投稿者「図書館」のアーカイブ

ライブラリサーティフィケイト学生企画『古典文学を知ろう!』を開催中!

 現在、図書館入館ゲート入ってすぐのところで、KONAN ライブラリ サーティフィケイトの1級要件である学生企画として、『古典文学を知ろう!』を開催中です。

 ほとんどの学生さんは普段あまり触れる機会のないであろう日本の説話集、「宇治拾遺物語」、「日本霊異記」、「今昔物語集」について、知能情報学部3年の藤澤さんが紹介してくれています。理系ならでは?の面白い視点でいくつかのお話しが紹介されていますので、ぜひ紹介パンフを手に取ってみてください。

 この企画は9月まで開催しておりますので、図書館にお立ち寄りの際はぜひ見てみてください。もちろん展示されている関連図書は貸出可能ですので、この夏休み、ちょっと古典に触れてみるというのはいかが?(夏休み特別貸出は7/25からです!)。

特設コーナー設置作業中

エトガル・ケレット×西加奈子×秋元孝文先生

甲南大学図書館特設コーナー

 KONANプレミア・プロジェクト(ぶんたす)で、今年10月にイスラエルの作家・映画監督のエトガル・ケレット(Etgar Keret)・映画監督・女優のシーラ・ゲフェン(Shira Geffen)夫妻を甲南大学へ招聘する予定(※1)ですが、それに先立って7月4日(木)に、映画「Etgar Keret-based on a true story-」試写会が開催(※2)されます。
 それに伴い、図書館にも特設コーナーを設置しました。
 コーナーには秋元先生(文学部英語英米文学科教授)が翻訳を手がけられた『あの素晴らしき七年』を始めとしたエトガル・ケレット氏の著書だけでなく、『あの素晴らしき七年』 の書評 (※3) を執筆された作家・西加奈子さんの著書も並べております。
 ぜひ読んでみてください!

甲南大学OPAC
あの素晴らしき七年 / エトガル・ケレット著 ; 秋元孝文訳

※1 エトガル・ケレット&シーラ・ゲフェン 2019来日サイト on Strikingly

※2 【文学部】映画「Etgar Keret-based on a true story-」試写会開催について<7/4>

※3 エトガル・ケレット、秋元孝文/訳 『あの素晴らしき七年』 | 新潮社

マネジメント創造学部 小嶋健太先生へのインタビュー

-先生のオススメの本はなんですか

 CUBE生、1回生に向けてなら、『市場を創る』をオススメしますね。経済学入門で初級レベルのミクロ経済学を学習した後に読むと、目から鱗ですよ。

-なぜこの本をオススメするのですか

 初級レベルのミクロ経済学では、市場は効率的な資源配分を実現するが、万能ではないことを学んだはずです。しかし、「市場はつかみどころがなく、抽象的で、現実に役立たない」と思っている人も少なくないでしょう。
 そのような思い込みを良い意味で裏切ってくれるのが本書です。「とにかく市場に任せておけば大丈夫」とか「市場経済は格差を生むからケシカラン」といった乱暴な議論とは一線を画します。市場がうまく機能するためには、市場を支えるルールや制度をうまく「設計」することが重要であるということを、古今東西のさまざまな市場を例として具体的に説明しています。しかも数式やグラフはまったく登場しません。一般的なミクロ経済書ではスルーされることが明快に書かれていますので、この本を読めば市場という概念がぐっと身近なものに思えるはずです。

-このようにオススメの本を探すには何が必要だと思いますか

 経済・経営系の本には、経済学・経営学の知見に裏打ちされたものもあれば、著者のみに基づくものもあり、学部1回生ではなかなか判断が難しいと思います。そこで、10年以上前に出版された本でも、名著と言われる本をいくつか読んで(今回紹介した本も名著です!!)、経済学・経営学の思考回路に触れることが先決だと思います。どの本が名著と評判なのかは、大学の先生方が最もよく知っています。次に、そういった本の最後に書かれている参考文献とかリーディング・ガイドに載っている本にあたると、芋づる式に良い本に巡り合えるはずです。

<小嶋健太先生おすすめの本> ジョン・マクミラン著 ; 瀧澤弘和, 木村友二訳 『市場を創る : バザールからネット取引まで 』 NTT出版,2007年

文学部 高田実先生へのインタビュー

文学部 4年生 金澤舞奈さんが、文学部 高田実先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

―学生時代、どのような本を読んでいましたか。

基本的に何でも読みました。例えば、松本清張や堀田善衛ら社会派の小説。井上ひさしであれば、『吉里吉里人』などです。海外の作品であれば、シェイクスピアなどの古典的なものを読みました。

―好きな作家は誰ですか。

松本清張、堀田善衛、井上ひさしの三人です。とくに堀田善衛が最も好きです。

―学生のとき、影響を受けたのはやはり社会派の本ですか。

そうだね。『昭和史発掘』など松本清張は皆が読んでいました。

―電子書籍で本を読みますか。

はい、読みます。最近の流行本はKindleで購入することがあります。けれども、再読する本は紙の方を選びます。

―本は好きですか。

読むのは嫌いです。僕はスポーツ人だったので、どうすればヒットが打てるかなどを知るために、ハウツー本ばかり読んでいました。そのときは、読書よりも運動する方が楽しく感じていました。本を読むのが楽しく感じられるようになったのは、大学生になった後です。

