森岡 毅著 『苦しかったときの話をしようか』

経済学部  3年生 Tさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  苦しかったときの話をしようか
著者 :  森岡 毅
出版社:ダイヤモンド社
出版年:2019年

 著者である森岡毅氏は新卒でP&Gに入社し、マーケティング本部で勤務し、米国の世界本社に移籍した。その後、27歳でブランドマネージャーに昇進、ウエラジャパン副代表を務めたのち、ユー・エス・ジェイに入社した。マーケターとして、USJの経営再建の指揮をとり、V字回復させた。また、USJだけでなく、丸亀製麺やグリンピア三木の立て直しにも成功している。そんな筆者の挫折経験が赤裸々に綴られているが、主に就活生に企業選びの方法を提示している。

 筆者は、「努力の人」である。若い頃、上司が指示した訳でもないのに、憧れの上司に追いつくため、朝7時から終電まで働いた時期もあった。そのせいで疲れているのに、眠れなくなったという。その後は、効率的なパフォーマンスを行うために努め、結果を出した。昇進して、米国に移籍した際、大きな失敗をするもそこであきらめず、血のにじむような努力を続けて結果を出した。環境が変わっても自分を信じ、結果を出すために努力したことで、無敵の職能を身に付けたといえる。

 昨今は、終身雇用、年功序列の概念が、大企業でも無くなりつつある。また、コロナウイルスの影響で大企業でもリストラが行われた。本書では、目まぐるしい社会の変化に適応できるようなキャリアの考え方を教えてくれる。

 途中で壁にぶち当たっても、それが自分の選んだ道筋の途中にあるなら、越えるために自分を律しなければならないと思わせてくれるだろう。