投稿者「図書館」のアーカイブ

古田清和 ほか著(共通教育センター)     『社会福祉法人の運営と財務』

<教員自著紹介>
 社会福祉に関連して最近の介護や待機児童の問題など我々の周りで身近に起こっています。政府もこれらの担い手である、社会福祉法人の改革に乗り出していて、ガバナンスの向上や会計監査の導入が決まっています。改正された社会福祉法に準拠しながら、サービスを提供する側と利用する側の双方が活用できるように、コンパクトに要点を解説しています。

■『社会福祉法人の運営と財務』
■古田清和 [ほか著] 同文舘出版  2016年5月
■請求記号 369//2203
■配架場所 図書館1階教員著作コーナー
■著者所属 共通教育センター  教授
 
■古田先生からのお薦め本
『20歳になったら知っておきたい会計のはなし』  古田清和 [編集代表]
請求記号 336.9//2754
配架場所 図書館1階シラバス

 特設科目(社会とファイナンス)でも使用していますが、学生の間に知っておくべきお金の話が中心に記載されています。専門的な会計用語を使わずに、社会に出てからも役立つ知識を示し、現在のお金にまつわる話をはじめ、今後のライフ・プランを考える上での参考にして下さい。

古田清和 著(共通教育センター)『親子会社・グループ企業 監査役等の実務対応』

<教員自著紹介>
  企業のコーポレート・ガバナンスがクローズアップされる中で、監査役等の役割は重要性が高まってきている。また、企業統治の形態が多様化する中で、子会社等での会計不正事例が起こり、企業集団としての対応が求められている。さらに不祥事に関連して、会計監査の信頼性が揺らいでいる。そのような中で、監査役等はどのように考え行動すべきか、必要とされる実務を解説している。

■『親子会社・グループ企業 監査役等の実務対応』
■古田清和 著 弁護士会館ブックセンター出版部LABO 2016年2月
■請求記号 325.243//2113
■配架場所 図書館1階教員著作コーナー
■著者所属 共通教育センター  教授
 
■古田先生からのお薦め本
『会社役員・財務経理担当者のための監査入門』  古田清和 [ほか著]
請求記号 336.97//2182
配架場所 図書館1階教員著作コーナー

監査の話は専門的な知識が必要といわれますが、日本の経済社会にとっては基本的なインフラであり、様々な組織形態に導入されてきています。とくに監査の実務を実践して行くには、監査を行う側と、受ける側が、共通の土台に立つ必要があります。そのための入門書で、誰でもが取りかかれるように監査を家電の保証書から説明しています。

星野道夫著『旅をする木(星野道夫著作集3)』

書名: 旅をする木(星野道夫著作集3)
著者: 星野道夫
出版者: 新潮社  出版年: 2003年
場所: 1階開架一般  請求記号: 295.394/3/2001

「アジール」という言葉をご存知でしょうか?
ギリシア語で「害されない」「神聖不可侵」といった意味をもつ「asylos」から派生したドイツ語です。
歴史学でよく使われるのですが、近代以前の社会で、社寺や教会のように、社会的な暴力から避難できる聖域を指す言葉です。

法律が整備された現代では、こうした「アジール」は消えてしまいました。
ですが、誰しも一度は社会の圧力から逃げ出したい、と思ったことがあるのではないでしょうか?
現実に逃げ出すことはできなくても、本を使って自由な世界へ旅をすることはできます。

と、こう書くと、「本は全部そうでしょ」と突っ込まれるところですよね。
ですから、今回は、本当に現代における「アジール」へ旅ができる本、星野道夫著『旅をする木』をおすすめします。

星野道夫の肩書は写真家ですが、優れたエッセイストでもあります。

満点の星空、怖ろしいほど美しいオーロラ、沈まない太陽、此方から彼方へ移動するカリブーの大群。
圧倒的に広大な自然と共生し、古い生活を続ける人々と触れ合いながら生きる日々。
星野氏の純真な言葉は、現実に存在する異世界を実感させてくれます。

大勢の人が押しこめられた都会の日常から、遥か遠くへと旅をしたくなったら、頁を開いてみてください。

『旅をする木』は文春文庫から発売されていますが、図書館では文庫版は所蔵していません。
『星野道夫著作集3』に収録されていますので、そちらをご利用ください。

2016年度 第1回店頭選書を行いました。

2016年10月7日(金)、ジュンク堂書店大阪本店で 学生3名と図書館職員で図書館の本を選書しました。 図書館に置きたい本を書棚から選んで、 ハンディーターミナルで裏表紙のISBN(バーコード)を スキャンしていきました。

ご協力いただいた3名の方、ありがとうございました。 図書館では年1~2回店頭選書を実施しています。 興味を持った人は是非次回参加してみてください。

選書した本は、近日中に図書館1階、新着コーナーの左隣に並べる予定です。 (一定期間を過ぎると通常書架に並びます。)

店頭選書参加学生の感想

**文学部日本語日本文学科 中西聖也さん**

店頭選書に参加するのは、今回で二回目です。昨年に選んだ時よりもだいぶ余裕を持って本を選べたように思います。どんな本だったら、大学生の役に立ちそうか、文学や語学に興味を持ってもらえそうかを考えながら選びました。

