解説目録やカタログを読むのが好きなので、そこから本を探し、読みたい本のリストを作ったこともありました。

―本を読むことが好きということですが、図書館や書店などはよく行かれますか。

昔は新刊書店や古本屋などに行き、本や文芸雑誌などをよく買って読んでいました。図書館は大学院生の頃によく利用しました。本や論文の参考文献リストから、新しい本や論文を探して、文献を集めていました。

―先生は中国史を研究されていますが、昔から中国史に興味を持たれていましたか。

大学に進学する時は、歴史に限らずアジアについて学びたいと思っていました。大学2年生の秋に自分の専門分野を決めることになり、その時に東洋史を選択しました。

―アジアについて学びたいと思われたきっかけなどがあれば、教えてください。

私が大学に入学した1970年代は、日中国交正常化(1972年9月)、サイゴン陥落によるベトナム戦争の終結(1975年4月)など、様々な出来事がありました。また、1976年は、唐山地震の発生、周恩来、朱徳、毛沢東の相次ぐ死去、四人組の逮捕など、中国にとって激動の1年でした。

そういったニュースを目にしたり、本多勝一のルポルタージュや開高健の『輝ける闇』などを読んだりする中で、南北問題(北の富裕な先進工業国と南の貧困な開発途上国との経済的格差を中心とする問題)に興味を持つようになり、アジアについて学びたいと思うようになったのだと思います。

―中国史に興味がある方に薦める本などがあれば、教えてください。

中国史に興味がある方には、『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)を推薦します。この本は天下を取った大盗賊として、陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、毛沢東について書かれています。ぜひ、一度読んでみてください。

【まとめ】
 質問内容を考えることは難しかったですが、インタビューの中で、本の選び方や読み方など、先生と自分の共通点がいくつも見つかり、インタビューの面白さを感じ、とても楽しい時間になりました。
 インタビューの最初に「昔は本を読むのが好きだと思っていたが、今はそうではないような気がしている。」とおっしゃられていましたが、昔読まれた本を紹介されていた時、とても楽しそうで、「本を読むことが好きだ」というお気持ちが伝わってきました。

『中国の大盗賊』は私もとても面白そうだと思ったので、今度読んでみようと思います。

<稲田先生おすすめの本>
高島 俊男著 『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書),講談社,2004年
 配置場所:図書館 1階開架小型  請求記号:S081.6/1746/23 

(インタビュアー: 図書館職員)

『書評』の書き方

文学部 英語英米文学科の 秋元孝文先生 に、『書評』の書き方を教えていただきました。
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書評とは本についての紹介、論評のための文章です。もちろん対象に対して厳密に「評価」を下すような書評もありますが、学生の皆さんが書く場合はむしろ、書評を読んだ人にその本を「読んでみたい!」という興味を引き起こすことを目指すのがよいでしょう。

具体的な書き方の例を説明します。まずは多少広い話題から導入しつつ対象の本の内容へと話題を絞っていき、紹介します。小説であれば簡単なあらすじ、ノンフィクションや実用書であれば具体的な話題を上げていきます。ただし説明をし過ぎると冗長になってしまうので気をつけましょう。また、ミステリーのように結末が面白さの大きな部分を担うジャンルではネタバレは厳禁です。

次に自分なりにポイントだと思う事柄を指摘してみましょう。ここが腕の見せ所です。その本のどこが読みどころか、どこがおもしろい点なのか、できれば自分にしか見つけられないようなオリジナリティを追求してみてください。

最後に全体をまとめます。あるいは文芸的に書くならば、多少余韻を残すような書き方をしてもいいかもしれません。それではがんばって!

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実際の書評例は、教員おすすめ、職員おすすめ、学生おすすめの各カテゴリーを参照してください。
KONANライブラリ サーティフケイト」の書評として提出する時は、指定用紙に800字前後まとめて、メールで図書館に提出してください。
>書評用紙はこちらからダウンロードできます。

秋元孝文先生のご専門は、アメリカ文学です。プロの書評家でもあり、翻訳家でもあります。先生の書評は新聞に掲載されているので、新聞記事データベース等で探してみてください。
秋元先生はブログでも本をご紹介されています。本選びの参考に、訪れてみてはいかがでしょうか。
http://akkitom-ontheroadtonowhere.blogspot.jp/

大西彩子(文学部) 『いじめ加害者の心理学 学級でいじめが起こるメカニズムの研究 』

<教員自著紹介>
 学校現場でいじめを効果的に予防するには、どうすればいいのか。本書ではいじめ加害者の心理に着目することで、その予防方法を考えました。いじめ加害者と周囲の暗黙の了解(集団規範)との関係についての筆者の研究を紹介しています。いじめ問題や教育に関心がある人、教職を志す人などに読んでいただければ幸いです。
 
■『いじめ加害者の心理学 学級でいじめが起こるメカニズムの研究』 大西彩子[著]     ナカニシヤ出版 2015年2月
■請求記号 371.4//2251
■配架場所 図書館1階開架一般
■著者所属 文学部 講師 
■大西先生からのお薦め本                                       
 『ゆがんだ認知が生み出す反社会的行動 その予防と改善の可能性』吉澤寛之(ほか)編著、北大路書房 加害者の認知のゆがみに注目した本です。 

サイモン・シン『フェルマーの最終定理』

今年2015年は「フェルマーの最終定理」が証明されてから20年になる記念の年です。
それが何?と思った方、むしろ大多数の方がそう思われたでしょうが、この難問を証明することは人類の悲願だったのです。

