月別アーカイブ: 2016年2月

森沢明夫『ヒカルの卵』

文学部 2年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト) 

書名:ヒカルの卵
著者:森沢明夫
出版社:徳間書店
出版年:2015

  優しくて温かくて、元気がもらえるお話を読んでみませんか。 

 この物語は、故郷を愛する、自称ツイてる、養鶏農家の村田二郎が、村おこしのため、森の奥に世界初の卵かけご飯専門店をオープンさせようと計画するところから始まります。村落の人々の反対や幼馴染との仲違いなどの様々な困難に直面しながらも、自称ツイてる男、通称ムーさんは、周りの人々に励まされたり支えられたりしながら計画を実行していきました。

 私がこの物語をおススメする理由は三つあります。まず一つ目は、主人公のムーさんや村落の人々や幼馴染などの登場人物一人一人がすごく魅力的だからです。励まし合ったり、気遣い合ったりしながら頑張っている姿からは元気がもらえるのではないのでしょうか。

 それから二つ目は、この物語の形式が複数人の語りであるからです。このことには、様々な視点から物語が楽しめると同時に、それぞれの人の思いや抱えているものをより深く知れるという効果があるということを感じました。これにより、物語が重層的で味わい深いものになっているのではないのでしょうか。

 そして三つ目は、幸せの定義や生き方や考え方についても考えさせられる本であるからです。それは、ムーさんを始めとする登場人物一人一人が誰かを思いやって発する言葉や、地の文、物語全体、あとがきにまでも表れています。

 炊き立てのご飯で作った、ほっこりとしてふわふわの卵ご飯のような物語をぜひ味わってみて下さい。

理工学部 須佐元先生へのインタビュー

理工学部 4年生 地主大輝さんが理工学部の須佐元先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 ・本を読んでいますか。

 なんでも読んでいますが特に小説を読んでいます。 小説の中では浅田次郎さんの本を好きで読んでおり、新作があればすぐに購入します。

・図書館はよく利用されますか。

 あまり利用しないですね。ほしい本などがあればamazonで購入します。

・仕事で読むことはありますか。

 仕事で読む場合であれば論文がほとんどで、読書は趣味として読みます。勉強のために読んでいると面白くないので、読書では自分が好きと思ったものを読んでいます。

・先生が行っている研究に進むきっかけになった本、またはエピソードを教えていただけませんか。

 小学生時代に見たテレビ番組の「コスモス」がきっかけでしたね。 宇宙の研究やそれにまつわる歴史的なエピソードから相対論の話など、その時子供だった自分に「難しそうだからやってみたい」というような冒険心をくすぐられました。たぶんわれわれの世代の天文学者は多かれ少なかれこのコスモスに影響されていると思います。

・学生にお勧めの本などがあれば教えていただけませんか。

 「原発事故と科学的方法」ですね。この本は原発事故に関する内容というよりは、それを偏りなく手元にあるデータを使って筋道立てて考えていく、いわゆる「フェルミ推定」というやり方で原発事故を論じています。数字がしばしば出てくるので文系の人には難しいですが、自分で考えて物事を理解することを学べる本だと思います。

・インタビュー後

 今回はお忙しい中数十分間のインタビューを行ってくれました。私は読書に関して一種の勉強として読んでいた一面があったので、先生が読書を一種の楽しみとして読んでいらっしゃることに対して損をしながら読書活動を行っていたのかなと思う一方、ちょっと肩が下りたかなと感じました。そういう意味では有意義なインタビューだったと感じています。  また紹介してくださった本も、自分はあまりフェルミ推定が得意ではないので、参考として読んでみたいと考えています。

 

 <須佐先生おすすめの本>
 牧野淳一郎著  『原発事故と科学的方法』 岩波書店,2013年
 配置場所:図書館 1階開架一般  請求記号:543.5//2114 

(インタビュアー:理工学部 4年 地主大輝)

文学部 吉村裕美先生へのインタビュー

文学部 4年生 川嶋健佑さんが文学部の吉村裕美先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

・どういったジャンルの本を読まれていますか

 気楽に読むのは新書や選書が多いですね。小説も読むのですが、小説を読むと私の場合は用例を拾ってしまうので。最近読んだのは『アイヌの歴史‐海と宝のノマド』という本です。

 ・ご自身の研究とは別で読んだのですか

 もともとアイヌ語を勉強したこともありましたが、それとは別に読みました。アイヌ民族に対して我々が持っている素朴な人々というイメージとは全く違う、流通や貿易を通して周りの民族との関わりを持った民族であるという内容でした。アイヌのことだけではありませんが、我々が勝手に知らない文化に対してステレオタイプなレッテルを貼って、へんな憧れを持ったりするけど実際はそういうものではないっていうことが分かって面白かったです。