―学生に伝えたいことはありますか。

本は集団で読んでください。一人で読書すると、自分の視点しか入りません。読んで、その本の感想を誰かと話した方が良いです。僕は学生のとき、皆で同じ本を読み、ディスカッションをしました。知は集団的なものです。誰かとコミュニケーションを取り、対話のなかで読むことを学生にしてほしいです。

―インタビューを終えて

インタビューのなかで、高田先生が「人生に読んだ本の九割は学生時代に読んでいる」と話していたことが大変印象に残っています。働き始めると時間を取りにくくなります。まだ時間がある学生の間に、もっと本を読もうと感じました。

―電子書籍で本を読みますか。 はい、読みます。最近の流行本はKindleで購入することがあります。けれども、再読する本は紙の方を選びます。

―本は好きですか。

読むのは嫌いです。僕はスポーツ人だったので、どうすればヒットが打てるかなどを知るために、ハウツー本ばかり読んでいました。そのときは、読書よりも運動する方が楽しく感じていました。本を読むのが楽しく感じられるようになったのは、大学生になった後です。

―学生に伝えたいことはありますか。

本は集団で読んでください。一人で読書すると、自分の視点しか入りません。読んで、その本の感想を誰かと話した方が良いです。僕は学生のとき、皆で同じ本を読み、ディスカッションをしました。知は集団的なものです。誰かとコミュニケーションを取り、対話のなかで読むことを学生にしてほしいです。

―インタビューを終えて

インタビューのなかで、高田先生が「人生に読んだ本の九割は学生時代に読んでいる」と話していたことが大変印象に残っています。働き始めると時間を取りにくくなります。まだ時間がある学生の間に、もっと本を読もうと感じました。

[藤棚ONLINE] 村嶋館長推薦本 『ノモレ』

図書館報『藤棚ONLINE』
図書館長 村嶋貴之 先生(フロンティアサイエンス学部) 推薦

甲南大学OPACリンク

書名:ノモレ
著者:国分拓
出版社:新潮社
出版年:2018年
配置場所:図書館1階開架一般 369.68//2002

 「息子たちよ、ノモレを探してくれ。」これはこの本の帯に書かれている一文である。ノモレとは仲間であり、100年前に逸れた仲間の末裔を探して欲しいという曽祖父たちの願いを表している。
 著者の国分拓は、これまでに大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞しているNHKのディレクターである。本書はNHKスペシャルのための取材を元に書かれたノンフィクションであり、ペルー・アマゾンの集落の若き村長である主人公ロメウが、「100年前にゴム農園での搾取から逃れようとして森に消えてしまったノモレの末裔が、今もイゾラド(文明と未接触の先住民)と化して生きている」と信じ、ノモレを探し、接触を試みる顛末を記録にとどめたものである。
 最近になって未確認のイゾラドと思われる部族の目撃情報が増え、ロメウの部族であるイネ族が襲われるという事件が起こったため、そのイゾラドがノモレではないかと信じるロメウが粘り強く接触を試み、信頼関係を築く。こうして始まった、ロメウがノモレと信じるイゾラドとイネ族の2年に渡る交流のエピソードは感動的であるが、食料の支援が困難になったことなどから少しずつ齟齬が生じ始める。最終的に、イネ族の居留地に人が少なくなった隙にイゾラドが集落を襲い、イネ族は避難民となってしまう。それでもロメウはノモレとの邂逅を信じ、こうした活動を続ける。
 著者の緻密な観察眼を通して、文明と触れたことのない種族の反応が色彩や音まで感じられそうな筆致で表現されているあたりはノンフィクションの名手としての面目躍如たるものがある。また、ロメウの過去の経験に基づく独白に続いて、次の章でその過去の経験が述べられるといった構成で、時間が前後して語られる部分が複数あり、ノンフィクションとしては全容の把握に多少の引っ掛かりを感じるが、それが読み手の好奇心を刺激して、この「ロメウの物語」に躍動感を与え、命を吹き込んでおり、映像制作に携わる著者ならではの、カットバックの手法が生きた作品である。
 本書が問いかけるのは「イゾラドと文明は未接触のままで共存できるのか」という命題であるが、私が読後に最も強く感じたのは、高度に文明化された我々と自然と共存しているイゾラドの、どちらが幸せなのかという疑問であった。 いずれにしても、ロメウは今日もイゾラドを絶滅から守るための活動を続けている。ノモレに会えると信じて。  

 

【図書館事務室より】
 令和元年度より、図書館報『藤棚ONLINE』を始めました。『藤棚』はこれまで冊子で発行しておりましたが、より多くの方に閲覧いただくために、今後は図書館ブログを利用し、オンラインで発行します。
  『藤棚ONLINE』 では、図書館長や図書館委員の先生方によるおすすめ本の紹介や、本や図書館にまつわるエッセイなどを定期的に公開します。トップバッターの村嶋館長に続いて、各学部の先生方が執筆されますので、折々にご訪問ください。

KONANサーティフィケイト認定授与式

本日のお昼休み、KONANサーティフィケイト認定授与式が開催されました。
ライブラリ分野からは5名が出席、ライブラリ分野1級に認定された学生さんが代表として登壇、認定証および記念品が授与されました。
学長祝辞の激励を受け、また次の目標に向けて頑張ってもらいたいと思います。

卒業生をメインに据えた認定授与式は3月に実施済み。こちらは式典の後に軽食付きの懇親会あり。教職員と学生が和気藹々と懇談、途中で認定学生から一言ずつ活動の感想をいただいたりしました。

最後に認定学生と長坂学長含む先生方など全員で記念写真。
これからも頑張ってください!