サイモン・シン著,青木薫訳
『フェルマーの最終定理:ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』
412.2/Si8 図書館1階開架一般

「ピュタゴラスの定理」を覚えているでしょうか?
直角三角形の斜辺の長さをz,他の辺をx,yとした場合、「xの2乗+yの2乗=zの2乗」となる数学の定理です。

数学は「完全」を具現できる唯一の学問です。
他のあらゆる分野の学問は、仮説を裏付ける実験によって証拠を積み重ね、「科学理論」とすることはできますが、数学と同じレベルでの「証明」はできません。

たとえば、生物学。iPS細胞で作成した網膜組織の移植を世界で初めて成功させた理化学研究所の高橋先生も、「10人の研究者が培養にチャレンジしても3人くらいしかきれいに作れません」と話されています。(朝日新聞 2015.1.5朝刊)
「科学理論」では、「手に入るかぎりの証拠にもとづいて、「この理論が正しい可能性はきわめて高い」(本文48p)」と言うことしかできません。重ねて言えば、正しくない可能性のほうが高いことも多いのです。

それに比べ、数学で「=(イコール)」が使用される場合、その右側と左側は、完全に、絶対に、100%、一致すると断言できます。
これで、数学だけが「真」を語ることができる、ということをまずご理解いただけたでしょうか?

これを踏まえて、「ピュタゴラスの定理」に話を戻しましょう。
ピュタゴラスは紀元前500年前後の数学者です。「ピュタゴラスの定理」はもっと古い時代から知られていたそうですが、ピュタゴラスによって正しいと証明されて以降、「ピュタゴラスの定理」と呼ばれるようになりました。
測量や建築にとても便利な定理なので、人類史上最も活用されてきた定理の一つです。
そして、約2千年後、フランスの天才数学者ピエール・ド・フェルマーが、「ピュタゴラスの定理」が説明された本の余白に、いわゆる「フェルマーの最終定理」を書き遺しました。

「xのn乗+yのn乗=zのn乗
この方程式はnが2より大きい場合には整数解をもたない。
この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。」

以後358年間、だれもにもできなかった「フェルマーの最終定理」の証明を、1995年にイギリス人のアンドリュー・ワイルズが「谷山・志村予想」を証明することで成し遂げたのです。

・一見簡単そうに見える証明がなぜ解けなかったのか?
・フェルマーは、なぜこんな意地悪をしたのか?
・「谷山・志村予想」とは?
・そもそも数学の研究は人類の役にたっているのか?

数学が好きな方も、さっぱりわからない方でも、興味深々で読める1冊です。
むしろ、数学の分からない方が、数学の世界を垣間見れる本かもしれません。

(補足)
「フェルマーの最終定理」を証明したワイルズの論文は以下の雑誌に掲載されました。

 著者:Andrew Wiles
 論題:Modular Elliptic Curves and Fermat’s Last Theorem”
 掲載雑誌名:Annals of Mathematics
 掲載巻号:Vol. 141, No. 3 (May, 1995), pp. 443-551

経済学部が電子ジャーナルを購入しているので、甲南大生の方は、この論文をインターネットでも入手できます。チャレンジしたい方は、以下の手順でアクセスしてください。

 1.学内ネットワークにつながっているパソコンを使う
 2.『甲南大学図書館ホームページ』にアクセス
 3.「電子ジャーナルリスト」を押す
 4.『Annals of mathematics』を検索
 5.「JSTOR Mathematics and Statisticsでフルテキストをみる」をクリック
 6.「1995(Second Series Vol. 141) 」の「No.3」をクリック

アクセス方法が分からない時は、図書館2階ヘルプデスクにおたずねください。

(Konno)

アヴィ・スタインバーグ『刑務所図書館の人びと』

アヴィ・スタインバーグ著 金原瑞人・野沢佳織訳
『刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記』
2階中山文庫 936/ST

「昼間労働に明け暮れる囚人たち全員に、毎夕最低1時間、本が読める明かりを提供するべきである」
19世紀の監獄の内規にこうあるそうです。(本文p291より)

受刑者たちに本を読ませることは、更生と社会復帰を目指す刑務所の目的に適っている。
でも、彼らが本を読むでしょうか?
(大学生でも読んでくれないのに・・・。)
たとえ本を読んだとしても、刑務所図書館で自分を変える努力をし、傑物と呼ばれる人物となる可能性は低いです。
この本では0.01パーセントの確率と書かれていましたが、実際にはもっと低いでしょう。

ハーバード大を卒業したけれど、上手に人生を送ることができず、たまたま募集のあった刑務所図書館に就職した「アヴィ」。この本は、アヴィがその体験を書いたノンフィクションです。
少し分厚く見えますが、名翻訳家・金原瑞人氏の訳で、とても読みやすいです。

ハードな人生を送る受刑者たちと、神経質な刑務官たちとの人間関係は、感受性の強いアヴィには強すぎて、苦悩の日々が続きます。
しかし、その日々を彼が書き留め伝えることで、忘れられるはずだった数人の人生が、本として残されました。

大学図書館で自分を変える本と出会い、不断の努力をした結果、社会にとって欠かせない人物となる可能性だって、そんなに高いものではないかもしれません。
図書館で働く人間として、確率が低くてもその可能性に賭けてみたい、という気持ちがないわけではありませんが、むしろ、傑物にならなくてもいいから、豊かな人生を送ってほしい、と私は思っています。

読んだ人たちが、もしかしたら自分の人生を大切に生きてくれるかもしれない、そんな可能性のあるこの本をご紹介できることは幸運だと思いました。

(konno)