投稿者「図書館」のアーカイブ

庄司克宏著『欧州ポピュリズム EU分断は避けられるか』

  法学部 1年生 匿名希望さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)


書名: 欧州ポピュリズム EU分断は避けられるか
著者: 庄司 克宏
出版社:筑摩書房
出版年:2018年

近年、欧州がポピュリズム化している現状がある。このような現状に作者は、EUの組織がどのような存在であるか、EUの運営がどのようになっているかを述べ、ポピュリズムがなぜ欧州で発生したのか、これからのEUがどうなっていくのかをこの本で解説している。

また、このポピュリズム化する欧州に対してリベラルなEUという組織がどうあるべきか述べられている。EUという組織はリベラル・デモクラシーであり、多元主義、法の支配、多文化主義があげられる。それに対して、近年欧州に現れてきたポピュリズムとは、反エリートであり、強い主導者を求める傾向がある。このようにEUとポピュリズム化する流れのある社会の中で亀裂が生じている。EU組織は今、欧州ポピュリズムを封じ込めるよう模索している点があるが、果たしてよい結果となるのだろうか。EU組織やポピュリズム化する欧州について詳しく本書で書かれていて、これからの欧州について考えるに良い本である。

興味がある人はぜひ、読んでいただきたいです。

 

細川直子著『トルコの幸せな食卓』

  法学部 1年生 匿名希望さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)


書名:トルコの幸せな食卓
著者: 細川 直子
出版社:洋泉社

出版年:1999年

私立の図書館でこの本を見つけたことがこの本との出会いです。

トルコは地理的に様々な文化が混じり合う所です。そのため、様々な食文化があります。

例えば、トマトといえばスペインを想像するかもしれません。しかし、トルコ料理の基本的なものはトマト料理なのです。トマトだけを売っている屋台があるそうです。

トルコ料理として思い浮かぶのはシシカバブーやトルコアイスかもしれませんが、実はそれ程トルコでは食べるものではなかったりするのです。とても驚きが隠せませんでした。

この本では、写真が数多く載っていて写真を見るだけでも十分に楽しむことができます。また、一つ一つの料理を作者の思い出とともに描かれているので、クスッとできる部分があったりします。話口調で書かれているので次々と読み進めることができます。メインとして書かれているのはトルコの家庭料理ですが屋台のことや文化の違いも載っていて、読んでいるとトルコに行きたいなと思う人がたくさん現れると思います。おなかがすいているときに読むのはお勧めしにくいです。読んでいると本当におなかがすいてきます。

本の最後のほうには、トルコ料理の作り方が載っています。日本の食材で作れるトルコ料理本はなかなか無いと思います。作者の料理に対するコメントもあって作らなくても楽しく読むことができます。

東西の文化の混じり合う所であり、黒海やエーゲ海、地中海に囲まれたトルコの食べ物のおいしさ、変わった文化を文字で味わってみませんか。チャイを飲みながら読むなんてどうでしょうか。

ぜひ、トルコ料理の魅力を知ってみてください。

ライブラリサーティフィケイト学生企画 ポスター展示『人類は真理の扉を開けるか』を開催中!

現在、図書館内南階段の踊り場のところで、KONAN ライブラリ サーティフィケイトの1級要件である企画として、ポスター展示『人類は真理の扉を開けるか』を開催中です。

自然科学・社会科学・人文科学の関わりやそれら自体を取りあげた図書の紹介をポスター展示しています。
4つのコンセプトにわけ幅広い分野の本を取りあげているので、きっとこの中に読んでみたくなる本が見つかります。

展示でおすすめしている本は図書館で借りることができるので、興味をもった本があれば借りて読んでみてください。

この企画は5月上旬まで開催しておりますので、図書館にお立ち寄りの際はぜひ館内南階段の踊り場へ足を運んでみてください。

展示風景

 

 

富樫公一(公認心理師養成センター所長)『精神分析が生まれるところ 』

<教員自著紹介>

心の問題に向き合う臨床家は、患者を評価し、そのアセスメントに基づき正しいアプローチを取るのが適切だとされます。しかし、正確なアセスメントは可能なのでしょうか。「正しいアプローチ」が本当にあるのでしょうか。「病んだ」患者は、もともといたのではなく、臨床が作り出したということはないでしょうか。本書は、精神分析に限らず、臨床実践に携わる専門家や学生とともに、臨床における出会いの原点を探ります。

■『精神分析が生まれるところ 』
■ 富樫 公一[著],    岩崎学術出版社 , 2018年10月
■請求記号 146.1//2362                                         ■配架場所 図書館1F 教員著作
■著者所属    富樫 公一(公認心理師養成センター所長 )

書評が「週刊読書人」に取り上げられました。                               https://dokushojin.com/article.html?i=5124

前田正子(マネジメント創造学部)『無子高齢化』

<教員自著紹介>

日本の人口は減り続けています。2018年には92.1万人の赤ちゃんが生まれましたが、136.9万人の人が亡くなっています。つまり1年間で44.8万人の人口が減ったのです。毎日約1200人が日本から消えていたのです。しかも日本の人口はこのままでいくと一世代ごとに、3割ずつ減っていくことになります。

なぜこんなことになっているのでしょうか?その前に政策的な対応は不可能だったのでしょうか?少子化の現状とその背景について考えます。

■『無子高齢化』
■ 前田正子[著],    岩波書店 , 2018年11月
■請求記号 334.31//2065                                         ■配架場所 図書館1F 教員著作
■著者所属   前田正子(マネジメント創造学部 )

秋元孝文(文学部)『ドルと紙幣のアメリカ文学 : 貨幣制度と物語の共振』

<教員自著紹介>

たった一枚の紙幣にも、膨大な情報が詰まっていて、無限の「読み」の可能性を提供してくれる。

ドルという紙幣とアメリカ文学作品の双方が、いずれも紙を媒介として、いかなるストーリーを紡いできたのか?

アメリカにおける紙幣のあり方の変遷をたどりながら、その時代時代に発行された紙幣のデザインをテクストとして読み、同じくフィクションであるメルヴィル、トウェイン、ボーム、ジャック・ロンドン、フィッツジェラルド、ウィリアム・バロウズ、ポール・オースター等の文学作品における想像力と通底するものを探る野心的アメリカ文学評論!

■『ドルと紙幣のアメリカ文学 : 貨幣制度と物語の共振
■ 秋元孝文[著],    彩流社 , 2018年 10月
■請求記号 930.29//2189                                          ■配架場所 図書館1F 教員著作
■著者所属   秋元孝文(文学部 )