<教員自著紹介>
本書は、明治から現在までの性表現と刑法175条との攻防史である。江戸時代までは性についておおらかだった日本人だが、明治以降、脱亜入欧の国是に反する性表現が取り締まられていった過程を分析する。立法者は、「社会はかくあるべし」との願望を込めて法を作るが、社会が変化すれば立法者のイメージとのズレは大きくなる。刑法学者もまた「社会はかくあるべし」との願望を込めて刑法理論を作りあげるのである。
■『エロスと「わいせつ」のあいだ : 表現と規制の戦後攻防史』
■園田 寿 [ほか著] 朝日新聞出版 2016年2月
■請求記号 326.22//2018
■配架場所 図書館1F教員著作コーナー
■著者所属 法科大学院 教授
■園田先生からのお薦め本
『遠野物語・山の人生』 柳田国男著 (岩波文庫)