5-2.教員インタビュー」カテゴリーアーカイブ

フロンティアサイエンス学部 村嶋貴之先生へのインタビュー

文学部 4年生 中西聖也さんが、フロンティアサイエンス学部の村嶋貴之先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

―本はよく読まれますか?

本は好きなのでよく読みます。最近は忙しいですが月に6冊程度、ミステリーや古めの純文学をよく読みます。最近はkindleで読むことが多いです。

―小さい頃はどんな本を読んでいましたか?

昔から僕は理科少年だったので、自然科学分野の本が好きでした。小学生の頃は図書館で借りて読んでいました。ホームズやルパンなども好んで読みました。

―化学の分野に興味をもったきっかけは何ですか?

 理科は全般的に好きでしたが、高校の化学の先生の影響はすごく受けたと思います。化学が苦手な子に対して、「有機化学は少し違う分野だから、頑張ったら化学が好きになるよ」と教えていて、実際に大学の講義では、これまでの暗記する化学とは違う印象を受けました。自分の手を動かして新しいものを作り出せることにも興味を持ったので、有機合成を選びました。

―現在図書館長に就かれていますが、何か展望はありますか。

 現在は本棚が埋まってしまっている状態なので、大学生が本当に必要としている、役に立つ本を選べるように学生たちの意見を取り入れていきたいと考えています。

―有機合成化学に興味がある方、一般的な大学生に薦める本をそれぞれ一冊ずつ教えてください。

 有機化学に興味がある方にはピーター・サイクスの『A Guidebook to Mechanism in Organic Chemistry』(『有機反応機構』)。僕が学生の頃に「この本を読んだら絶対有機化学が好きになる!」と学生同士で言っていて、自主ゼミで輪読していました。大学生の中でも新入生には、梅棹忠夫『知的生産の技術』。知的なことを生み出すために、日頃どういうことを実践したらいいかなど、論理的にものを考える方法が具体的に書かれています。

―インタビューを終えて

 私はずっと文系の道を歩いてきたので、理系の方の話を聞けるのはとても新鮮なことでした。物心ついた時から理科が好きだったと話されていて、学問への好奇心の大きさに驚きました。図書館の展望についてもお話いただき、とても貴重な経験となりました。

 

<村嶋貴之先生おすすめの本> 
  ピーター・サイクス/久保田尚志著  『有機反応機構(第5版)』 東京化学同人,1984年

 梅棹 忠夫著  『知的生産の技術』 岩波新書,1969年
  

  
  

(インタビュアー:文学部 4年 中西聖也)

経済学部 林健太先生へのインタビュー

経済学部 3年生 Mさんが、経済学部の林健太先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

  • 1年間にどれくらいの頻度で読書をされますか

研究費で色々な種類の本を買って目を通すのですが、じっくり最後まで読み切る本はそんなに多くありません。年に5~6冊程度でしょうか。私の研究分野が情報産業系というのもあって、ネット上の情報で結構こと足りるので、ブラウザでテキストを読んでいる時間の方が多いです。本を読むのはまとまった時間がいるので、長期休暇の時に読みます。

  • 読む本はどうやって選んでいますか

普通に本屋さんに行ってタイトルを見たり、アマゾンのおすすめに出てきたものを買ったりします。ネット上で気になったワードをもとに探すことや、ネットや本に書かれている参考文献を参照することもあります。必要だと思ったら価格はあまり気にせず買います。

  • 本を読むのは好きですか

好きですが、今は完全にネットに時間をとられていて、そっちにまで手が回っていません。でも子供が生まれてからは、子供に読む本としてまた徐々に手に取るようになってきました。妻が図書館が好きで、せっせと本を借りて来てくれるので、面白かったものは買って家に置いたりしています。

  • 人生を変えた本はありますか?

カール・シャピロ、ハルR・バリアンの『「ネットワーク経済」の法則』(原題は『Information Rules』)です。大学院生時代に読んで、それ以降、研究上でかなり影響を受けました。私の研究はこの本が下敷きになっています。1998年のまだインターネットが良く知られていない時代に書かれた本なのですが、非常に鋭い分析がされています。今の時代も、この本に書かれたことの延長線上にあるものがかなり多い、凄い本です。初期のころのゼミ生には、原書を渡して解読する課題を出したりもしました。

  • 学生にお勧めの本を教えてください

『シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃 : FintechIoTCloud ComputingAIアメリカで起きていることこれから日本で起きること』ですかね。今の私のゼミの課題図書でもあります。2016年の本なので、それ以降のことは書いていませんが、情報通信産業の中心であるシリコンバレーで何が起きているのかについて書かれた本の中でもよくまとまっていて分かりやすく、文章も読みやすい良い本だと思います。

