10月14日(木)に開催された第3回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。
経済学会チーム 松本さんからのおすすめ本です。
書名 : オペレーション Z
著者 : 真山仁 著
出版社: 新潮文庫
出版年:2020年
「日本の財政赤字1000兆円」と聞いて深刻な気持 ちになる人は今の日本にどれだけいるだろう。この本を 読むまでは私もピンとこなかった。
日本の財政を簡単 に説明すると、 「1億円以上の借金があるのに、500 万の年収で1千万使うのをやめられない」 いつ財政破 綻してもおかしくない状態だ。 総理大臣の江島隆盛 は国債頼みの政治を終わらせるべく、国家予算の半 減を決断する。
今までの私は、年々増えていく国家財政の歳出の原因を公共事業や防衛費、 公務員の給与だと無意識のうちに考えていた。しかし、それら すべてを合わせても16%。 つまり、 国家予算を半減 するためには歳出の半分を占めている社会保障費と 地方交付税交付金をゼロにするしかない。
著者は 度々ドラマ化された 「ハゲタカ」シリーズなど数多くのヒッ ト作を生み出してきた真山仁。「圧倒的リアリティ」が ありつつ、同時に読者に分かりやすく伝える 「物語の力」で気づけば引き込まれている。 私は今まで「自分には政治の話は無関係」だと思っていたし、もちろん、日本の財政に ついても無関心だった。 しかし、読み終わって気づかされた。
「問われているのは、そん な私も含めた有権者1人1人なのだと」