5-2.教員インタビュー」カテゴリーアーカイブ

司書教諭課程 村上 幸二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、司書教諭課程の村上 幸二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書教諭課程の先生でいらっしゃる村上幸二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、なんでしょうか?

私は昔からリアリティのある内容が好きで、実話にもとづいた本が好みでした。小さい頃はもっぱら伝記を読んでいました。小学生のとき読んだ『太閤記』で、秀吉の下積み時代に信長の草履を懐に入れて温めておいたというエピソードが当時は特に印象的で、いろいろな意味で人としての生き方が学べて面白いと思いました。学校の先生が教えてくれないことも本から学ぶことができるのがいいですね。

これまで読んだ本で衝撃的だったのが、これも小学生の時に読んだ次の本です。

・『ソビエト帝国の崩壊―瀕死のクマが世界であがく』(小室直樹, 光文社, 1980年)

今の若い人には意外と思われるかも知れませんが、1980年代のソ連といえばオリンピックや軍事力で最強の国というイメージがありました。当時アメリカと冷戦の状態でしたが、子どもながらに強いものに対するあこがれのようなものがあったと思います。小学生の頃ですから部分的にしか分からなかったと思いますが、とにかくソ連が崩壊するということが書かれていて、自分はすごいことを知ってしまったという感覚でした。当時、友だちにこのことを言っても誰も相手にしてくれませんでしたが、それから10年後に本当にソ連は崩壊しました。ここから本に対する畏敬の念を感じるようになったと思います。なおこの本は2022年に復刊本がでました。

児童書にも実話に近いものがあります。次の本は著者の生涯を振り返って描かれた児童書です。

・『この楽しき日々』(ローラ・インガルス・ワイルダー, 岩波書店, 2000年)

この本を読もうとしたのは偶然というか、図書館でふと手に取った本です。開いたページがちょうど主人公が教師として働く初日の様子で、その瞬間に本の世界に引き込まれました。主人公と自分自身が重なる不思議な感覚にもなりました。大人が読んでも面白いと思います。小学校の教師をしていたこともあり、教師の生き方を描いた本は特に好きです。将来教師になりたいと思っている人におすすめです。

なお先ほど「偶然」と言いましたが、もしかしたら偶然ではないかも知れません。本との出会い方については実に面白い方法があるので、これはまた後ほどお話したいと思います。

次の本も教師の本で、ノンフィクションです。2001年に文庫本も出ています。

・『リターンマッチ』(後藤正治, 文藝春秋, 1994年)

この本は定時制高校のボクシング部顧問の先生のお話です。教師をしていると様々な壁に直面することが必ずありますが、そういった壁を乗り越える力を与えてくれる本です。

 

②先生が本を読むスタイルはありますか?

次々に新しい本を読むよりも、実は同じ本の同じ箇所を繰り返し読むことが好きで、数えきれないほど読んでいる本もあります。

 

③大学生におすすめしたい本はありますか?

ずばり学術書をおすすめします。といっても安心してください。おすすめなのはその「まえがき」です。学術書の前書きには、著者が人生をかけて研究してきた、その人生が凝縮されています。内容が難しい学術書であっても、その前書きはまた別です。自分にとって敷居が高いと思う内容の本であっても、前書きが面白いものが多くあります。学術書の前書きは、ひとつの小説と言えるかもしれません。これを読むと、人生のヒントが見つかることだってあります。なお、学術書によっては「あとがき」の方が充実しているものもあります。

 

④村上幸二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

とっておきの探し方があります! まず図書館などで書架に並んでいる本を眺めます。本屋さんでもやり方は同じです。とにかく心を無にして本を眺めるだけでいいのです。そうすると本の方が自分を呼んでいる感覚になるんです。まるでおすすめの本を教えてくれるような感覚です。その本を手に取ってみて、心を無にして本をパラパラっとめくります。必ずしも最初から読むとは限りません。それも本の方が、読み始めるべきページを教えてくれるような感覚です。そこから本を読み始めます。実際こうして感動する本に出合うことが多くあります。本の方が自分を呼んでくれるということで、この探し方はおすすめです。

 

⑤司書教諭の資格は取っておいた方が良いですか? 先生が考える司書教諭の魅力を教えてください。

司書教諭は本を通して、子どもたちと触れあうことができます。例えば思春期の中高生は、小学生の時と比べると先生との距離が離れてしまいがちです。しかし本の魅力は変わりません。本の内容についての共通話題もありますが、面白い本を紹介したり本の購入リクエストに応えたりした時の心の通い合いといったものもあります。本を通しての子どもたちとの関わりは大切ですね。司書教諭の資格を持っていれば必ず司書教諭になれるという保証はありませんが、資格がなければ司書教諭になることはできませんので、もちろん取っておいた方がいいです。

 

⑥先生が司書教諭をしていて良かったと感じたことは、どんな出来事ですか?