  • あとがき

初めてのインタビューで至らない点もあったかと思いますが、優しく対応してくださり、興味深いお話を多々聞かせていただきました。上記にまとめきれなかった話も多く、より上手く内容をまとめられるようになることが今後の課題です。先生の研究のルーツになった本『「ネットワーク経済」の法則』は、いつか時間を作って読んでみようと思います。忙しいなか、インタビューに快く応じてくださり、ありがとうございました。

 

<林健太先生おすすめの本> 
  櫛田健児著  『シリコンバレー発アルゴリズム革命の衝撃 : Fintech, IoT, Cloud Computing, AI…アメリカで起きていること、これから日本で起きること』 朝日新聞出版,2016年
   

(インタビュアー:経済学部 3年)

文学部 久松睦典先生へのインタビュー

文学部 1年生 Mさんが、文学部の久松睦典先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q.先生はよく本を読まれますか?月に何冊ほどでしょうか? 

A.10冊か20冊くらいは目を通していると思いますが、ちゃんと頭からお終いまで読む時間がなかなか取れません。 

Q.どのようなジャンルの本を読まれますか? 

A.臨床心理学に関する本から漫画まで。 

Q.どんな時に本を読まれますか? 

A.電車で移動しているときか、カウンセリングの合間の時間に読むことが多いです。 

Q.先生が学生の頃はどんな本を読んでいましたか? 

A.哲学書や精神病理学などの難しい本を読んだら、賢くなれるんじゃないかと勘違いして図書館に通っていました。 

Q.学生時代に読んだ本が、今の自分に影響していますか? 

A.多少は身になっていると思いたいです。 

Q.先生は甲南大学で心理学基礎論の講義を行っていますが、先生が心理学に興味を持ったきっかけはなんですか? 

A.あまり器用な方ではなかったので、自分や他人の心もよくわからなかったのです。 
扱いにくい自分の心をもっとよく知りたいということがきっかけだったと思います。 

Q.先生のおすすめの本を紹介してください。その理由も教えてください。 

A.「このこと(例えば子供のカウンセリング)に関しておすすめの本は何ですか」 と尋ねられたらいくつか挙げることはできると思うのですが、
そうでなければ「ちょっとでも興味を持ったら、選り好みせずたくさん読んでみてください」と言いたいです。 
それから、本だけでなく、いろいろな人に出会って話す機会もたくさん持ってください。   
   
   
(インタビュアー:文学部 1年)

文学部 佐藤泰弘先生へのインタビュー

文学部 2年生 金澤舞奈さんが、文学部の佐藤泰弘先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

今回は本の読み方と推薦する本を紹介していただきます。

1.どのような方法で本を探しますか
 本屋でとにかくすべての分野を見てまわり、本を選んでいます。また、新聞や学術雑誌の新刊紹介、書評も参考にしています。学生時代では、友人に面白い本を紹介してもらったりもしていました。

2.どういった時間帯に本を読みますか
 通勤電車やちょっとした空き時間に読んでいます。とはいえ、基本的には気が向いたときに読書をしています。

3.最近は電子書籍が増加してきましたが、先生はそれで読書をしますか
 電子書籍では読みません。紙の本で読みます。

4.おすすめの本は何ですか
 神林長平の『あなたの魂に安らぎあれ』です。私は滅多に再読しませんが、この本は何度も読み返しました。漫画であれば、田島列島『子供はわかってあげない』です。これは最近、読んで面白かった本です。萩尾望都の作品もおすすめです。

5.学生時代に読んで、影響を受けた本は何ですか
 サマセット・モームや光瀬龍『百億の昼と千億の夜』です。サマセット・モームの本は高校英語の教科書に掲載されていました。これらの本はその後の人生観や感性に影響を及ぼしたと思います。専門書であれば、保立道久『中世の愛と従属』に影響を受けました。

6.いま、私たちに月どのくらいの本を読んでほしいと思っていますか
 私からはとくに言うことはありません。読みたくなければ読まなくてもいいと思います。無理に読む必要はありません。とはいえ、講義を聞いている先生の著作くらいは読んで見てください。

7.インタビューを終えて
 約30分の短い時間ではありましたが、貴重な話を聞くことができました。お恥ずかしながら、私は先生方の著作を読もうと思ったことは非常に少ないです。小説を読もうということばかり考えていました。先生方の著作は大学図書館にあるので、これを機に読んでいこうと思います。お忙しい中、インタビューに答えてくださってありがとうございました。

 

<佐藤泰弘先生おすすめの本> 
神林長平著  『あなたの魂に安らぎあれ』 早川書房,1986年
  

  
  

(インタビュアー:文学部 2年 金澤舞奈)