 ・どういった時に本を読まれますか

 私は通勤時間が長いので通勤時間に読むことが多いです。

 ・学生時代はどういった本を読んでいましたか

 高校から大学にかけてはシャーロック・ホームズにハマっていて、いわゆるシャーロキアンって言うんですけどホームズ関係の本をたくさん読んでいました。

 ・それが今に役立ったりしていますか

 英語力がつきましたね。日本語で訳されたものから入りましたが、だんだんとエスカレートしてくると原書で読まないと気がすまなくなって。さらに研究の域に達してしまって日本シャーロック・ホームズクラブでも活動していました。論文だけではなくてホームズのパロディなども読んで偏った読書をしていましたね。

 ・最後に学生へメッセージがあればお願いします。

 とりあえず本棚の前に行って眺めてみることをすごく薦めたいですね。目的の本を探すのもいいけれども、偶然の出会いが面白いので、ボーっと本棚の前に立って、いろんなタイトルを見て、あれっ!ていうような機会を増やしていって欲しいです。

 ・インタビューを終えて

 改まると緊張してしまって質問者側がしどろもどろになってしまいましたが丁寧に答えてくださりました。吉村先生に読書について伺ったのは初めてでしたが、とても刺激的なお話を聞かせていただきました。貴重なお時間をインタビューに当てていただきありがとうございました。

 

 <吉村先生おすすめの本>
 瀬川拓郎著  『アイヌの歴史-海と宝のノマド』 講談社,2013年
 配置場所:図書館 1階開架一般  請求記号:211//2011

(インタビュアー:文学部 4年 川嶋健佑)

2016ブックカバーグランプリ!

 2016年度ブックカバー募集の結果、グランプリが決定されました!

【グランプリ作品の詳細はこちら】

グランプリ作品も素晴らしいですが、それ以外の応募作品もどれも素敵です。

小さい画像で申し訳ないのですが、ここですべて紹介します。

2016年度からブックカバーとして図書館で配付されますので、ぜひ利用してみてください!

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多読チャレンジ 25冊達成者が出ました!

25冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
匿名希望さん
文学部歴史文化学科 4年次生

2016年2月10日に 『25冊コース』を達成されました。

1年次生の時に50冊コースを達成され、2回目の達成となります。

2年次で英語に関する授業が全て終わりました。それ以降は英語から少し離れていましたが、就職活動も終了し少し時間が出来たので英語をもう一度勉強しようと思い申し込みました。今後、英語を使う事は少なくなりますが“ネット版の英字新聞を読む”等で細々とでも続けていきたいです、と話しておられました。

以下は、ご本人のアンケートによるものです。

 

○『多読チャレンジ』達成の感想、また、『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

 4年生になり、少し英語から遠ざかっていたので、気軽に楽しく始められる多読チャレンジに参加しました。その結果、多読をきっかけに再び英語に対する意欲や関心がわき上がってきたので、英語学習には非常に効果的だったと思います。

○読む本はどのように選びましたか?

 あらすじを知っている本なら、スラスラ読めると思い、それを中心に選んでいました。展示棚のBook Reviewは、よく参考にさせて頂きました。

○『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。

 英語学習の際に、いきなり問題集の英文を読むのは、疲れてしまうかもしれません。その時には、レベル0や1の本を読み進めていくと、自信もつき、英語学習に意欲的になれると思うので頑張って下さい。

2015tadoku_int_39 多読チャレンジ25冊達成者おすすめ本

【お知らせ】
「多読チャレンジ」の締め切り(2016/3/31)まで、残り1ヶ月と少しです。多読チャレンジャーの皆さん、進み具合はいかがですか?25冊・50冊コースが達成出来た方は、「多読チャレンジシート」を図書館1階カウンターまで提出してください!

東野 圭吾『容疑者Xの献身』

文学部 3年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト) 

書名:容疑者Xの献身
著者:東野 圭吾
出版社:文藝春秋 
出版年:2005年

 この作品は,テレビドラマ化もされた「探偵ガリレオ」シリーズの一つであり,映画化された作品である。

 物語は,「探偵ガリレオ」シリーズの主人公である,物理学者湯川学の大学時代の友人である石神哲哉が,隣人が殺害してしまった夫の死体の処理を手伝うところから始まる。石神は,湯川が唯一天才だと認める数学者である。そこから,石神の工作と湯川の推理との戦いが始まる。

 この作品の魅力は,やはり何と言ってもトリックにあると私は考える。犯人が石神の隣人であると分かっているため,刑事に見つかるかどうかハラハラしながら読み進めていく。しかし隣人が犯人である証拠は出てこず,石神の工作はどういうものだったのだろうと気になる。そして,最後になって石神の工作の種明かしを読んで,驚かない人はいないだろうと思う。また,すべての謎が解けた時,タイトルにもある通りの「献身」的な態度に私は思わず涙を流してしまった。これまでの伏線とトリック,そして結末は今まで読んだ中でも最高級であると私は思う。映画化もされていたのでそちらも見てみてほしい。小説ならではのトリックかと思いきや,映画でも見事に再現されていた。俳優陣の演技もすごく良く,映画でも思わず涙を流してしまった。余計な推測はせずに,純粋に読み進めて,トリックに騙されてほしいと思う。そして私と同じように,ぜひその結末に涙してほしい。