小学校に司書教諭として勤務していた時、図書委員の指導を担当していました。ある日、図書委員の一人が、絵本の内容を劇にして発表したいと提案してきました。私はできるだけ子どもたち主体の企画を生かそうと、隣の幼稚園に依頼して劇の発表会をすることになりました。使用した絵本は『そらまめくんのベッド』(なかや みわ, 福音館書店, 1999年)です。セリフはそれぞれの役の者が言うのですが、それだけではなく実際に衣裳を着て、ベッドも段ボールで作って劇に臨みました。結果は大成功です。私は細かいことは口出しせず、ほとんど子どもたち自身にまかせて要所だけアドバイスをする形をとりました。こちらが指示をしなくても、子どもたちは積極的に企画に向けて準備をしました。衣裳も自分たちで作ってきたのです。このときの経験で、子どもが好きなことを自由にさせることは子どもの可能性を広げるのだと感じました。司書教諭をしていたからこそ実感できたことです。

 

村上幸二先生、インタビューありがとうございます。

 

【感想】

私は、③おすすめの本、④村上幸二先生オリジナルの本の探し方が心に残りました。

③おすすめの本は、なんと学術書の前書き!ということで、他の先生で同じことをおっしゃる方はいないと思います。私も学術書の前書き読もうと心に決めました。まずは私が履修している授業の先生や、私のゼミの先生の学術書の前書きを読んでみようと思います。学術書の中身は難しくて分からないかもしれませんが、前書きは、ドラマを見ているようで楽しく読めるかもしれません。初めての試みですが、読んでみたいと思います。

④村上幸二先生オリジナルの本の探し方「本が自分を呼んでくれる」というのは、素敵な探し方だと思いました。リラックスした状態で、岡本駅前の本屋さんや甲南大学図書館にふらっと入る。そして本が自分を呼んでいると思ったら、その本を手に取ってみようと思いました。この探し方は今まで読んでこなかったジャンルを読むきっかけになるかもしれません。楽しみです。早速、今日から実践してみたいと思います。

他の先生にはない、村上幸二先生独自の考え方があり、インタビューをしていて楽しかったです。

村上幸二先生、ありがとうございます。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん

図書館学課程(司書) 國松 完二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、図書館学課程(司書) 國松 完二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書課程の先生でいらっしゃる國松完二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、何ですか?

一冊目は、『天使のいざこざ』(ラングストン・ヒューズ著,木島始訳,晶文社)です。ラングストン・ヒューズはよく知られている黒人の詩人です。ラングストン・ヒューズは、社会で恵まれずに生きている人の気持ちを黒人の視点から詠っています。私はこの本を読むことで、本を好きになり、より読書に励むようになりました。

二冊目は、『坂口安吾 風と光と戦争と』(文藝別冊 KAWADE夢ムック 河出書房新社編)を紹介します。作品としては『堕落論』や『桜の森の満開の下』がよく知られており、若いころには、ほとんどの作品を読みましたが、この本は、三島由紀夫や中上健次など、時代時代の代表的作家の安吾に関する評論等が収録され、安吾が世の中をいかに批判的に見ていたかが、理解できる1冊です。

 

②先生の本を読む頻度は、どうですか?

若い時で多い時だと1ヶ月50冊読んでいました。今は、仕事の関係の本を読むことが多いので、せいぜい週に1冊程度ですね。

 

③先生が大学生におすすめしたい本はありますか?

