Rosa × Rosa (『Rosa』Nikki Giovanni,『The surrender tree』Margarita Engle)

語学学習室からのBookReviewです☆
語学学習室では、入口横の展示台にて『自由への闘争』と題して、人種差別や奴隷状態から自由を得るために戦った人々の伝記や物語を特集しています。(2010年6月~)
今回は、展示されている本の中から、二人の“ローザ”をご紹介します。
一人目は ローザ・バークス
【レベル1】 830/G/1
Title: Rosa
Author: Nikki Giovanni

1955年のアメリカ南部モンゴメリーの市営バスは、白人用の座席と黒人用の座席に分けられていました。けれど、白人が黒人に命令すれば、黒人は席を譲らなくてはならないというルールがありました。
ある日、ローザが仕事帰りでとても疲れていた日、バスの席を譲るように指示されます。それまで逆らう人がだれもいなかった理不尽なルールに、この日、ローザは毅然と反抗します。このローザが行ったたった一人の反抗が、大きな運動となり、伝説的な指導者を生むきっかけとなりました。
もう一人は、植民地からの独立戦争で傷ついた人々を治療し続けた“魔女”ローザ
【レベル3】 830/E/3
Title: The surrender tree : poems of Cuba’s struggle for freedom
Author: Margarita Engle

1492年コロンブスによって「発見」されたキューバは、以来スペインの植民地となります。
砂糖産業と奴隷産業、スペインと中南米の中継地として発展する反面、抑圧されたキューバの人々はスペインからの独立を望むようになります。
1868年に始まったキューバの独立闘争は、以後30年間続くことになりました。
この本は、実在したRosa la Bayamesa(バヤーモの女ロサ)をモデルに書かれた物語詩です。
敵味方の区別なく治療にあたるローザと治療を受ける人々が交互に語るため、それぞれの立場からキューバの独立を思う人々が映し出されます。