満田拓也著『MAJOR(メジャー)』

書名:MAJOR(メジャー)
著者:満田拓也
出版社:講談社
出版年:1994年~

法学部1年 松井琴美さん(「基礎演習(濱谷)」リサーチペーパーより)

漫画の紹介
 『メジャー』は満田拓也による日本の漫画である。
 「週刊少年サンデー」(小学館)にて1994年33号より2010年32号まで全747話が連載されていた。
 同誌2015年15号より続編『メジャー2nd』が連載中である。
 第41回(平成7年度)小学館漫画賞少年部門、第2回(2011)サムライジャパン野球文学賞ベストナイン受賞。
 シリーズ累計発行部数5400万部を記録した。

あらすじ
 本田吾郎が父(おとさん)と同じ野球選手の道を志し、やがてメジャーリーグの選手になることを目指す物語です。5歳の吾郎とおとさんとの親子のふれあい、そして吾郎の最初の野球友達になる佐藤寿也(としくん)との友情を描き出します。そして、9歳・小学4年生になった吾郎はリトルリーグのチームに入ります。野球人生の始まりです。ピッチャーとして活躍する吾郎はチームメイトとの友情を育んで、としくんを始めとするライバル達と試合で対決していきます。

登場人物の紹介
 本田吾郎(主人公)
  野球一筋で、曲がったことが許せない熱い心の小学校4年生。母親代わりの桃子と二人暮らし。9歳になってリトルリーグの三船ドルフィンズに入ったが、解散しかかったチームの立て直しに必死な毎日を送る。
 本田茂治(主人公の父)
  プロ野球・横浜ブルーオーシャンズの元選手で、吾郎の父。引退の瀬戸際からバッターに転向して再起したが、ギブソンのデットボールを受けて事故死してしまう。
 星野桃子(主人公の保育園の先生)
  吾郎が通っていた保育園の先生である。結婚を約束していた吾郎の父・茂治が試合中の事故死で死んだあと、吾郎を引き取り母親として育てていく。
 佐藤寿也(主人公の幼馴染)
  吾郎の幼馴染で野球友達。吾郎が引っ越しして離ればなれになっていたが、強豪・横浜リトルの選手として再会。横浜リトルでは、強肩強打のキャッチャーとして認められていく。
 主人公の人生を簡単な紹介

幼少期
 本田吾郎は母を亡くし、父親と二人暮らしだった。彼の夢は「父親のようなすごいピッチャーになる」こと。そんな中、肘を痛めてしまい引退を申し出た父・茂治であったが、吾郎のためにバッターとして再起することを誓った。そして、テストに合格し、見事バッターとして一軍に復帰した。メジャーリーグから来たジョー・ギブソンと試合することになった茂治。レベルの高い彼から茂治はホームランを打ち、吾郎は大喜びだった。だが、茂治の第3打席、ギブソンのデットボールが頭に直撃して倒れてしまう。その試合では元気に立ち上がり、出場を続けたが、翌朝自宅で死亡してしまった。吾郎は茂治の婚約者だった保育園の先生・星野桃子に引き取られることになった。
小学生
 茂治の事故死から3年、吾郎は小学4年生になった。そして、三船ドルフィンズに入団するも、野球をするために3人足りなかったが、クラスメイトの清水薫、小森大介、沢村涼太を誘い、9人揃えることが出来た。吾郎の才能を感じた三船リトルの安藤監督から、名門の横浜リトルへの入団を勧められる。当初は前向きな考えを示したが、仲間を見捨てることを桃子から猛反対される。その後、桃子が急病で倒れたことや茂治の親友・茂野英毅の説得もあり、三船リトルで横浜リトルを倒すことを決意した。そして、トーナメントに勝ち進み、肩を痛めながらも日本一の横浜リトルに勝利した。その後、桃子と英毅の結婚、英毅が所属する福岡ファルコンズ移籍に伴い転向することになった。この際、苗字が「本田」から「茂野」となった。
中学生
 英毅が横浜に移籍したことに伴い、中3になった吾郎は横浜に戻ってきた。そして三船東中学に転入し、小森、沢村、薫と再会を果たした。しかし、吾郎は3年前に右肩を壊してしまい、左投げに転向していた。そして、高校進学後に硬式野球をやるために、中学ではサッカー部に所属して体力づくりに励んでいた。ところが、三船西中学との練習試合で相手監督に罵倒される東中をみかねて、急遽登板した。それをきっかけに野球部に入部した。しかし、県大会の1回戦で海藤学園付属中の眉村に打ち込まれて、コールド負けで敗北してしまう。これにより自分自身が海道野球部で這い上がらねばと思い、寿也たちと海道学園高校に入学する。
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まとめ
 主人公である茂野吾郎の半生を描いた作品で、彼の成長とともに所属するチームを情熱で突き動かし、チーム一丸となって目標に向かって前進していきます。「友情」や「努力」といった少年漫画として普遍的なテーマを扱いながらも主人公や家族が不幸になることはない。「逆境」は乗り越えられることをこの漫画で示してくれています。
 また、主人公の吾郎が幾多の挫折を経験しながらも、野球人として成長していくことに憧れや尊敬の念を抱くことができます。最高の仲間であり、最高のライバルである佐藤寿也という存在もこの作品を面白くしている要素であり、吾郎と周囲の人間や環境全てが絡み合って最高の作品です。
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