文学部 3年生 髙橋梨華子さんが、文学部 塚本章子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)
・図書館は利用しますか。
はい。よく利用します。本を探しに行くのはもちろん、学校の図書館は文献複写でもよく利用しますし、地域の図書館には雑誌や料理、手芸の本を見に行くこともあります。国立国会図書館関西支部や府立図書館のような大きな図書館は研究にも役立てています。
・学生時代にやってよかったことはなんですか。
日本文学の読書のほかに外国文学をたくさん読んだことです。特に、ドストエフスキーやトルストイといった、まとまった時間がないと読めない長編作品を読んでおいてよかったですね。
・学生時代にやっておけばよかったと思っていることはありますか。
もっと英語の勉強をして、海外に行ったり留学したりすればよかったなと。国境を越えて世界の人たちと交流し、刺激を受ける、そんな経験がしたかったです。
・読み続けられている小説の条件はなんだと思いますか。
独特の美意識みたいなものと、空白があることだと思います。書きすぎずに読者が自分でいろいろに解釈しながらそこを埋めたくなるようなところがないと、全部書かれてあって隙間がなければ、それだけで終わってしまうのではと思います。謎が残るとか、そのあとどうなるのかだとか、空白があることは魅力の一つで残っていくのではないかと思いますね。
・文学の一番の魅力とはなんだと思いますか。
難しい質問で、考えるべき問いですね。年代によって、何か考えては徐々に変わってきましたが、今は、現実の世界を離れて違う世界を生きていけるというところかなと思いますね。今この社会の中で生きているけれど、それとは別の世界でも生きられる。その世界の中には自由なものがあって、自分の価値観を追及したり、とても刺激的なものがあったり、現実ではだめなことが許されていたり、そういった現実を打ち破っていけるような世界が広がっている。そこを半分の自分が生きていける。それが文学のいいところだと思います。
<塚本章子先生おすすめの本>
村田沙耶香著 『コンビニ人間』 文藝春秋,2016年
川上未映子著 『乳と卵』 文藝春秋,2008年
(インタビュアー:文学部 3年 髙橋梨華子)