伊東浩司先生(スポーツ・健康科学教育研究センター)「スポーツの歴史を知ってみよう」

☆新入生向けの図書案内
 新入生の皆さん、大学入学おめでとうございます。大学生活は、授業はもちろん、課外活動やサークルなど皆さんにとって楽しい生活がまっていますと昨年も書かせていただきました。昨年は、スポーツの専門書などを読んで「想像の翼をひろげよう」とも書かせていただきました。今年は、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開催されます。すでに日本代表に決まっているチーム・選手もいますが、これから予選会などでどんどんチーム・選手が決まっていきます。現地に行って応援をする人がいるかもしれませんが、多くの人は。テレビやネットなどでの観戦になるかと思います。より、観戦を充実するには、事前に情報を多く入手することだと思います。ルールや代表選手を覚えることで確かに、観戦が面白くなるとは思いますが、私のお勧めは、その競技種目がどのような経緯でできたかなどの歴史を調べることをお勧めします。スポーツの歴史が書かれている本を読むことによって、競技種目がどのように考え始められたかを知り、ルールがどのように変わっていきながら現在のルールになっていったかを知ることができ、その種目に対する見方も変わってきます。マラソンは、どうしてマラソンという名前がついたか、42.195km という距離がどのような経緯で決まったかなどは有名な話ですが、私自身、まだまだ歴史を知らない競技種目が多くあるので、オリンピックまで少しでも多くの本を読みたいと思っています。特に、皆さんには、オリンピックの歴史か柔道に関する本を読んでいただきたいと考えます。オリンピックの5つの輪にも意味があり、聖火が始まった理由などを知れば知るほどその世界に引き込まれていくのは間違いなしです。また、柔道は、日本発の国際的競技です。特に、神戸市御影うまれで「柔道の父」と呼ばれ、また「日本の体育の父」とも呼ばれている嘉納治五郎先生のことが書かれている本を読むことで、リオデジャネイロオリンピックだけにとどまらず、東京オリンピックへの考え方が変わるのは間違いありません。いずれしろ、ネットから多くの
情報が得られますが、ぜひ、本をゆっくり読める時間が持てる大学生活を送ってもらいたいと思います。

甲南大学図書館報「藤棚」(Vol.33 2016) より