原田 ひ香著 『三千円の使いかた』

知能情報学部   4年生  Tさんからのおすすめ本です。

書名 : 三千円の使いかた(☜単行本は所蔵あります)
著者 : 原田 ひ香 著
出版社:中央公論新社
出版年:2021年

 

御厨家を中心とした、様々な世代における人生とお金に関するエピソード(フィクション)。貯金ができない一人暮らしの美帆や、73歳にして一千万円と今後のお金の不安を抱えた琴子、お金のことを全く考えてこなかった安生など。それぞれに転機が訪れる(又は起こす)中で、お金のことも考えながら人生を見つめ直していく話です。

この本をまず見つけたとき、自分なら三千円があれば何に使うのかと考えさせられた、千円とかでもなく中途半端な額で何に使えばいいかわからなく手に取り読んでみることにしました。独身OL、子育て世代、更年期、老後、それぞれのお金の悩みがリアリティをもって明るく描かれていました。琴子の節約は目的ではなく幸せになる手段、そして街絵のどこからでもまた始められる準備が必要、という言葉はずっしり来ました。御厨家はオカネに対する価値観が合い、自立しつつ助け合える家族で良かった。これから三千円を何かに支払うとき、私の人生これでいいのかな?と考えるようになるかもしれません。

大学生になって初めてアルバイトを始め自分で稼いだお金の中でどのように使用していくかよく服や靴などを買うことが多く家に何かを買って帰ると、お母さんから「あんた、また何か買ったの?」とよく言われ「自分で働いてもらったからいいでしょ」と言うこともあったが、節約することも覚えなさいと教えられていたと身に染みて感じるようになりました。自分のことを生まれてから社会人になるまでの学費などを払ってもらえてるのは節約をして自分に必要なものなどを見極めお金の管理などをしていたからだとわかりました。お金は人生の中で切っても切り離せないものなので、本書によりのめりこむことができました。これから社会人になり一人暮らしを始めるうえで気にしながら生活していこうと思える本に出合えてよかったです。