普段本屋に行く時と違って、自分のためでなく、図書館のために本を選ぶというのは新鮮で良いものでした。自分の選んだ本が誰かの役に立ってくれると嬉しいです。

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**文学部日本語日本文学科 富依佳央さん**

店頭選書のボランティアに参加するのは初めてで少し戸惑うこともありました。自分が読むためだけの本選びではなく、他の人も興味を持って手に取ってもらえるような本選びというのは、普段の自分が見る本選びの目線とは違うところから見ることができたのでとても有意義な時間だったと感じました。

次回もこのような機会があれば是非参加したいと思います。

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**文学部社会学科 古野莉彩さん**

店頭選書に行くまでは正直どういう本を選べばいいかわかりませんでした。しかし、実際に店頭に行ってみると、おもしろそうだなと思う本がどんどん出てきてもっと時間がほしいなと感じるほどでした。できるだけ、学生が興味を持って手に取ってもらえるような本をいろんなジャンルから選ぶよう心がけていました。たくさんの学生さんに読んでもらえると嬉しいです。また、これをきっかけに本に興味を持つ人が増えてくれたらやりがいを感じます。

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秋期公開講座「大学図書館と貴重資料コレクション」関連の展示をします。

10月22日から秋期公開講座「大学図書館と貴重資料コレクション」が開催されます。

現代において大学図書館が果たすべき役割とは何でしょうか。大学図書館には、図書などの資料等を収集・保管し、利用者の教育・研究に必要な資料・情報を提供するという役割があります。その中でも、大学図書館が収集・保管している資料等には、他の図書館では見られない、貴重なものがありますが、甲南大学図書館が所蔵している貴重資料コレクションとしては、九鬼文庫・阿部文庫・シェイクスピア全集版・シベリア関係史料等があります。今回の公開講座にあわせて、甲南大学図書館では、エントランスホールにおいて、所蔵する貴重資料を展示するとともに、公開講座の各講座内容にあわせて、関連資料を下記のとおり週替わりで公開いたします。

この秋期公開講座関連の展示は、11月12日(予定)まで開催しておりますので、ぜひお気軽に図書館までお立ち寄りください。

展示内容

展示期間(予定)

本の歴史

10月18日(火)~10月24日(月)

シェイクスピア関係

10月25日(火)~10月29日(土)

九鬼周造関係

10月31日(月)~11月5日(土)

平生釟三郎関係

11月7日(月)~11月12日(土)

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瀬尾まいこ『戸村飯店青春100連発』

  文学部 3年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:戸村飯店青春100連発
著者:瀬尾まいこ
出版社:文藝春秋
出版年:2012年
 *図書館所蔵分は、理論社から2008年に発行されたものです。

 この作品は、大阪の下町の中華料理店、戸村飯店で育った、外見も性格も異なる兄弟を描いた連作短編集です。人情味溢れ、吉本新喜劇が大好きで、阪神タイガースを熱烈に応援するという大阪の気質に馴染めず、東京の小説の専門学校に通い、家を出て行った要領のよい兄のヘイスケと、先述した大阪気質に馴染み、陽気でひょうきんで何事にも全力で取り組む弟のコウスケ。この物語は、彼らの青春や葛藤を如実に味わわせてくれます。  

 この作品の最大の魅力は、意外性だと私は感じています。陽気で悪知恵の働きそうな表情を浮かべた兄弟が描かれた表紙とは異なり、ヘイスケもコウスケもそれぞれ悩みを抱え、繊細で傷つきやすい部分も持つ少年として描かれています。また、2人が、それぞれに対して抱いていたイメージが、それぞれの本心とは違っている点も楽しめると思います。このことは、章ごとにヘイスケとコウスケの交互の視点で展開されているからこそ、味わえるものであると思います。読み進めるにつれて、周りが思う自分と本来の自分のギャップに苦しむという思春期ならではの苦しみに共感し、彼らを応援したくなってしまうはずです。そして、ヘイスケとコウスケは離れてみて初めて、相手の立場や事情や思いに気づき、自分が抱くイメージと相手の本心のギャップを埋めていき、少しずつ歩み寄っていきます。2人が心の底では、お互いを心配したり、理解しようとしたりしていることが感じられる文章も多く見られます。これらのことから、この物語を読むことは、兄弟の大切さや絆を再確認し、自分の家族との関わり方を見つめ直すきっかけになるということが言えるのではないのでしょうか。それに、目の前のことに全力で取り組むことで、見えてくるものや得られるものがあるということをすごく感じさせてくれる作品であるとも思います。生まれ育った場所に馴染めず、居場所を求めて新しい世界に飛び出したヘイスケと、居心地の良い場所から外に出るのを恐れながらも新しい世界に羽ばたいていこうとするコウスケ。それぞれの目的は違うけれど、彼らの心の奥底には“戸村飯店”があります。“戸村飯店”を主軸に展開される、青春群像劇を楽しんでみて下さい。