[藤棚ONLINE]フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生推薦「我慢して生きるほど人生は長くない」

図書館報『藤棚ONLINE』
フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生推薦「我慢して生きるほど人生は長くない」

鈴木裕介著
アスコム , 2021

 昨年、恩師が急逝し、精神的に辛い時期がありました。この本は、その時に父が贈ってくれたものです。

 この本には、心療内科医の目線で、穏やかな日々を過ごすためのコツについて書かれています。大切な人が亡くなった時、大きな病気に罹った時、人生において重要な決定をしなければならない時、多くの方は自分の人生のあり方や意味を真剣に考えるのではないでしょうか。私の場合、自分の人生のあり方を真剣に考えるたびに、自分の“ポンコツ”さが嫌になり、どんどん気が滅入ってしまいます。とにかく私の周囲には、恩師も含めて能力が高い方ばかりで、迷惑ばかりかけていることに、反省する日々を送っています。この本には、「人生は、ほどほどに“ポンコツ”がちょうどいい」ということを理論づけて書かれており、ポンコツも真面目に生きていればよいのかなと、少し気が楽になりました。

 他にも、人との上手な関わり方など色々なことが書かれていますが、この本の重要なメッセージは、「間違えた人生などないから、気楽に過ごしましょう。」ということだと思います。今を幸せと感じながら、感謝の心を忘れずに、学生の皆さんとともに楽しい時間を過ごしていきたいと改めて思いました。

 自分のことを“ポンコツ”かもしれないと思ってしまう方に、是非読んでほしい一冊です。