理工学部 平井崇晴先生へのインタビュー

理工学部 1年生 村上一寿さんが、理工学部の平井崇晴先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

  • おすすめの本は何ですか

 たくさんあるので一番は決められないですが、数学的なもので言えば「今、なぜ和算なのか」「数学はいつも苦手だった」などです。数学関係でなく一般的なもので言えば「いろはにほへと」というお坊さんの説法集です。分かりやすいけど深いことが書いてあり、数学的に読んでみても面白いです。(笑)
真とは何かを突き詰めていることが数学であるとするなら、やっぱり共通するところがあると思います。そんなことを考えずに読んでも面白いですが… 
 結局は、何でも先生だと思わなきゃいけないです。本からでも学べるし、人からでも学べるし、先生でも生徒からでも学べると思います。その究極は物からでも学べるということです。その最たる例が、横綱双葉山という連勝記録を持った力士が負けた時に言った言葉が「未だ木鶏たりえず」というのであり、木鶏のように不動の気持ちでいられなかったという意味です。つまりは、森羅万象何からでも学ぼうとする気持ちが大事です。そうすると、本を読むときに、数学にでも、今考えていることにでも関係づけることができます。だから別に「おすすめの本」とか言わなくても、なんでもいいと思います。(笑)

  • 授業などで人に何かを伝えるときに大事だと思うこと

 あんまりいろいろ考えてないよ(笑)唯一考えていることとすれば、自分が面白いと思っているかです。普通の畏まった人からするとふざけていると思われるかもしれないですが、それでも自分が面白いと思うことは曲げずに、問題があったら後であやまります。それに派生して、結果として気を付けていることは、相手も面白いと思っているかどうかです。自分が面白いと思っていても相手が面白いと思っていなければ、こちらも面白くないので。だから、「分かった」よりも「ウケがとれたか」です(笑)

  • あとがき

 とてもおもしろいインタビューをさせてもらえました。「なんでもいい」という奇抜な答えに驚きましたが、確かに周りのもの全てから学ぶことが大事だと思いました。

 <平井崇晴先生おすすめの本>
田村三郎著  『今、なぜ和算なのか』 現代数学社,2015年
 

 
 

 

 

 

(インタビュアー:理工学部 1年 村上一寿)

理工学部 中島裕夫先生へのインタビュー

理工学部 1年生 村上一寿さんが、理工学部の中島裕夫先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

  • どのような本を読みますか

 主に科学と思考に関係した本ですが、いつも疑問に思っていることや意外に感じたことについて書かれている本を見つけた時には、生物学にかかわらずどの分野の本でも読みす。
 最近は時間がなく読む機会がなく残念ですが、小説では医学、科学に関した本が多いです。つじつまが合っているものであれば、SFやファンタジーもありです。
 大学生の時は、ロビン・クック、マイケル・クライトン、渡辺淳一など、子供の時はコナン・ドイルの本を殆ど読みました。

  • お勧めの本は何ですか

 思考の整理学 外山滋比古著 筑摩書房 1986年
 脳のなかの幽霊 V.S.ラマチャンドラン, サンドラ・ブレイクスリー著 角川文庫 1999年
 徳川将軍家十五代のカルテ 篠田達明著  新潮社 2005年
 命を守る生体の機構と科学 伊勢川裕二著 武庫川女子大学出版部 2015年
 放射線必須データ32:被ばく影響の根拠 田中司郎著  創元社 2016年
 美女の骨格 名画に隠された秘密 宮永美知代著 青春出版社 2009年

  • 授業などで人に何かを伝えるときに大事だと思うことは何ですか

 できるだけシンプルに表現するように努めて、どのように受け取られるか、この表現で伝えたい事とは違う意味に伝わらないか(別の意味にも取られないか)を考えます。また、いくつかの表現を使って説明するように努めています。 

  • あとがき

 もともと医学生物学に興味があったためロビン・クックや渡辺淳一、お薦めの本(上の6つ)の概略を聞かせてもらう時、とても興味が湧きました。「思考の整理学」は学問を修める上で重要だと強く薦められ自分もそう思うので、また読んでみようと思いました。

 <中島裕夫先生おすすめの本>
外山滋比古著  『思考の整理学』 筑摩書房,1986年
V.S.ラマチャンドラン, サンドラ・ブレイクスリー著  『脳のなかの幽霊』 角川文庫,1999年
篠田達明著  『徳川将軍家十五代のカルテ』 新潮社,2005年
伊勢川裕二著  『命を守る生体の機構と科学』 武庫川女子大学出版部,2015年
田中司郎著  『放射線必須データ32:被ばく影響の根拠』 創元社,2016年
宮永美知代著  『美女の骨格 名画に隠された秘密』 青春出版社,2009年

 

 

 

(インタビュアー:理工学部 1年 村上一寿)