移動図書館ひまわり号』(前川恒雄,夏葉社)です。大学生、特に司書課程で学んでいる人に読んでほしい本です。著者が東京の日野市立図書館で仕事をされていた時の話をまとめられたものです。私は、この本を読んで相手(図書館の利用者)が何を探しているのか考えるきっかけになりました。図書館利用者が求めているのは何か、図書館サービスの方法を考えたり、また、図書館で働くための人間関係についても学びました。

ちなみにこの本は、一回絶版になったものが復刻されたものです。初版は大手の出版社から発行されましたが、ひとり出版社のひとつである夏葉社の社長さんが、この本に感動して復刻された本です。
ひとり出版社は最近全国で多数創業されていますが、本当に世の中に出したい、読んでほしい作品だけを出版していく考え方、姿勢が好きですね。ひとり出版社の本は、おすすめです。

 

④國松完二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

偶然性を大切にしてほしいです。本の背中を見て、探すのは楽しいです。世界が広がった感覚は、楽しいですよ。

 

⑤司書の資格を取るか悩んでいる大学生に向けて、司書の魅力を教えてください。

司書は、情報分析力を手に入れることができると思います。図書館にある本を評価することにより、今、よく言われているデータサイエンス力も養えることができます。また、司書は、サービス分析力を手に入れることもできると思います。相手の伝えたいことを探るために、住民とどのようにコミュニケーションするかを考えることで、サービス分析力を育てることができると思います。

 

⑥司書をしていて良かったと感じたことは、なんですか?

私は滋賀県の図書館で働いていました。私が就職したころ、滋賀県には公共図書館がほとんどありませんでした。そんな状況から市や町にひとつずつ図書館が作られていくことをサポートできたことが思い出です。図書館の中だけで仕事をするだけでは味わえない感覚でした。

 

⑦先生オリジナルの本の楽しみ方はありますか?

日本の本は海外に比べると本のつくり方がとても綺麗だと思います。日本は帯、カバーのデザイン、しおりのつくり等が丁寧ですよ。本は、文字の集まりだけではなく、帯、カバー、しおりも含めた一つの作品だと思います。私は、電子書籍も読みますし、電子書籍もっと普及すると思いますが、その一方で、紙の書籍でしか味わえない、日本の丁寧につくられた本は、好きですし、読み続けたいと思います。

 

先生、インタビューありがとうございます。

 

【インタビューを終えて感想】

最後の⑦の回答で、本は、一つの作品だというところが印象に残りました。私は、日本で出版された本しか読んでこなかったので、当たり前だと思っていたけど、丁寧に作られた一つの作品だと思いました。私は、ニュースで日本の絵本が海外でも人気だということを聞いたことがあります。それだけ、日本の本は、世界において価値が高いものだと思いました。また、これから本を探すときに、ひとり出版社の本も視野に入れようと思いました。授業の空きコマや、電車に乗るまでのちょっとした時間には、甲南大学図書館や、岡本駅前の本屋さんに寄ってみようと思いました。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん

文学部 田中 雅史先生へのインタビュー

文学部4生 Sさんが、文学部 田中 雅史先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q.  本はよく読まれますか。

A.学生の発表題材、論文の参考文献、趣味の本など様々読んでいます。学生時代は月30冊ほど読んでいました。古本屋で本を買って、両手にたくさん持ってそのまま喫茶店へ行っていました。下宿先も本でいっぱいで、まるで地層のようでした。

 

Q. これまで本を読んできた中で印象に残った本はありますか。

A. 大学時代に読んだ『迷宮と神話』(1996,カール・ケレーニイ著,種村季弘,藤川芳朗訳,弘文堂)です。迷宮が人間の心理のようなもので、通過儀礼(イニシエーション)、つまり古い自分を捨てて、新しい自分になることが印象的でした。本ではギリシャ神話の通過儀礼が紹介されていますが、今ではバンジージャンプという遊びに変わっていますね(笑)

 

Q.ゼミでは村上春樹の作品を多く読んできました。村上春樹との出会いはどのようなものだったのでしょうか。

A. 大学時代は、名前は知っていてお洒落で軽い文学だというイメージはあったのですが、甲南大学に赴任してきてたまたま『ねじまき鳥クロニクル』(1997,村上春樹,新潮文庫)を見つけました。研究していた、前エディプス期と似通う所があったのがきっかけです。

 

Q. 読書の魅力は何だと思われますか。

A. 年齢によって変わってきます。小さい頃は、現実からちょっと離れて息抜きできる点です。おやつを食べながら、児童書を読んでいた時間が好きで、『ふしぎな虫たちの国』(1975,シーラ・ムーン作,山本俊子訳,冨山房)がお気に入りでした。

 大学時代は、今まで読んできたものには意味があって、現実に繋がっているものとして見直せた点。現在は、没頭して異世界に触れられる点。異世界と言っても、現実から逃避するのではなく、現実を楽しむために異世界に入ることが大事だと思っています。

 

