ビブリオバトルに参加しました。

2011年5月21日(土)に、紀伊國屋書店梅田本店の特設会場にて開催された、ビブリオバトルに甲南大学図書館員が参加しました。
以下、参戦レポートです。
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私は、午後5時開始の第2ゲームに出場しました。
ビブリオバトルとは、数名が出場者となり、自分が読んでおもしろいと思った本について、5分間でその魅力を紹介し、2~3分間のディスカッションをし、どの本を一番読みたくなったかを投票し「チャンプ本」を決定するというものです。
私が紹介した本は、『命もいらず 名もいらず』(著者:山本兼一)です。
幕末・明治の時代を生きた、山岡鉄舟という人物を描いた伝記小説です。
彼の純粋で直向きな生き方をもっと多くの人に知ってほしいと思ったのが一番の理由です。
ゆで卵を100個食べて、あまりの苦しさに2、3日苦しんだり、江戸にいて、成田山まで下駄で歩いていこうと誘われ、言い出した本人が大雨だから止めておきましょうと言っているのに、1人で実行して、夜遅くにその人の所へ報告しに行ったそうです。
これほどまでに、物事を徹底的にやりとおした人はあまりいないと思います。
江戸無血開城については、勝海舟と西郷隆盛によって成し遂げられたと言われています。
しかし、実際には、一番最初に、幕府側の人間として、西郷に会いに行ったのは、鉄舟だったのです。一般的に、武士が最も大切にした名前を残すこと、そのことに執着しないで、名前も名誉も残さなくても、自分の心に恥じることがなければいい、人の評価は気にしない、というところに、彼の魅力があると思います。
岐阜県高山(幼少期を過ごした場所)や静岡県清水(鉄舟寺など)にある彼に関する史跡を訪問し、彼の足跡を自分の目で見て、彼への理解を深めていきたいと考えています。
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パワーポイントなどの道具は使わず、言葉と熱意だけで行うプレゼンテーションバトルでした。
テクニックだけでは勝利することができない奥深さがあります。
ビブリオバトルは、あちこちで開かれています。皆さんも参加してみませんか。
もちろん、仲間を集めて自分たちでやるのも楽しそうです。
ビブリオバトル公式ホームページ http://www.bibliobattle.jp/
田中修図書館長「『ビブリオバトル』の勧め」『甲南大学図書館報 藤棚』Vol.28, 2011