『The Drinking Gourd : a Story of the Underground Railroad』F.N. Monjo ほか、"Underground Railroad"関連本

語学学習室からのBookReviewです☆
“Underground Railroad”を知っていますか?
直訳をすれば「地下鉄道」ですが、「地下鉄」のことではありません。
19世紀のアメリカ(南北戦争時代)に、奴隷たちが奴隷制度のない北部の州やカナダへ逃亡するために組織されたルートのことです。
逃亡奴隷たちは“Follow the Drinking Gourd”、つまり 『Drinking Gourd(ひしゃく)の形の星座=北斗七星を目印に北を目指せ』という暗号歌を頼りに、夜間闇にまぎれて北へと旅をしました。
“Follow the Drinking Gourd”をYouTubeで聞く(解説付き)
http://www.youtube.com/watch?v=YCEy34DSTn8
彼らの逃避行を支援した人々で、隠れ家などを提供した人たちは“Station(駅)”、道案内をした人は“Conductors(車掌)”など、鉄道関係の暗号で呼ばれていました。
(ちなみに、甲南学園歌に引用されているフレーズ“Hitch Your Wagon to the Star(わが車 星につなぐ)”の言葉を遺した哲学者エマソンも支援者の一人です。)
語学学習室には、この出来事を題材にした児童向けの絵本が何冊かあります。
アメリカの子どもたちが歴史や人権について自然に学ぶために作られた絵本なので、当時の事情をやさしく学ぶことができます。
【レベル2】 837/I/2
Title: The Drinking Gourd : a Story of the Underground Railroad
Author: F.N. Monjo
Series: An I Can Read Book ; Level 3

“Station(駅)”として、逃亡ルートの拠点となった家の少年と、逃亡してきた少年の物語
【レベル1】 830/W/1
Title: Moses : when Harriet Tubman led her people to freedom
Author: Carole Boston Weatherford

古代エジプトで奴隷として働いていたヘブライ人を独立国家へと導いたモーゼの話は、聖書の逸話の中でも最も有名な物語です。
そのモーゼのように、“Conductors(車掌)”として多くの仲間を北へ導いた女性Harrietの物語。
【レベル1】 830/L/1
Title: Henry’s freedom box
Author: Ellen Levine

箱詰めされた貨物として、自由への旅を敢行したHenryの物語。
※語学学習室では、入口横の展示台にて『自由への闘争』と題して、人種差別や奴隷状態から自由を得るために戦った人々の伝記や物語を特集しています。(2010年6月~)