Q. 田中先生が学生におすすめする本があれば、教えてください。.

A. 最近執筆した『ナルシシズムの力―村上春樹からまどマギまでー』(2023,田中雅史,新典社)です。あとは十二国記ですかね。授業では扱いますが、『月の影 影の海』(2012,小野不由美,新潮文庫)『魔性の子』(2012,小野不由美,新潮文庫)がお薦めです。

 

感想:学生時代の古本屋で本を買い、そのまま喫茶店に入って読む習慣がお洒落だと感じました。本の世界の主人公が異世界に迷い込み、抜け出して成長するというテーマはとても興味深かったです。人でも、本を読んだ後は、読む前より視野が広がる感じがして、似ている気がしました。

(インタビュアー: 文学部4生 Sさん

経済学部 上島 康弘先生へのインタビュー

経済学部2生 西田 純さんが、経済学部 上島 康弘先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか.

A.「本による.」

 

Q.図書館はよく利用されますか.

A.「図書館による.なお,図書館ブログにアップするこのインタビューは,必要ならば図書館が行なう仕事のように思うが…」

 

Q.どんなジャンルの本を読まれますか.

A.「面白さはジャンルと無関係.」

 

Q.どのように読みたい本を探しますか.

A.「新聞の書評欄や,雑誌の,本に関する特集(『いま,読むべき本』など),本に関する本(『わたしのベスト3』,『Around the World in 80 Books』など)に目を通す.」

 

Q.先生が最近読んだ本で,気に入っているものは何ですか.

A.「この夏に読んだ本(カッコ内は感想)は,横山秀夫『クライマーズ・ハイ』文春文庫2006(主人公はなぜ判断ミスを繰り返すのか、私には理由が分かる),ジョン・スタインベック『エデンの東』ハヤカワ文庫2008(「(父親が泥棒で,母親が売春婦でも)人間は自分のすすむ道を選び,戦い抜いて勝利できる」と思わせてくれる),安嶋明『「学びほぐし」が会社を再生する-企業とファンドの組織変革物語』岩波書店2022(退職後,人を生産性で見ることをやめたいが,大学再生ファンドならばやってみたい),タラ・ウエストーバー『エデュケーション- 大学は私の人生を変えた』早川書房2020(宗教2世の解脱の苦しみ.読みながら何度も“That is only your imagination, Dad!”とつぶやいた),川崎二三彦『児童虐待』岩波新書2006(児相所長の対応よりも親の再教育と一時保護の制度に問題あり),OECD『PISA 2018 Results (Volume III): What school life means for students’ lives』OECD2020(日本の15歳の生活満足度が33カ国中32位である理由),養老孟司『子どもが心配-人として大事な3つの力』PHP新書2022(出生率の議論より,3つの力を育てる教育と子どもが幸せな社会を)など.通常,総ページ数の2割まで読んで面白くなければツンドクにする.」

 

Q.学生におすすめの本はありますか.

A.「自分で探しなさい.」

 

Q.学生が本を読むことは必要だと思いますか.

A.「必要だから読むという人には必要ない.理由は分からないが,手本になる友人には本を読んで義理堅い人が多い.サムライはスマホを見ない.」

 

感想:まず上島先生のアンサーが自分の予想していたものではなくて驚きました.「本は好きです.好きなジャンルは〇〇です.」という回答を想像していました.しかし返ってきたのは,上記の通り「本による.」「面白さはジャンルと無関係.」などです.ぶった切った回答が多く,驚きはしましたが,率直な意見が聴けたと思っています.

 インタビューをしてみて上島先生流の読み方が知ることができ,参考になることや自分にはない考えが伺えて楽しかったです.

 最後に,上島先生お忙しい中ご協力ありがとうございました.

(インタビュアー: 経済学部2生 西田 純さん

ベーシックキャリアデザイン 中山 一郎先生へのインタビュー

文学部3年生 佐伯 菜奈実さんが、ベーシックキャリアデザイン 中山  一郎先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本はよく読まれますか?

A.本は読みますね。一日にかけて7,8冊の本を同時に読みます。朝・通勤時間・大学の研究室・隙間時間・帰り・家のソファ・ベッドそれぞれの時間帯で本の種類を変えて読んでいます。決めていることがあって朝は木戸孝允の日記を読むことにしているんです。今日は3月6日だったと思います。文章が長かれ、短かれ1日分だけ読むようにしています。

 

Q.読書の中で印象に残るフレーズはありますか?

