【第5回 甲南大学書評対決】 リンダ・グラットン, アンドリュー・スコット著 ; 池村千秋訳『Life shift (ライフシフト) : 100年時代の人生戦略』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 全学共通教育センター特任准教授 武田 佳久先生からのおすすめ本です。

書名 : Life shift (ライフシフト) : 100年時代の人生戦略
著者 : リンダ・グラットン, アンドリュー・スコット著 ; 池村千秋訳
出版社: 東洋経済新報社
出版年:2016年

 先日甲南女子大学との連携講座でも紹介した書です。私が甲南大学の学生時代、将来60歳まで働き年金受給して老後を過ごすといった人生が当然のように思えました。これは世間一般の常識でもあったと思います。ところがいまは人生100年時代と言われます。

 私たち世代の多くはいままで描いていた人生設計を修正せざるを得なくなったと思います。この書は人生100年時代を想定し、またその将来に向けて備えることの大切さを語っています。
 まさに「常二備へヨ」です。

【第5回 甲南大学書評対決】 北村 良子著 『論理的思考力を鍛える33の思考実験』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 経営学部3年  地引 愛里子さんからのおすすめ本です。

書名 : 論理的思考力を鍛える33の思考実験
著者 : 北村 良子
出版社: 彩図社
出版年:2017年

 論理的思考 (ロジカルシンキング)とは、物事を筋が通るように考え整理し、矛盾などがないように結論を導き出すことです。 この本ではそんな論理的思考力が鍛えられるような実験が簡単なイラストと共に掲載されており、読めばきっとあなたも考えることの楽しさに目覚めるはず!

 ご存じの方も多いであろうトロッコ問題をはじめとする33の実験は4つのカテゴリー「倫理観を揺さぶる思考実験」「矛盾が絡みつくパラドックス」「数字と現実の不一致を味わう思考実験」「不条理な世の中を生き抜くための思考実験」に分けられています。どの実験でも自分が今までに得た知識や集中力が試されるので、脳を鍛えながらも改めて自分を見つめるきっかけにもなるかもしれません。

 私はこの本を父から譲り受けました。親子喧嘩中の父の意見はいつでも筋が通っていて、私が反論しても全て論破されるのがとても悔しかったです。そんな時何も言わずに父からこの本を差し出され読み進めていくと、自分がいかに結論以外見ていない隙だらけの思考をしていたかに気付かされました。自信家だった私には結構大きなショックです。 その後何度もこの本を読み、今ではようやく父と同じ土俵で戦うことができるようになりました。他にも、論理的思考はゼミでの研究やレポートを書くときに必ず役立つし、説得力が加わることで意見や文章の質がぐっと上がると思います。良い子の皆さんはこの本で鍛えられる論理的思考力を親への口答えに使わず、これから先のビジネスシーンなどでぜひ役立ててください。

【第5回 甲南大学書評対決】 稲盛 和夫著 『心を高める、経営を伸ばす : 素晴らしい人生をおくるために』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 全学共通教育センター特任准教授 武田 佳久先生からのおすすめ本です。

書名 : 心を高める、経営を伸ばす : 素晴らしい人生をおくるために
著者 : 稲盛 和夫
出版社: PHP研究所
出版年:2004年

 平生の教えを現代に体現する著名な経営者。 私が稲盛和夫氏に抱くイメージです。 残念ながら去る8月24日に永眠されました。

 この書は著者の言葉を通して利他主義とは何かを語っています。利他主義とは利己主義の対義語で、自己の利益よりも他者の利益を優先する考え方です。この書は稲盛氏の言葉を借りて平生の考えを現代の言葉でわかりやすく知ることができる良書だと思います。社会に出て多くの人と関わる前にぜひ読んでほしい1冊です。

【第5回 甲南大学書評対決】 村田 沙耶香著 『コンビニ人間』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 経済学部2年 松田 小鳥さんからのおすすめ本です。

書名 : コンビニ人間
著者 : 北村 良子
出版社: 文藝春秋
出版年:2016年

 皆さんの考える「普通」とは何ですか?
 この本の主人公、 古倉恵子は36歳の独身女性。 小さい頃から少し周りと違うといわれていた恵子は、これまで彼氏がいたことがなければ、就職もせず、コンビニのアルバイト歴は18年目。現代の言葉を使えば社会不適合とも呼ばれるような、社会にあまり馴染めていない女性です。この本では、そんな主人公が葛藤しながらも自分の生きる世界を見つけていくという物語です。

