文学部 4年生 金澤舞奈さんが、共通教育センター 岡村こず恵先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)
―オススメの本は何ですか。
オススメの本は『嫌われる勇気』です。この本はアドラー心理学をベースとしており、対話形式で進みます。現状に不満をもち、どうしても自分を好きになれない青年が、世界はどこまでもシンプルで今からでも幸せになれると説く哲学者を尋ねるという設定です。
―オススメの理由は何ですか。
学生時代の自分自身に薦めたい図書だからです。私は学生時代、人間関係や進路に思い悩んで、殻に閉じこもっていた時期があります。もしあのときにこの本に出合えていたら、少しは救われたのではないかと感じます。
―どういう経緯でその本を知りましたか。
転職を迷っていたとき、友人から薦められました。転職は、私にとって人生を変える大きな決断でした。この本はそんなときに私の背中を押してくれました。
―専門としている分野は何ですか。
市民参加や、NPOやボランティアなどの非営利活動が専門です。
―その分野について研究しようと思ったきっかけは何ですか。
きっかけは、大学3年生のときに講演を聞いたことです。人々が世の中の問題にかかわり、新しい社会的価値を創り出そうとしているあり方に、大変驚きました。まさに、目から鱗でした。
市民参加や非営利活動というテーマに、私は救われました。冒頭にお話したように、学生時代に苦しんでいたときは、自分の殻にこもり、世の中のことに関心が持てませんでした。けれども、このテーマと向き合うことで少しずつ変化しました。他者の幸せを考えることが、実は自分の幸せに通じていることに気づいたのです。
―読書する大学生が減少している現在、学生に伝えたいことはありますか。
読書は、とても「得」をします。読むほどに知識が増え、他者の人生を追体験できます。人はたった一つの自分の人生しか生きられません。読書を通じて他のたくさんの人の機微を知ることは、人間の深い理解につながるでしょう。
―インタビューを終えて
このインタビューのテーマは、「本から人を知る」でした。オススメの本を通して、先生の人生の一部を知ることができました。そのなかで、知らなかった一面を見ることができました。先生とは関わるきっかけが少ないので、このインタビューは貴重な経験です。私もやがて人生に悩む時期が来るでしょう。そのとき、『嫌われる勇気』を思い出したいと思います。
<岡村こず恵先生おすすめの本>
岸見一郎, 古賀史健著 『嫌われる勇気 : 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
ダイヤモンド社,2013年
(インタビュアー:文学部 4年 金澤舞奈)