A.生涯愛情について悩むことがありまして、ずっと森の中を彷徨うように悩んでいたんです。その時、学生時代甲南大学の教授が死ぬまでに読んだらいい本を言っていたのを思い出して、『愛するということ』(エーリッヒ・フロム,1956) (改訳・新装版,紀伊國屋書店,2020.9)を手に取りました。「愛情は技術」だということばが私を救ってくれました。愛情は天から与えられると思っていました。しかし、大工や医療のように自分の技術として磨くことができるのだと思いました。

 

Q.本を買う決めては何ですか?

A.これに決める!というよりかは偶然が多いですかね。本屋に行き、ページをパラーっとめくって一行やフレーズが直観的にいいなと思えば、即本を購入します。目的のためというよりかは偶然な出会いが大きいです。

 

Q.ベーシックキャリアデザインで紹介された『青い鳥』(重松清,2007.新潮社)の好きな場面を教えてください。

A.人間の中が意識―心―魂の3段階に分けられていたとすれば、命といってもいい魂の段階のSOSに村内先生が寄り添ってくれるところですね。単に励ましたり、癒したりするわけでもないそのままでいいということを感じさせてくれます。

 

Q. 本の魅力とは何でしょうか?

A.自分の知らない世界の現実と離れて没頭できることですかね。活字中毒だと思います。魅力というと本は特別だというように感じますが、私にとって読書はごはんを食べるようなことで当たり前のような存在です。

 

Q. 進路に悩む学生におすすめの本を教えてください。

A.『エピソードの就活』(中山一郎,2017.晃洋書房)です。今の就職本はこんなエントリーシートを書けばよいという答えを与えるものが多いです。しかし、この本はすぐに答えは出ないけれど今後の考えを広げるために書きました。いわゆる、無人島に行き魚を持つ漁師に魚をもらうのではなく、釣り方を教わるということです。すぐに答えはでないけれど、どこかで役に立つはずです。

 

感想:中山先生の「読書はごはんを食べるようなことで当たり前のような存在」というお言葉が印象的でした。生活のリズムやアクセントを生み出す読書。私も誰かの日記を読んでみたいです。

(インタビュアー: 文学部3年生 佐伯 菜奈実 さん )

経済学部 佐々木 優先生へのインタビュー

経済学部 1年生 Kさんが、経済学部 佐々木 優先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?

A.本はいつも読んでいます。

 

Q.週に何冊読みますか?

A.数えきれないくらい読んでいます。仕事で本を読むことが多いです。

 

Q.どのようなジャンルの本を読んでいますか?

A.仕事に関係がある本を中心に読んでいます。そのため、小説を読むことは少ないです。

 

Q.先生が好きな本を教えてください。

A.『天才たちの日課』という本です。私が彼女と雑貨屋さんにいた時に、小さな本棚にあったその本がふと目に入りました。この本はアインシュタインやピカソなどの天才達がどのような生活をしていたのかを書いたものです。私は、天才の生活には共通の特徴があるかも知れないと予想をして、読書をはじめました。しかし、私が読後に得た結論は、予想外の物でした。天才たちはそれぞれのスタイルで思い思いに生活をしていて、そこに共通点はなかったのです。だから、私は、自分に合った生活を送るのが1番良いと感じました。自分の好きな通り生きて行こうと思いました。朝早起きするか、夜更かしをするか、朝ご飯を食べるか食べないかなどは、自分にフィットしたやり方で進めていっていいんだと自信を持ちました。この本は、その見つけ方もそこから得た教訓も、思いがけないセレンディピティ(偶然の出会い)に満ちたものだったので、とっても強く印象に残っています。

 

Q. インターネットが進んでいる一方で、大学生が本を使うべきメリットはありますか?

A.私はインターネットと本、つまりデジタルとアナログの両方を駆使するべきだと思います。大学生がレポートを書く際に、パソコンを用いて参考になる本を見つけるスキルは必須です。ただ、それだけでなく、アナログの方法も重要です。買う本の予定もないが、本屋さんに入店して、ふと手に入った本が今後の人生に影響を与えるかもしれないので、積極的にセレンディピティ(偶然の出会い)に出会うべきです。

 

感想:質問に丁寧に答えていただき、ありがとうございます。私は先生の好きな本が先生の専門分野についての本ではなくて、エッセイだということが予想外で面白かったです。私もセレンディピティ(偶然の出会い)を体験したいと思いました。甲南大学の最寄駅にも本屋さんがあるので、電車を持つ数分でも本を手に取り、眺めてみようと思いました。そのようなことを考えると、明日も楽しくなってきました。

(インタビュアー: 経済学部 1年生 Kさん )