 私はこの本を読み、「普通」とは何なのだろうということを改めて考えさせられました。
現代社会における私たちは、人と同じような生き方をすることが「社会の普通」となっているように感じます。 しかし、一人一人考え方や感じ方は違い、生き方に正解なんてない。 自分の人生は人に決められるものではなく、自分自信が好きな道を胸を張って生きていけばいいのだと背中を押してくれる作品です。

 皆さんも是非この本を読み、自分の生きる道を探してみてください。

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

ペンネーム りゆあいさん  法学部法学科 1年次生

2022年10月11日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました!

『多読チャレンジ』へのきっかけは、夏休みの宿題で合計50,000字読むというものがあり、その授業において多読チャレンジを紹介され、それをするなら登録しようと思ったそうです。
読む本を選ぶときに、途中でつまらなくなって読むのをやめるくらいであれば、本選びに時間をかけ、読みやすくて内容が面白そうなものを探し、最後まで読み進められるように工夫されていました。また、単語をひとつひとつ読んでいくのではなく、頭の中でイメージとして浮かべながら読み進める多読法を意識しながらチャレンジされていました。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』達成の感想や達成のために工夫したことを教えてください。
また、現在チャレンジ中の「多読チャレンジャー」の方へのメッセージがありましたらお書きください。

A.本を読むことに時間をかけるのではなく、本を選ぶことに時間をかけるべき

Q.『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

A. 英語でも意外と読むことができるのだと、自信がついた。
知っている物語でも英語で読むと違った感じがあっておもしろさを感じた。

Q.チャレンジする図書はどのように選びましたか?

A.ぱらぱら内容を見て興味があるものを読んだ。

☆おすすめの本として“National geographic”(レベル3)のシリーズを紹介してくれました。世界のニュースや出来事が写真や絵とともに紹介されており、とても興味深いシリーズです!


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

経済学部 佐々木 優先生へのインタビュー

経済学部 1年生 Kさんが、経済学部 佐々木 優先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?

A.本はいつも読んでいます。

 

Q.週に何冊読みますか?

A.数えきれないくらい読んでいます。仕事で本を読むことが多いです。

 

Q.どのようなジャンルの本を読んでいますか?

A.仕事に関係がある本を中心に読んでいます。そのため、小説を読むことは少ないです。

 

Q.先生が好きな本を教えてください。

A.『天才たちの日課』という本です。私が彼女と雑貨屋さんにいた時に、小さな本棚にあったその本がふと目に入りました。この本はアインシュタインやピカソなどの天才達がどのような生活をしていたのかを書いたものです。私は、天才の生活には共通の特徴があるかも知れないと予想をして、読書をはじめました。しかし、私が読後に得た結論は、予想外の物でした。天才たちはそれぞれのスタイルで思い思いに生活をしていて、そこに共通点はなかったのです。だから、私は、自分に合った生活を送るのが1番良いと感じました。自分の好きな通り生きて行こうと思いました。朝早起きするか、夜更かしをするか、朝ご飯を食べるか食べないかなどは、自分にフィットしたやり方で進めていっていいんだと自信を持ちました。この本は、その見つけ方もそこから得た教訓も、思いがけないセレンディピティ(偶然の出会い)に満ちたものだったので、とっても強く印象に残っています。

 

Q. インターネットが進んでいる一方で、大学生が本を使うべきメリットはありますか?

A.私はインターネットと本、つまりデジタルとアナログの両方を駆使するべきだと思います。大学生がレポートを書く際に、パソコンを用いて参考になる本を見つけるスキルは必須です。ただ、それだけでなく、アナログの方法も重要です。買う本の予定もないが、本屋さんに入店して、ふと手に入った本が今後の人生に影響を与えるかもしれないので、積極的にセレンディピティ(偶然の出会い)に出会うべきです。

 

感想:質問に丁寧に答えていただき、ありがとうございます。私は先生の好きな本が先生の専門分野についての本ではなくて、エッセイだということが予想外で面白かったです。私もセレンディピティ(偶然の出会い)を体験したいと思いました。甲南大学の最寄駅にも本屋さんがあるので、電車を持つ数分でも本を手に取り、眺めてみようと思いました。そのようなことを考えると、明日も楽しくなってきました。

(インタビュアー: 経済学部 1年生 Kさん )